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Dublin Airport @Dublin -完- [Northern Ireland (UK)]

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―DAY10&11― 10月6・7日

いつものように気づけば帰国日だ。

ダブリン発の9:05のフライトに合わせ、
チェックアウトは前日に済ませ、まだ寝入っているホステルを後にし、夜明け前のバス・ターミナルへ。
ベルファストの『ヨーロッパ・バスターミナル』から空港リムジンに乗り込んだ。

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実はこの2つの街はバスで1時間半ほどの距離、
ダブリンからベルファストへやってくる際、バスが空港に立ち寄ることがわかっていた。

出発空港はあくまで『ダブリン国際空港』、
しかしダブリンのドミトリーが酷かったことやほかにいい宿を見出せなかったこと、
通貨をユーロに戻さなければならないこと、などを考え合わせると
(ベルファストは北アイルランド=英連邦の一部なので使用通貨は「ポンド」)
北の町々を巡った後、ダブリンに戻る気分にならず、ベルファストから発とうと決めていた。

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さすがにヘンな時間帯なのでバスはガラ空きだった。
寝過ごすと空港を過ぎ、ダブリンの街まで連れ去られてしまうので、少しばかり緊張して座っていた。

昨日は市庁舎「見学ツアー」の後、空港行きのバス・チケットを買い求め、
残ったポンドを使うべく、デリカテッセンで「チキンマサラ」と「マッシュルーム」を買い求め、
宿での夕食メニューに定めた。
さらに残ったコインは小さなバゲットが10個入った袋(50ペンス!)と、
朝飯代わりにするシリアルバーでキレイに使い切ってみせた。

気持ちよくポンドがなくなったのはいいが、帰国前夜にすでに文無しが確定だ。

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キッチンでカンタンな調理をし、ダイニングで夕食をパクついているといきなり話しかけられた。

「コリアかい?」

「いや、違うよ、ジャパニーズだ」

「ごめん、日本人はあまり見かけないから、この辺りに多い韓国人かと思ったんだ」

酔っぱらっているかのようにやたらとテンションの高い男はチェコ人だと自己紹介しながらそう謝った。
休暇でロンドンからやってきたばかりで気分が盛り上がっているらしい。

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日本人とわかるとあれやこれや、もはや恒例化しつつある「マンガ」関連の質問攻めにあった。

ユーロ・エリアでも「マンガ」は当たり前のメディアになっていて、書店の一角をキッチリ占めている。
モチロン吹き出しは現地の言葉に翻訳されて。
そんな環境なのでこちらが日本人とわかると「ドラゴンボール」「ナルト」「スラムダンク」など、
ひたすら掘り下げられることになる。
どういうわけかジャンプ系のネタが強いのが特徴だ。

テンションが高くメンドくさい彼の話をうまくあしらいながら、アイルランド戦がはじまるリビングへ。

ここ数日、一緒にTV観戦している馴染みの顔がそれぞれの場所を陣取り、プレイに魅入った。
好プレイで湧き、惜しいプレイで嘆息する、スポーツばかりはファンと一緒に観るのがもっとも楽しい。
そんな風にアイルランド滞在ラストの夜は更けていった。

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バスは一時間半かからずにダブリン空港に到着した。

明けきっていない空の下、ターミナル2のチェックイン・カウンターへ進んだ。(写真7)

注;2017年1月からエティハドはターミナル1へ移行している。
  ダブリン空港のターミナル1と2は写真右手の連絡通路で徒歩移動が可能です。
https://www.dublinairport.com/latest-news/detail/etihad-moves-to-terminal-1
(ダブリン空港公式サイト)

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ボーディング・パスをもらい、出国へ、審査はさらりと済んだが、X-ray検査が異常にキビシイ。
ベルトを外し、靴を脱ぎ、カバンもすべて開けて見せろという、しかも一人一人チェックが厳重だ。
いろいろな国で手荷物検査w施されているが、ここまで厳しくチェックする国は初めてだ、
次回訪問時はあらかじめ裸になっておくといいかもしれない。
アイルランドという土地柄か、あるいは昨今のヨーロッパ諸国が過敏になっているのかも。

フライトはこんな感じ。

10月06日TUE EY042 DUB 09:05/AUH 19:50
10月06日TUE EY878 AUH 22:05/NRT 13:15+1

アブダビで2時間ほど乗り継ぎ、翌日昼に成田着、南回りは長い道のりだ。

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いつものように「プライオリティ・パス」を利用して、ラウンジへ。
ダブリン空港ではどちらのターミナルでも『EXECUTIVE LOUNGE』を利用可能だ。(写真8)
ターミナル2の『EXECUTIVE LOUNGE』はやや小ぶりなサイズ、朝一なので幸いにも空いていた。

ラウンジで朝食代わりのフルーツに齧りつく、こんな風にアイルランドの旅は終わった。


追記;
この後、EY042便は出発が40分遅れ、結果、アブダビの空港には55分遅れの20:45に到着。
乗継のEY878便は22:05、搭乗開始(通常30分前)まで小一時間しかなかったが、
『AL REEM LOUNGE』ラウンジでシャワー浴びて、リフレッシュ、成田へのロング・フライトに備えた。
皮肉にも成田へのEY878便は予定より30分早く到着した。



9月のアイルランド紀行

2015年9月27日~10月7日 by EY871/EY041&EY042/EY878


-完-


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http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-09-29 アブダビ・インターナショナル(AUH)
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City Hall Tour @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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おそらく「見学ツアー」に参加した人たちのほとんどがマッサージ・サロンに駆け込んだかもしれない。

ベルファスト市庁舎の内部では最初から最後までこちらを圧倒する状態が続いた。
美しい装飾が施された天井や柱部分を見上げ続けるため、首は60度の角度で固定されたまま、
欧米人には少ないはずの肩凝りを訴える人が続出していた。
感心が増すばかりの説明を聞き続けるため、顎は無重力状態でひどく負担がかかったまま、
ホトンドの人が涎を拭くのに忙しそうだった。

その例に当てはまらない人たちはシャッターを切り過ぎて親指が肥大化した、と訴え、
そんな楽しい雰囲気で「庁舎内連れ回しの刑」は40分ほどで完結した。

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それにしても北アイルランド、ベルファストという一都市にこんなに豪奢な市庁舎があるなんて。
嬉しい発見、ちょっとした掘り出し物、歩いているとこういう発見もあるのだ。

『ピース・ウォール』への道のりは挫かれたが、
『シティ・ホール』の予想外の驚き、思わぬ出会い、いいタイミングで上がってくれた雨に感謝した。

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アイルランド戦の約束を思い出し、夕食の買い出しをしながら宿への道を辿った。
宿の近くまで来たところで、地元教会から生演奏の音が漏れ聞こえてきた。(写真9)

その音に導かれるように教会内部に歩みを進めると小さなバンドがリハーサルの演奏をしていた。

「来週、地元のイベントがあるからね、それの練習さ」

片隅にいたスタッフがそう教えてくれる。
重ねて写真を頼むと「かまわないよ」と快く答えをもらった。

礼拝席に腰を下ろし、しばらく生演奏のひと時、旅先にはこんな風におもしろいことが転がっている。

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City Hall @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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―DAY9― 10月5日

朝からどっぷりと雨が降っていて、出かける意欲をごっそりと削がれた。

もくもくと宿の朝食を摂り、こつこつと現地情報のブログを更新し、うつうつと午前の時間を過ごした。
世間的にはただでさえ憂鬱な月曜日、それを増幅させるかのように雨が降り続いている。
もっとも憂鬱な気分に陥るのは会社勤めの人のオハナシだろう、
無責任な旅人にはあまり関係のないハナシだったが、旅の足を縛られてしまっているのは確かだった。

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『Peace Wall(ピース・ウォール)』まで足を延ばそうかと思ったが、雨で計画をくじかれた形。

プロテスタントの「ユニオニスト」とカトリックの「ナショナリスト」の住宅街を分断している壁、
それが『ピース・ウォール』。
旧ユーゴの国(バルカン・エリア)やイスラエルなら異なる宗教同士で、
街なかに隔たりを築いていることはあるが、ここでは同じキリスト教徒が街を分け隔てている。
壁が築かれた経緯はGoogleかWikiにお任せするが、そんな場所がベルファストにはあるのだ。
しかしこの雨では身動きが取れなかった。

旅先には行かなくてはならない場所はないし、食べなくてはならないものなどない、
と記したらこの街に失礼だろうか。

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午後遅くになってようやく雨が上がり、ベルファストの中心地へ足を延ばすことにした。

距離があり、タクシーで向かわなくてはならない『ピース・ウォール』に向かうには時間帯が遅いため、
矛先を変え、「City Hall Tour」を目指すことに。
観光案内で教えてもらった15:00開始のツアーに間に合うといいのだけれど。

そういえばこの街は「タイタニック号」を送り出した街しても有名だ。
街のあちらこちらに「タイタニック号」にまつわるスポットがあるが、そちらには一切、気を惹かれなかった。

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決まった時間に無料で催されている「市庁舎見学ツアー」は特に予約を入れるわけでもなく、
正面玄関のホールに希望者がそろうと粛々と歩みを進める形ではじまる。

市職員だかボランティアだかわからないが、ガイド役の男性の後に続いて歩き、
建物の装飾や謂れなどの説明を受けながら、歴史ある市庁舎の廊下を巡っていく。

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実際に市議会が開かれる議場にも入れてもらえ、議員席に腰かけながら説明に耳を傾ける。
説明後のフォト・セッションでは、各々が議長のイスに腰かけ、ポーズを決めて楽しんでいた。
記念撮影にはバツグンのポジション、あるいはSNSのいいネタだ。

ちなみに一眼レフをブラ下げ、旅していると「写真頼まれ」率がとても高い。

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ちゃんとしたカメラをぶら下げている信頼感から頼まれるのか、
あるいは頼みやすそうな人畜無害のバカ面に見えるのか、
頼む側になったことがないのでわからないが、ツアー・コンダクター時代から記念撮影はオテノモノだ。

団体さん引き連れ歩いてた頃は、7個も8個もカメラ預かって「ハイ!ポーズ」なんてやってたっけ。

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記念撮影のコツは「一歩寄ること」。

バックにあれもこれも入れたくなるのが観光地の記念撮影ですが、グッと人物に寄ると雰囲気が出る。
背景のコロッセオだかマーライオンだか寺だか教会だかを全部入れようとすると、
薄味テイストの妙ちくりんな写真になっちまいますぜ。

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ああ、それにしても「石の国」の歴史ある建物を目の当たりにすると、
「木の国」「紙の国」の民はただただ嘆息するばかりでさーねえ。

おかしいよなあ、「紙」は「石」に勝てるはずなんだけど。


Belfast City Hall

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St. George's Market @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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『植物園』で子供たちと戯れ、『博物館』を子供たちと巡り、静かな時間が過ぎていった。

日曜日ということもあって、博物館内は家族連れでにぎわっていた。
とはいえ、奇声を発する困ったガキどもや無闇に走り回るジャリたれはおらず、
パパやママに導かれ、展示物の前で静かに好奇心と向学心を満たしている子供たちがいるだけだった。
英国式の例に漏れず、この博物館でも入場は無料だ。

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『植物園』ではドコからか現れた中国人の団体客が写真撮影に熱中していた。
花を前にしなを作り、ナゾのポーズで記念写真、自撮り棒はまさに彼らのために発明されたものだろう。
ところで撮影時にどうしてそこに手を当てるのか教えてくれないか。

そういった情景を眺めていると自分の家の古いアルバムの写真にイメージが重なっていった。
アルバムの中の親たちは映画俳優よろしく、
ナゾのポーズで岩場に腰かけていたり、ナニかの前で奇妙な立ち姿をしていたなあ。

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おそらく彼らには今が「昭和」なのだ、かつて日本に「東京オリンピック」があったように。
「ソウルオリンピック」があり、「北京オリンピック」があり、
海外旅行の規制が解かれ、異国に出向くことが当たり前の時代になり、
おそらくああいうポーズを経ないと先進国になれないのだろう、おそらく。

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街の中心に向かって歩き、『St. George's Market(セント・ジョージズ・マーケット)』を目指した。

ホステルで「オイシイモノが並んでるよ」と教えてもらったので、ランチのターゲットに定めていた。
しかもマーケットが開いているのは日曜だけなのだ。

倉庫を改造したマーケットの中に踏み入ると、
物静かな表情を見せるベルファストの街とはまったく別の雰囲気で、
建物の中は大勢の人でごった返していた。(写真4)
軒を連ねて並んでいる食べ物屋のせいかあるいは外とのギャップか、なんともエネルギッシュな雰囲気だ。

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中心部では生演奏が行われ、それを囲むようにランチ・プレートやワイン片手の笑顔が広がっている。
さすが「2014 UK Mo.1 Market」の実力者、というか実力市場。

屋台スタイルの出店は歩くごとに「コレ試食して」「食べてみて」とおかまいなしでプッシュしてくる。
う~ん、ランチいらないんじゃないか、というぐらいアレヤコレヤと試食ラッシュ。(写真6)

マーケットの物価は「チキンソテー」4ポンド、「パエリア」が4,5ポンドという感じ、
1ポンド=195円で換算していると高いなあと感じざるを得ないので、
やっぱりここでも勝手に1ポンド=100円ぐらいの自己換算を導入して歩いた。

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久しぶりのコメ、ご飯、ライスにありつくべく、「パエリア」をチョイス。(写真8)
1人分のスペースを探すのは難しくなく、生演奏付きの少々贅沢なランチタイムを堪能。

食後は民芸品やアート作品に気を惹かれることもなく、『セント・ジョージズ・マーケット』を離れ、
市庁舎前の『Donegall Place』へ。

食後のコーヒーを気取って、ローカルのカフェへ潜り込み、コーナーを陣取り、文庫本を開き、
午後の時間を過ごしながら、今朝のキッチンの言葉を思い返していた。

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「夕方からアイルランド戦があるよ、一緒に観よう」キッチンのハンガリー人オヤジがそう言う。
「いいですね、その時間には戻ります」朝食の皿を戻しながら、そう答えたことを思い出していた。

約束を守る義務も義理もなかったが、同好の士と時間をともに過ごすのは悪くない。
キッチンでパスタかなにかカンタンな物を作り、手軽に済ませ、
誘いに乗っかってみんなと一緒にTVを観るのもアリだな、と夜の過ごし方を考えていた。

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ガシガシと街を漁り、ボケボケとカフェで時を費やし、イソイソと食事を貪る。
取り立てて何かを成すような旅の時間は過ごしていないのはお恥ずかしいところ。
そこに居て、そこで過ごし、そこに浸っているだけ、ホント他には勧められない旅の仕方だ。

さてそうなると、夕食の買い出しにでも向かいましょうか。


St. George's Market

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Botanic Gardens @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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―DAY8― 10月4日

今朝は「英国空」が顔を潜めているらしく、午前から晴れ渡りそうなさわやかさを見せていた。

ゆっくりと起き出し、シャワーを浴び、おもむろにダイニングに降り、手作りのおいしい朝食を頬張り、
タップリミルクを注いだことでインスタントでも許せる熱いコーヒーをカラダに染み込ませた。
と書くと、なにやら旅先のステキなホテルの朝食シーンを思い描くかもしれませぬが、
「2千円台の安宿ドミトリー」でのことです、これ。

外は気持ち良い日差しが注ぎはじめていて、どうやらソックスは買わないで済みそうだった。

ホステルのそばにある『Ulster Museum(アルスター博物館)』を見学しようと
大学裏手にある宿から広大な『Botanic Gardens(植物園)』を横切っていくことにした。

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昨日は行きと同じく2時間弱の道のりでベルファストの『ヨーロッパ・バス・センター』に戻ってきた。

15時過ぎ、ブラブラと見慣れた道を辿り、途中、軽めのランチなどを取りながら、
昨日の朝までいた安宿『ラーガン・バックパッカー』へ出戻りチェックインだ。

「おかえり」と出迎えてくれたスタッフと握手を交わし、
キッチンでインスタント・コーヒーを注ぎ、ミルクを多めに入れ、リビングへ向かった。
ソファで5人ほどが寛いでいて、彼らの目線の先ではラグビー・ワールドカップがTV放映されていた。

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「お、ジャパンが来たね。ちょうど『日本vsサモア戦』がはじまるよ、ラグビー、好き? 見る?」

「とても好きなんだけど日本ではあまり放送されないんだ、それでもワールドカップだけは毎回見てるよ。
 ウィルキンソンの大ファン、今大会はもう出てないけどね。みなはドコから?」

「僕らはオージー、彼女はニュージー。そういえば南アフリカに勝利した試合はすごかったね。
 日本は『スモー』と『ベースボール』が人気と聞いていたから、あの試合は驚いたよ」

おいおい、ラグビー強豪国が顔を揃えているじゃないか。

「日本でもビッグ・ニュースになっているよ、普通のニュースでも放送されるほどの」

「いや、あの試合は世界的なニュースだよ、今大会の一番のオドロキと称賛の試合だ。
 うちとの試合は残念だったけど日本戦は目が離せないよ」

この試合の前に45-10で日本に勝利し、アドバンテージがあるスコットランドの彼が口を添えた。

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『2015 Rugby World Cup』、第8回を数えるこの大会は「England 2015」ということで隣の島で開催中、
9月18日開幕、10月31日の決勝で幕を閉じる日程だ。
予選はあきらめ、帰ってから決勝トーナメント全試合を見るつもりで渡航してきていた。
http://www.legendsrugby.jp/rugbyworldcup2015/schedule/overview/

「五郎丸」ブームが巻き起こった大会、と記した方が伝わりやすいかもしれませんね。
その後、いわゆる「五郎丸ポーズ」がTV画面や日常生活でも乱発されることになるわけですが、
以前からウィルキンソンの大ファンであったこちらは冷ややかな眼差しで眺めておりました。
まったくもって「ブーム」というのは性質が悪いからね。

それにしても日本チームが異国の人たちの口々にも話題になっていることはちょっと誇らしくもあった。

みなで他愛のないラグビー談義をしながら観戦を続けた、日本は26-5でサモアに圧勝し、
続けて行われた試合でスコットランドが南アフリカに16-34で敗れたため、
この3チームは1勝1敗で横並び、これにより日本株は高騰し、スコットランド人は少し青ざめていた。

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「『パブ・クロウウェル』参加しない? 夕食を食べた後、みなでPUBに出かけるの」

TVを見ていると女性スタッフにそう声をかけられた。

「なるほど、土曜日だものね、どうしようかな」

一人客が多いホステルやゲストハウスではBBQや夕食会といった催しを行っていることがある。
ソウルでは鍋をつついたり、ティラナではレストランに出向いたり、
宿泊客同士、ささやかな交流ができるのでそこから旅や行き先が決まったりすることもある。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2011-09-28 @ソウル
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28 @ティラナ

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一人旅にはありがたい催しではあったが、
デリーから戻って来てすぐラグビー観戦に巻き込まれたのでナニも考えてなかったことと、
デリーを一日歩き回った疲れを引きずっていたので、他の客と乾杯する気になるかがアヤシかった。

「飲まないで夕食だけの合流もアリだよ、それなら3ポンドさ」

考えあぐねているとヒゲのスタッフが助け舟を出すように明るくそういう。
これから食事に出かけるのもオックウだし、買ってきて作るのもメンドウだったのでその舟に乗ることに。

「夕食は19:30から。PUBに行くのは食事のあと。キミも加わってくれてうれしいよ」

彼にそういわれ、事務所で夕食代を支払い、ふたたびTV観戦に戻った。

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3つ目の試合、オーストラリア対イングランドがはじまる頃、キッチンからいい香りが漂ってきた。

夕食のは男ものの靴のサイズはあろうかというバカデカイ「グリル・チキン」がメイン・ディッシュ、
フレッシュなマッシュルームのソテーとフレンチ・フライが付け合わせ、
こいつは大鍋から勝手にとっていいシステムになっていた。
その他、パンやオレンジ・ジュースも置かれていて、3ポンドの金額には十分見合っていた。

みなでTVを囲みながら夕食をパクつくのは大家族気分、そんな風に土曜の夜は更けていった。
600円で腹イッパイになるのもありがたいが、おしゃべり相手がいるのがウレシイ。
旅先のテーブルで「一人メシ」はけっこう侘しいのだ、ただ皿を見つめるだけの食事はね。
そんなわけで手作りの料理とおしゃべりに夢中になり、写真も撮り忘れている始末でさあ。

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『植物園』に向かう大学裏の通りは車止めのウマが置かれ、封鎖されていた。

道路工事かなにかかと思い、割けるように歩くとその通りを自転車に乗った家族が走り抜けていく。
『植物園』入口にはハデな蛍光色のベストに身を包んだ警備員がいたので尋ねてみた。

「工事ですか? 閉鎖ですか? 『植物園』入れますか?」

「問題ないよ、どうぞこちらから。今日はベルファストは『サイクル・デイ』なんです、
 『シティ・ホール』から『植物園』まで自転車用に道路を封鎖する一日なんです」

そんな日曜日を祝福するかのように、眩い日差しが煌めいていた。


Rugby World Cup 1987 to 2015 promo

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Peace Bridge @Derry [Northern Ireland (UK)]

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ベルファストへのバスに乗る前にもう一度、ステンドグラスを堪能しようと隣の『ギルドホール』を訪ねた。

建物前の広場ではドコカで見たようなナニカに似たような着ぐるみが3~4体、子供たちに風船を配っていた。
遠巻きに見ていた女のコがママに
「あなたももらってきなさい、写真も撮ってあげる」と繰り返し背中を押されている。
しまいには手を引かれ、着ぐるみのほうに誘導されそうになると、
「NO!」と強い口調で声を荒げ、ママの手を振り払った。

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どうやら彼女は着ぐるみが怖いらしく、風船はほしいが近づけず、ボーダーラインを越えられないらしい。
その様子がおかしくて吹き出してしまうと、
わが娘を見て呆れていたママと目が合い、お互い笑ってしまった。
大人の笑いも気にせず、やっぱり彼女は着ぐるみと一定の距離を保っていた。(写真3)

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『ギルドホール』の中は母娘で溢れていた。

なにかの親子イベントが行われているようで、
ステンドグラスが美しいホールは子供たちの遊び場と化していた。
今日は土曜日、ショッピング・モールに人が多くニギヤカだったのもそのせいか。

ステンドグラスは子供たちに譲り、外に出ると裏手の川辺に向かった。

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『River Foyle(フォイル川)』の川べりはキレイに整備され、近代的な美しい遊歩道が伸びていた。
ジョギングしている人やサイクリストが頻繁に行き交い、ベンチにはコーヒー片手に寛ぐ人がいる。

川の向こうは『Ebrington(エブリントン)』の街が広がっているのだが、
こちら側は「旧市街」、向こうは「新開発地区」とカンタンにいい切れない事情がここにはある。

『エブリントン』はプロテスタント派の「ウォーターサイド」、
川沿いの『St. Colomb's Park(聖コロンブズ公園)』は、
かつての「デリー包囲戦」で英国軍の拠点が置かれた場所でもある。
城壁のあるこちら側はカトリック派の「シティサイド」、
その軍の包囲に耐えた抜いた側で『フォイル川』を跨ぎ、さりげなく両派は隔てられているというわけ。

ヨーロッパの街にはこういう見えない境界線や階級、宗教の隔たりがさりげなくあるのですね。

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2011年にこの両派を繋ぐべく『Peace Bridge(ピース・ブリッジ)』が造られた。(写真6)
「街が変わる触媒となる」といわれたこの橋はクルマが通れない「歩行橋」で、
近代的なデザイナブルな橋と添えられた花々が美しい。
そのためか記念写真に熱を入れる旅行者や若者が多く、橋の上ではしゃぐ姿がチラホラ見受けられる。

「ナニ人だい?」

写真を撮り終え、ベンチに腰を下ろしていると年配男性に声をかけられた。

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「ニホンジンです、10日ほどアイルランドを巡ってます」

「日本人なのか、めずらしいね。あまり旅行者が多い街ではないからね。
 どうだい、この街は?」

「静かでとても穏やかでいい街です。
 ダブリンのようにガチャガチャしてなくてとても気に入りました」

「そうか、それはよかった。なにもない街だからね。気に入ってくれてうれしいよ」

「人も穏やかで親切な気がします」

「それはよかった」

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頭の中では『ピース・ブリッジ』を渡って、『エブリントン』の街を散策するアイデアが浮かんでいたが、
すっきりと会話を交わしたせいか、すっかり穏やかな気分になり、
めっきり隣町のことはどうでもよくなっていた。

昼を過ぎ、気温が高くなる時間帯のはずなのだが、「英国空」真っ盛り。
いっこうに陽が差す気配はなく、肌寒い陽気が広がっていた、こうなるとくつ下がほしいぞ。

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旅のスタイルはまだ初秋だったので、足元はいつものように素足で「Top-Sider」の革のデッキ・シューズ。
ソックスなしでOKなのでその分、荷物は少なく済むのだが、雨や寒さにはチト弱い。
幸い雨には降られていなかったが、10月だというのに「英国空」のせいで足元からの冷えに襲われていた。
寒さに耐えられなければ、帰る前に何処かでソックスでも買おうかな。

あるいはベルファスト行きのバスに乗ってしまえば、寒さも関係ないかもしれない。


Peace Bridge

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[スペリー・トップサイダー] Sperry Top-Sider ボートシューズ タン(TAN)

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St. Colomb's Cathedral @Derry [Northern Ireland (UK)]

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―DAY7― 10月3日

ここの朝食もホステルにしてはご機嫌な品揃えだった。

長テーブルの上にはトースト用のパンの他にベーグル、シリアルが数種置かれ、ジャムは5種類ほど並び、
バスケットにはフルーツ、冷蔵庫にはヨーグルトとホテルに負けないラインナップが用意されていた。
惜しいことにどういうわけかコーヒーがなくて、ティーバッグの紅茶で「お茶を濁す」しかなかったが、
そこにはタップリのミルクを注ぐことができ、「英国式」を堪能できたのでそれはそれで悪くはなかった。

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オフ・シーズンということもあり、ホステルはガラ空きのようだった。

5つの3段ベッドが置かれた部屋には後からドイツ人男性がチェックインしてきただけ、
その彼も一緒にいた地元っ子らしいガールフレンドと出ていったかと思うと、
そのまま朝までというか、こちらがチェックアウトする時間になっても帰ってくることがなかった。
荷物沖にチェックインしたのかよ、とツッコんでみても誰もいないし、愛の行方は誰にもわからないのだろう。

結局、ドミトリー独り占めの奇妙な滞在、広過ぎるシングル・ルームだぜ、これじゃあ。

朝食のため、キッチンに来ても誰もおらず、ここも貸し切りのご様子。
夕食のパスタを調理した時にはキッチンを使う夫婦がいたり、シャワールームで男性と擦れ違ったり、
どうやら他の部屋には客がいるようだったが、なにしろ宿泊者と顔を合わせないみごとなオフシーズン滞在だ。

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しばらくするとキッチンにアジア系の女のコが一人で入って来て、ミルクやヨーグルトの在り処を尋ねられた。

香港人の彼女はこちらに留学中、そこに香港から母親が訪ねてきて、一緒に小旅行をしているらしい。
「母さんは朝食を摂らないから旅のリズムが合わないのよ」と嘆いているのが可笑しかった。

「こちらの生活はどう?」

「香港と物価が変わらないから意外と暮らしやすいかな」

彼女は10時のバスで次の街へ向かうため、慌ただしく朝食を詰め込んで、旅立っていった。
入れ替わりで二日酔いだか寝不足だか、ゲンナリした顔の若い男の子がやって来た。

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「クラブで朝まで騒いでいたんだ、反動でテンション上がっちゃって寝れなくて」

インド系ニュージーランド人で学生だという彼は表情とは違って明るい口調で申し訳なさそうにそう説明した。

「そういう顔をしているよ。お茶でも飲めば?」

「ありがと、そうする。タバコ吸ってもいいですか?」

「ここが禁煙じゃないなら、かまわないよ」

そういうと丁寧に礼を言い、缶のケースを取り出すとタバコを巻きはじめた。

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「こっちの人って、巻き煙草を自分で作る人、多いよね?」

カフェなどでもよく見かけたので、そんな質問を投げかけてみた。

「こっちじゃタバコ高いんですよ、手巻きだとちょっと安いんです。吸います?」

「ありがと、でも吸わないから、気にしないで」

「あ、僕が寝れないのはジョイント(大麻)のせいじゃないですよ。
 こうやって巻き煙草作っていると『ハッパか』っていわれるけど僕はクラブでもハッパはやらないんで」

「ダイジョウブだよ、疑ってないから」

その後は日本のマンガやアニメのハナシが大いに膨らみ、
紅茶やフルーツを楽しみながら、キッチンでゆったりした午前を過ごした。

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しばらくしてチェックアウト、といってもデイパックひとつの身なので、
事務所のスタッフに「じゃあね」といって声をかけただけで出かけることになった。

ゲール語で「樫の森」を意味する名がついたこの街はアイルランドで唯一、城壁が完全な形で残っている。
その城壁には7つの門があるというのでそこを辿るように小さな城砦都市のなかを歩いた。(写真3)

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南側のビショップ門のそばの大きな『St. Colomb's Cathedral(聖コロンブズ大聖堂)』に戻ってきた。(写真4)
昨日は閉館時間に間に合わず、見学することができなかったので、あらためての訪問で中に進んだ。

ここにも美しいステンドグラスがあり、かつてこのこの街が包囲された経緯などが刻み込まれている。
この街に来てからステンドグラス三昧、ちょっとシアワセな「三昧」、これなら毎日でも歓迎だ。

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城壁内はアパートがあり、商店があり、食堂があり、普通の生活が営まれている。
通りを普通にクルマが走っていくが、城門部分は狭くなっていて、譲り合う形で擦れ違っていく。
大聖堂から2ブロックほど歩いた城砦の東側にはショッピング・モールが2つ3つ肩を並べていて、
馴染みのあるブランド・ショップのロゴがあちらこちらにあふれ、
チェーンのファストフードやカフェは家族連れや学生たちで混んでいて、ニギヤカだ。

石造りの城壁や不便な城門とモールやショップのハデな看板との時間軸の乖離を感じる、というと大げさかな。
普通に暮らしている人や働いている人がいるのは当たり前のことなのだが、
17世紀と21世紀の同居は余所者にとっては不思議な感覚に囚われたような気分になる。
週末のニギヤカな人出がそのギャップを余計に色濃くしているようだった。

そう、今日は土曜日、週末の混雑というわけね、のんきな旅行者に曜日はないからなあ。



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Free Derry Corner @Derry [Northern Ireland (UK)]

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煌めくステンドグラスに魅入られ、『ギルドホール』で予想外の長居をしてしまっていた。

といっても急ぐ旅ではなし、消化しなければならない予定があるわけでもなし。
旅、特に一人旅には「しなくてはならないこと」や「行かなければならない場所」なんてものはないのだ、
ただ知らない街を歩いている、そのことだけで旅の意義は充分なはず。

『ギルドホール』でもらった地図を広げ、ホステルを目指し、街の北に向かって歩いた。

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小さな商店やPUB、食堂が連なる通りを歩くと「ランチメニュー」と書かれた黒板が目に留まる。
コーヒー・ショップのテラス席ではビジネスマンが大きめのビア・グラスを傾け、
ビストロ風の小奇麗な店の中ではランチ・プレートを前に女性同士がおしゃべりに花を咲かせている。
ランチには遅い時間だったが、安宿でガッツリ朝食を食べてきたので宿探しの燃料はまだ残っていた。

番地を頼りに歩くが、目的のホステルのカンバンが見当たらない。

いつもの旅の悪いクセでガシガシと無手勝流に歩き過ぎ、お門違いの場所にまで歩みを進めてしまっていた。
思い留まり、ひょっこりあった両替店でレートを確認するついでに住所を告げ、教えを乞うことにした。

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「この宿のことは知らないけどこの番地ならずっと手前だよ。スーパーマーケットのそばじゃないかな?」

「ありがとうございます。チェックインしたら後で両替に来ます、何時までやってますか?」

「ここは街の外れだから15時で閉めちゃうんだ。
 バス・ターミナルのそばに系列店があるから、気を遣わず、そっちの方に行った方が便利だよ」

重ね重ね礼を言い、来た道を折り返した。
歩き出すと止まらない悪癖、今回もがっつり通り過ぎた様子でスーパーはとうの昔に通り過ぎていた。
スマホ片手にGPS頼りに歩けば、こんな風に迷うこともないのだろうが、
それだと地元の人との交流が激減してしまうので痛し痒し、なんてもっともらしい理由をつけて、
未だスマホを持っていないのです、この旅人は。

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さきほど通り過ぎたバカデカイ『TESCO』まで戻ってきた。

その辺りで一軒一軒、番地を探りつつ、カンバンを見落としてないか上部を見上げつつ、彷徨う。
明らかに迷っている風体とわかるのだろう、スーパー帰りの買い物客が時折、声をかけてくれる。
宿の名を知る人はおらず、解決にはいたらなかったが、
通り名と番地はこの辺りで間違っていないようで犯人には近づいているが尻尾を掴めないそんな状況が続いた。

アメリカなら通りの片側が奇数ならもう片方は偶数、下っていけば番地が増え上れば減り、と話は早い。
アイルランドの片田舎ではそう機能的にはいかないらしく、番地の法則に従ってはいるが、
なにせ番地表示、数字が書かれていなくて、なかなか事件解決の糸口を見出せないでいた。

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『TESCO』の前をうろつくアヤシイ人になりかけていたので、店のガードマンに番地を見せて尋ねてみたりしたが、
要領得ないまま、手がかりも得られずだった。
すると通りの向こうで真っ赤な扉を押し開け、女性が出ていった。
急にその扉が気になり、吸い寄せられるように通りを渡り、
その扉を見ると、そこには『Hostel Connect』のネームプレートが貼られていた。

「え~、ここなの? カンバンもなにもないじゃん、ホステルなのに」そう声に出しながら、ブザーを押した。

「扉を開けて入って来て」

インターフォンの向こうからあっさりと声が返ってくると、続いてドアのロックが解除される音がした。
狭い階段を上がると事務所があり、太っちょの若いスタッフがスナック菓子をつまみながら招き入れてくれた。

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「チェックイン、オネガイシマス、これ、リファレンス・ナンバー」

Webでブッキングした予約番号とパスポートを差し出し、名前も告げた。

「支払いはどうします? キャッシュ? カード?」

「あ、カードで」

1泊13,5ポンド(≒2600円)、ドミトリーで共同シャワー、朝食がついていてこの値段。(写真5)
散々迷った時間はなんだったんだ、というぐらいチェックインは手際よく進み、すぐに部屋を案内してくれた、

「今、シーツと枕カバー、持ってくるね。シャワーは掃除中だから今は使えないよ。
 ベッドは空いているから、好きなところを使ってもらってかまわない」

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案内されたドミトリーはめずらしい3段ベッドで木製のベッド・フレームが真新しく、部屋も清潔だった。
他のベッドに荷物はなく、まだ誰もチェックインしてないようで、迷わずコンセントに近い下段を確保。
PCの入ったデイパックをロッカーに押し込み、カメラバッグだけを手にしてすぐに出かけることにした。

まずはこの街へやって来た主題でもある『Free Derry Corner』を目指す、さいわい宿から近いサイドにある。

ベルファストよりも北上してきたこともあるだろうが、空はどんよりしたままで肌寒い。
街角のデジタル気温計は「7℃」と表示している、おいおい、10月初旬だぜ。
街外れの通りは観光客も地元の人も行き交うクルマも少なく、街の外郭というのにノイズがない空間が続いた。
それが寒さを際立たせているのかもしれなかったが、見知らぬ街の静かな空間を歩いているだけで気分がいい。

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10分も歩かないで『フリー・デリー・コーナー』の大きなモニュメントに出会ってしまった。(写真8)

忘れた頃に観光客がやって来てはなにかの競技のように写真を撮り、そそくさと去っていく。
空はあいかわらず寂しそうな色をしていて、「Sunday Bloody Sunday」が奏でられてもおかしくない情景だ。
ボタンを押すと曲が流れる歌碑などが置かれていたらあるいは彼らも長居したかもしれない。

どうやらこの場所は貸し切りになったらしい、しばらく腰を下ろして、寒空に浸っていた。


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Guildhall @Derry [Northern Ireland (UK)]

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街歩きを忘れて、しばらく『ギルドホール』のステンドグラスにシビれていた。

雰囲気を盛り上げるかのようにパイプ・オルガンの調べが流れている。
建物の性質としては街の中心にある「市民ホール」のような感じなのだろうが、
ステンドグラスとパイプ・オルガンが特別な空気を作り出していた。

「いつも演奏は行われているのですか?」

演奏を終え、演壇から降りてきたパイプ・オルガン奏者にそう尋ねた。

「いや、今日だけだよ。メインテナンスのために演奏していたんだ」

「それはラッキーでした。歓迎の演奏を受けたみたいで楽しめました」

「あはは、それはよかった。デリーへようこそ。キミは幸運に恵まれているのかもね」

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奏者が去り、奏でられた調べもなくなったので他のホールを巡り、展示室などを眺め歩いた。
ステンドグラスは広間の大きなものだけでなく、扉の上の部分や階段の踊り場にもあり、こちらを楽しませてくれる。

かつて爆弾テロなどで打ち壊されたこの建物は2013年に改修が完了、
ステンドグラスなどは新しいものだろうが、出迎えてもらうには充分の彩りと輝きを見せてくれていた。

宿を確認し、チェックインしたあとで街歩きに向かうつもりだったが、もう少し見とれることにした。

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Derry/Londonderry @Derry [Northern Ireland (UK)]

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―DAY6― 10月2日

今朝もバスに乗っていた、行き先は『デリー』、1時間50分の小旅行の予定だ。

昨日と同じように今朝も安宿にしては気の利いた、というよりすっかり気に入った温かい朝食を食べ、
ミルクをドボドボ注いだインスタント・コーヒーで寛ぎの時間を過ごしたあと、
デイパックに必要なモノだけを詰め込み、キャスターバッグを預け、11時前にチェックアウトした。

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今日の天気も朝から「ストロング・フォギー」、白い霧がまとわりつき、ジャケットが必要な肌寒さに覆われる。
英国領に入ってから天気もすっかり英国風、そんなところ合わせなくていいのに。
デイパックだけの身軽なスタイルで『ヨーロッパ・バス・センター』に歩いて到着、チケット・ブースに並んだ。

「『ロンドンデリー』に行きたいんだけど。往復だと安くなる?」

「今日往復するの?」

「いや、リターンは明日の土曜日で」

「明日の往復ね、少し安くなるわ。11:30のバスがあるけどそれに乗る? 

「乗ります乗ります。カードで支払います」

マイクを通した声はわかりやすくそう教えてくれた。
片道11,50ポンドのチケットが往復で21,50ポンド、少しばかりの割引料金。

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昨日はケバブ・サンドで夕食を手軽に済ませ、スーパーなどをヒヤカした後、ピンクの市庁舎を背にて宿へ向かった。

「明日は空いてないですね、土曜と日曜は空いているけど」

宿に着くや否やベッドの空き状況を尋ねたが、その答えは芳しくなかった。

「う~ん、そっかあ、しかたないね、ありがと」

キッチンで熱いコーヒーにミルクを注ぎ、リビングのソファーに沈み込み、PCでホテルを検索したが、
ベルファストでは安宿も少ない上に週末はすでに埋まっているようで、どうやらこの街での宿無しが確定した。

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地図を広げ、あらためて周辺の街を眺め、掘り下げてみることに。
なにせメインイベントの『ジャイアンツ・コーズウェイ』の奇岩を見終わってしまったので、プランは真っ白、
琴線に触れる街を探し、地図を覗くと『デリー/ロンドンデリー』という地名が目に留まった。

2つの名を持つちょっと変わった街は1972年の「血の日曜日事件」で有名な街だ。

別に歴史に詳しいわけでなく、U2の曲「Sunday Bloody Sunday」(原題)でそのことを知っていただけ。
あの頃は300円でレンタル(!)してきたLPレコードをテープに落としては聴く、ということを繰り返していた。
そのなかにU2の「WAR」があり、このアルバムにシビレてしまい、その後、U2にもどっぷりハマっていった。
U2の中でも特にお気に入りで、CDになっても買い求め、飽きることなく聴き続けていた。

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きっとこの頃から「アイルランド」という国がトゲのように刺さって気になっていたのだろう。
その後、深く知り合うことになるボストンの探偵が「アイリッシュ系」ということもあり、
この国への想いはトゲから枝ぐらいに大きくなっていく。

残念ながら作家が亡くなったことでボストンの探偵に会い続けることは叶わなくなったが、
今も活動を続けるU2はその背中を見続けていて、事あるごとにトゲの存在がちらついていた。
プロモーションのエア・チケットの行き先に「アイルランド」の文字が浮かび上がり、
彼らの国に飛ぶのは悪くないんじゃないか、というか、そのことがチケット購入の背中を押してくれた。

刺さっていたトゲを抜くのに今までかかってしまったが、どうせならトゲの元の樹木まで辿ってみるのはどうだろう。
昨日訪れた『ジャイアンツ・コーズウェイ』のほんの少し西にある街を地図で確かめながらそう思っていた。

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「『ロンドンデリー』行きはどの乗り場ですか?」

「乗り場はあっちだよ。その言い方はしないほうがいい、『デリー』で通じるから」

「はあ、ありがとう」

11:30に出発したバスはアナウンスもなく予定より早い13:10にロンドンデリーにバス・ターミナルに到着した。

「ターミナル」というほどのサイズではなく、「駅前のバス・ストップ」という規模にちょっと戸惑った。(写真3)

「ここ『ロンドンデリー』ですよね?」

「そうだ。『デリー』だよ」

予定より早かったので、まだだろうと座っていたので最後に取り残された格好で、
降りるときにはドライバーはすでにおらず、他のバスを待っていた人に尋ねるとそう答えられた。

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やはりここでも『デリー』と言われ、ぼんやりと違和感が膨んだ。
ターミナルやバスなど公的なものには『ロンドンデリー』と表示されているのになんでだろう、という疑問符とともに。

消化不良の違和感を抱いたまま、ターミナルを後にしたが右も左もわからない。
2時間近く北に向かって走っていただけあり、肌寒さが強くなっていて、感覚的にも不安を煽っていた。

ターミナルの真横に美しい外壁と背の高い塔を持つ建物が威風堂々の佇まいを見せていたので、
まずはそこに立ち寄り、地図をもらうかツーリスト・インフォの場所を教えてもらうことにした。(写真4・6)
通常、街を訪れると荷物を抱えたスタイルで宿探しからはじまることになるが、
いらないものは置いてきたので身軽にいきなり街を闊歩できるので拍子抜けの感じだ。

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立派な建物で出迎えてくれたのは荘厳なパイプ・オルガンの演奏だった。

豪奢な音が響く中、ロビーで地図をもらい、街の見どころなどを説明してもらうと、
この建物が『Guildhall(ギルドホール)』と呼ばれる街の中心的建物であることがわかった。
ロビーの奥には観桜客向けに街の歴史や展示物が並べられている。

係員に礼を告げ、オルガンの演奏に惹かれ、2階に上がると今度は鮮やかなステンドグラスが出迎えてくれた。

広いホールの奥にパイプ・オルガンが据えつけられ、それを囲うかのようにステンドグラスが広がっている。
昼間の陽光に照らされ、パイプ・オルガンの演奏に支えられ、その輝きは割増しで美しく見えた。

「Sunday Bloody Sunday」を聞きながらくすんだ街を歩く、という目論見はどうやら外れたようだぞ。



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Causeway Coast @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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日が落ち切った頃、バスは『ベルファスト港』に到着、セキュリティ・ゲートを過ぎ、制限エリアに入っていった。

バカデカイ客船に沿うように停まると、中国人グループを含めたほとんどの客が降りていき、
車内には10名に満たない人数が残されただけで、ガランとした感じになってしまった。

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『ジャイアンツ・コーズウェイ』からの帰り道はちょっと遠慮して最前席を明け渡し、最後部の席に座った。

最後部は4組ほどのカップルだか、お仲間だか、グループだかに囲まれていて、岩場での感想話が尽きない。
時折話しかけられはしたが、彼らの会話にはところどころ、
「船が待っている」とか「クルーズで」というバカげた単語が挟まるので、
年配者特有のしつこく繰り返される内輪のジョークと思い、あまに会話に身が入らなかった。

なんでクルーズ客が18ポンドのやっすいデイ・ツアーにいるんだ、というクエスチョンマークが消えずに、
途中からは一人文庫本に目を落としていた。

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「キミはドコの国の人? その本はどうやって読むんだい?」

最後列、5人がけの席で肩を並べていたの男性が無邪気にこちらの手元を覗き込んできた。

「日本からです。アイルランドを巡ろうと10日ほどの短い旅です」

そう答えながら、文庫本を差し出し、文字の追い方と書かれた文章の意味を説明すると、
4組のペアが食いつくようにこちらに向き直った。

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「日本語かあ、すごいなあ。中国語はよく目にするけど日本の本は初めてだ」
「右に開いていくんだね、この本。それにしてもまったくなにが書いてあるかも想像できないな」
「日本語はキャラクター(文字)が3種類あるのよね、どう使い分けるの?」
「あなたもカンジ・キャラクターを書けるわけでしょ?」

三方から囲まれ、たちまち囲み取材のようになってしまった、
もっとも興味は自分に向けられたものでなく、「日本語」という有名タレントへだが。

文庫本をきっかけに個人的な話しに踏み込むとさきほどのクエスチョンマークのナゾが少しずつ解けてきた。

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「ぼくたちはクルーズでマンチェスターからやって来て、ここ数日、ベルファストに滞在して、
エクスカージョン・ツアーで今日のこのツアーに参加したんだ」

「明日はエディンバラ入り、対岸のスコットランドへ渡る予定」

「あの中国人の団体さんも同じクルージングからだよ。
もっともあちらさんはロンドンからエディンバラまでのパート参加のようだけどね」

「ほおお。あなたたちは?」

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「北欧をスタートしたのは2週間ぐらい前かな。残り1週間、この辺を巡って、スタート地点に戻るのさ」

こちらがアレコレ掘り下げていく必要もなく、4組のペアは口々にアレコレ説明してくれた。

彼らはそのクルーズで仲良くなったグループ、さっきまでの話はしつこい冗句ではなかったのだ。
クルーズでベルファストに到着し、「エクスカージョン」としてこのデイ・ツアーに参加したわけで、
どうりで国籍もまちまちの夫婦だかカップルだかのばらばらグループに共通項が見い出せなかったわけだ。

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そんな話を重ねていると「普段と異なるルートで街へ帰る前に港に寄る」とドライバーがアナウンスした。
もっとも普段を知らないので、そういわれても大人しく席に埋まっているだけだが。

バスはバカでかいクルーズ船の他にはなにもない広い港に入ると、船のそばでクルーズ客だけを降ろした。
中国人の団体さんは2つか3つあったようでそれぞれが引率のガイドが掲げる旗に従って船に戻っていく。
広東語と北京語のグループがいたのでそれぞれ香港チームと大陸チームのツアー・グループだろう。

「では、楽しいクルーズを続けてください」

「君も楽しい旅とセイフ・トリップで」

4組のペアと握手して別れの言葉を交わすと、ドライバーがあらためて車内を確認し、バスは港から動き出した。

今日一日、豪華客船の人たちと同じツアーで巡っていたわけね、そう考えると少しおかしくなってきた。
だって18ポンドのデイ・ツアーだぜ、こちとらドミトリー滞在のバジェット・トラベラーだぜ。

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夕食が気になりはじめる時間にベルファストの街の中心に戻ってきた。

ドライバーは港に寄ったため、遠回りになり、帰着時間が遅くなったことをマイク越しに詫びていた。
重ねて集合地点であるツアー会社まで戻るが、希望であれば市庁舎前で降りてしまうことも可能だと告げた。

『ヨーロッパ・バス・センター』そばのツアー会社まで行く方が宿への帰り道は短かったが、
街の中心で降りたほうが夕食のアイデアが広がりそうなので、ここで降りてしまうことにした。

「今日一日ありがとう、とても楽しめました」

ドライバーと握手して別れた、掌にチップを潜めてもよかったが、そぐわない感じがしたのでやめておいた。

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日帰り旅の終わり、出迎えてくれたのはピンクに染まったド派手なベルファスト市庁舎だった。(写真9・10)

「ん?ナニコレ?」と一瞬頭をひねったが、今日から10月、ひょっとして「乳ガン撲滅キャンペーン」かな。

いわゆる「ピンク・リボン運動」、なんでそんなことを知っているかというと、
その運動をNFLが全面的にサポートしているため、現地取材で目にしたこともあり、
また10月のすべての公式戦では選手たちはかならずピンク色のアイテムを身に着けている。

ピンクのシューズ、グローブ、サポーター、タオル・・・この月だけフィールドの選手はピンク色の煌めきともに走るのだ。

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もっともベルファストでその運動が繰り広げられているかはわからない、
なにせこの街の市バスはド派手なピンク色、「belfast bus」でググってみるとわかりますぜ。
ことによるとただの街のイメージ・カラーなのかもしれない、機会があったら誰かに尋ねてみよう、小さな宿題だな。

さあて、今夜はナニを食べよう、夜はまだ更けないぜ。


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Giant's Causeway @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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長い時間、御預けを食っていた『ジャイアンツ・コーズウェイ』へようやくたどり着いた。

城見て、吊り橋渡って、醸造所寄って、城眺めて、とデイ・ツアーが盛りだくさんであることはありがたいが
太陽は少しばかり西に傾きはじめていて、「おいおい」とツッコミたくなる時間帯の到着だ。

トリガーはエティハドの安売りプロモーションだったが、
予てから『Causeway Coast(コーズウェイ・コースト)』へ行ってみたい、と思っていたこともあり、
ターゲットがアイルランドに定まったわけで、今回の旅の「メイン・イベント」なわけです、ここが。

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90分の自由散策ということが告げられ、近代的な造りのビジター・センター手前でバスから放たれることに。

『ジャイアンツ・コーズウェイ』自体は入場無料だ。
ただし長い坂を下り、海岸沿いに向かうので、帰りが心配な人は1ポンドを支払えばカートを利用できる。
行きは15分、帰りは登りだが25分あれば充分、メンドウならカートで、とドライバーは説明していた。

ご年配を除き、ツアー・バスの客はゾロゾロと丘を下っていた。
一日一緒にいたのでなんとなく顔見知りになり、坂を下りながら目が合うと声をかけたりと雰囲気は明るい。
こちらはオトコの一人歩きなので、おしゃべりしながら歩いている彼らをごぼう抜き、
歩みを止めることなく海岸を目指し、坂を下ると10分で波打ち際に到着した。

そう、これが観たくてこの国にやって来たんだよ。

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Causeway Coast

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Carrick-a-Rede @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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20分のフリータイムを終え、バスは11:10に『キャリック・ファーガス城』を離れた。

そこは「城」というよりは小さな港の「守り場」か「灯台」のようなこじんまりとした感じで、
雨は上がったものの晴れ切らない空と冴えない色の海が侘しさに拍車をかけていた。

バスは海岸沿いの一般道を走る。

店はモチロン、住居も少ない海岸線はさながら伊豆半島の西海岸沿いを走っているかのような錯覚を受けた。
海岸線の形に合わせてうねった道が対面通行で狭いことがそう思わせたのかもしれないが、
時折、ヒツジやウシが放牧された牧歌的な景色が広がり、アイルランドであることを確認させてくれていた。

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ツアーはいわゆる「ドライバー・ガイド」、運転しながらインカム・マイクで車窓の景色を紹介してくれる。

かなりのベテランらしく、小気味よいジョークを随所に交え、退屈な車内を大いに盛り上げている。
幸い「米語」ではなく「英語」なので軽めのジョークなどはこちらにもわかりやすかったが、
歴史や地学など学問的用語が混じるとこちらの英語力は及ばなくなり、彼の話しから意識は遠のいた。

「この辺りは高級別荘地、この一軒家は最近、売りに出してますよ、どうです?」
「右手の崖の白い岩石の部分は『ゲーム・オブ・スローン』のロケ地です」
時折、バスのスピードを落としては風景を紹介し、その度にカメラ片手の乗客が片側の窓にへばりついている。

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昨夜のドミトリーは大いなる安眠に包まれた。

割り当てられたのは2階にある3部屋のうちのひとつで、室内には二段ベッドが5つほど入れられていた。
幸い下段のベッドだったので、床にバッグを広げ、トイレへの出入りもラクに済ませることができた。
それよりも夜通しハナやノドをかき鳴らすミュージシャンがいなかったことがドミでの小さな幸福だった。

気になったのはただ一点、朝方、トイレを済ませ、ベッドに戻ると奇妙な寝言が聞こえてきたことだ。
「Huge Dragon(デカイ竜)」「Hells Dragon(地獄の竜)」・・・夢のなかでゲームでもしているのだろうか、彼の寝言にはやたらと「ドラゴン」を繰り返し、それはもはや迷惑というより笑いを堪えるのが大変だった。

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快適な眠りだけでなく、快適な朝食も待ち受けていた。

ホステルの朝食となると、ドーナッツやシリアルが乱雑に置かれ、
色だけそれらしいオレンジ・ジュースにコーヒーが添えられていればマシな方、というのが通り相場だ。

ところがここではキッチンに専門のコックさんがいて、朝食目当てで降りてきた客に、
「ブレック・ファストを選べ」と手書きのメニューを差し出してくる。
そこには「ソーセージ&エッグ」や「オムレット」など5種類ほどの朝食のリストが並んでいて、
ヨーロッパらしくその最後には「ベジタリアン」の文字まで踊っているのだ。

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知らずに降りてきた客は寝起き顔で戸惑う、というシーンに陥っていた、もちろん自分もその一員だ。

こちらの希望を聞いてから作ってくれるそれは、さながらデニーズの朝食プレートよりも豪華でビックリ、
ガッツリシッカリ朝食でとても安宿の朝食には思えなかった。(写真3)

コーヒーがインスタントしかなかったので大いなる減点対象になりそうだったが、
ドデカイ容器に入ったフレッシュミルクを好きなだけ注げたので、採点判断は見合わせることにした。
これなら自宅で飲む「インチキ・カフェ・オ・レ」と同格だし、それ以上に朝食の出来映えが高得点だった。

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一般道をきっちり2時間走り続け、13:10に『Carrick-a-Rede(キャリック・ア・リード)』に到着した。

ここは切り立った岸壁に渡された『Carrick-a-Rede Rope Bridge(キャリック・ア・リード吊り橋)』が名物、そこからの景観を眺めることができるらしい。(写真4)
https://www.nationaltrust.org.uk/carrick-a-rede Carrick-a-Rede公式サイト

ただし吊り橋の通行料5,9ポンド、ツアー客はドライバーから買うと5ポンドに割引されるらしいが、
橋を渡るだけで1000円を費やす気にはならず、そのお金で駐車場に併設された小さなカフェテリアで、
サンドウィッチとコーヒーを買い、外のテーブルでのどかな風景のランチタイムに浸ることにした。

コーヒーを飲み干し、橋とは反対方向に歩いてみた、ヒネクレモノは人とは違う方向に歩きたがるのだ。

すっきりと空は晴れ上がり、すっかり上着がジャマな陽気に、送迎ドライバーのいったとおりの天候だ。
切り立った岸壁の上からすぐに牧草地が広がり、人の気配を嫌ったヒツジが距離を置き、草を食んでいる。
崖の向こうにはラスリン島が見え、さらに遠方にはスコットランドが望める、海風が心地いい。

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「そっちに行くとなにかおもしろいものある?」

牧草地の横の歩道を戻っていると擦れ違いにやって来た女性に声をかけられた。(写真6)

「なにもなかったけど。切り立った崖が見下ろせるぐらいかな。誰もいないから気分はいいよ」

「そっか、行ってみるわ。写真、撮ってもらっていい?」

快諾するとスマホを渡された、使い方を尋ね、手際よく写真を撮ると、
彼女はひと気のない情景と写真がとても気に入ったようで、上機嫌をカラダで表現しながら歩いていった。
もう少し撮影していたら、その辺のヒツジを連れ出し、スキップしていたかもしれない。

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80分の散策時間を終え、15分ほど走ると小さな『Bushmills(ブッシュミルズ)』の町に到着、(写真7)
世界最古のウィスキー製造所である『Bushmills Distillery(ブッシュミルズ蒸留所)』の見学に立ち寄った。
有料で試飲ができるようだったが、アルコールに浸るつもりはなく、ロビーのソファーで文庫本に浸った。
http://www.bushmills.com/distillery/ Bushmills Distillery公式サイト

続いてほど近いところにある『Dunluce Castle(ダンルース城)』を遠景で眺めることに。(写真8)

難攻不落の文字もそのまま落とされたことがない城も時代には敵わず、悲しく朽ち果てていた。
こちらは盛りだくさんの「デイ・ツアー」なのだが、出てこないメイン・ディッシュに少しばかり焦れていた。

16:10、『Giant's Causeway(ジャイアンツ・コーズウェイ)』へ到着、ようやく主菜にありつけるぜ。


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Carrick Fergus Castle @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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―DAY5― 10月1日

朝から満席のツアー・バスに揺られていた。

昨日、チェックインの際に見かけたホワイト・ボードに書かれていた情報が気になっていた。
ディナーにクラブ・ナイト、各種デイツアー・・・宿泊者向けのイベントがアレコレ記されている。
PCを叩き、こちらの予約状況を確認しているスタッフに詳細を尋ねると話はトントン拍子に進んでいった。

「へえ、ディナーにクラビングかあ、楽しそうだね。それとこのツアーって、まだ申し込めるかな?」

「荷物置いてくる間にツアー会社に電話で聞いておきますよ。夕食とクラブは当日の昼でもOKだよ」

こちらの問いかけをメンドくさがるわけでもなく、手馴れた感じで受け答えしてくれた。
ホステル・レベルだとこういうことを煩わしく思うスタッフもいるが、この宿は親切なスタッフが揃っていた。
受話器を取る彼を置いたまま、2階のベッドを確認し、荷物を置いて、また事務室に降りた。

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「まだ申し込めるみたいですよ、ただこの夕刻には締め切るみたい」

「え、どうしよ。迷っている場合じゃないな、いまブッキングしちゃおう」

「OK~」

受話器を持ったままの彼にそう答えると瞬時に翌日の予定が決まった、
ワンデイ・ツアーの代金18ポンド(≒3,500円)をカード決済、けっこう文無しでも生きていける。

「9:30にピックアップが来るみたい、朝食が8時からだからリビングに居れば声かけますよ」

「ありがと。となるともう一泊プラスしてもいいかな?」

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着いた時点で2泊分はブッキングしていたが、
2日目、つまり明日をワンデイ・ツアーに費やすとなるとベルファストの街を巡る時間がない。
もう一日ないとこの街を歩く時間は到着した今日のこのあとの時間だけ、ということになってしまう。

「あさって土曜日チェックアウトだよね? う~ん、土曜日の晩は満杯ですよ」

「おお? そうなの?」

「でもまあ、週末の予約は動くので明日また確認してください」

「OK」

そういうとカメラバッグをブラ下げ、街の中心へ向かった。

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やたらと人が多くわさわさしていて落ち着かなかったダブリンと違い、
ベルファストの街は圧倒的に人が少なく、落ち着いた雰囲気が心地よかった。

市庁舎の真ん前にある観光案内所で教えてもらい、路面店やショッピングモールの中の両替店を見て回ったが、
結果的に観光案内所のレートが一番いいことが判っただけで、フリダシに戻る形で両替し、文無しを解消した。

この時期、対円のポンド・レートは200円弱と高かったので、余っているUSドルを持ってきていた。
US$50=30,21ポンド、これだけあればしばらくは飢えないで済みそうだ。
なにせランチに買ったサンドウィッチが3ポンド(600円!)、まともに計算すると卒倒しそうだったので、
ここでも1ポンド100円ぐらいのアバウト換算で暮らしていくことにした、それでも高いけど。

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繁華街をブラつき、落ち着いたカフェでコーヒーを飲み、街に馴染んでいく、ダブリンの喧騒は何処へ、だ。

帰り際に教えてもらったスーパーでロースト・チキンを丸ごととホール・ウィートのパンとジュースを買う。
キッチンがしっかりしていたことと連泊を決めたので多めの食糧を買い置くことができるのだ。
ランチはレストラン、夜は宿で自炊、なにせ独り身で夜のレストランというのは少々寂しさが募るのでね。

帰り道の信号待ちで突然話しかけられた。

「チュンゴーレン? チャイニーズ?」

カッチリとしたスーツを着込んだアイルランド紳士の口から出てきたのは紛れもない中国語だったので、
それに合わせるように中国語で「イープンレン(日本人)です」と答えてみた。

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「これは失礼。買い物袋を提げているし、この辺りは中国人留学生が多く、日本人は少ないので」

「いえ、ただの日本人観光客ですよ」

「実をいうと家内と私は中国語を勉強しているんだが、家内の方が上達が早くてね。
 なので街で中国の人を見かけると話しかけるようにしているんだ、家内に負けないようにね」

「そうだったんですか、日本人ですみません」

「いやいや、この街じゃ、日本の人と話すのも貴重だよ」

なにかの勧誘かと思ったが、単純に中国語会話をしたかったようだった。
それでも外国語を勉強しているからといって街角でいきなり話しかける勇気たるや、すごいバイタリティ。

「では、いい日を」互いにそういって横断歩道で分かれた。

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ピックアップのバンは約束の時間通りやって来た。

外は霧雨が降っていて肌寒い、おまけに8時というのに外は真っ暗、ダブリンから2時間北上しただけなのに。

「雨は朝だけ、陽が出れば止むのさ」

貸し切りのバンのドライバ-がそういう、どうやらこれがいつものベルファストの天気らしい。

数軒のホテルでピックアップした後、『ヨーロッパ・バス・センター』に近い場所にある
「Allens Tour」という事務所の前で待っていた大型バスに乗り換えることに。
ツアーバスの車内は『ジャイアント・コーズウェイ・ツアー』に参加の人ですでに満席状態、
車内にはポツリポツリと空席がある程度で少しばかり気後れしたが、一番前の席が遠慮がちに空いていた。

「ここ、座っていいのかな?」

「かまわないよ。誰もいないから」

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ドライバーにそう尋ねると明るい答えが返ってきたので、久々、添乗員気分で最前列の席に腰かけた。

というのも日本のツアーでは海外のツアーバスの一番前の席には座らせないのがオキマリ。
「保険がきかない」という名目で最前の一列は空けてもらい、ガイドやローカルガイド、添乗員が座っていた。
もっともこの名目は眉唾モノ、最前列だけ保険がきかないわけがない、
「ツアコンやガイドは死んでもいい、って会社が言ってるんですよ~」とジョークにしていたけど、
おそらく毎日その席が奪い合いになるのを避けてのことではないかなあ、と思う、正解は調べてないけど。

まあ、自分のツアーは席割りを決めていたし、写真を撮りたい人には最前列の席を使ってもらっていたっけ。
せっかく日本を出ているのに日本のルールや規則に縛りつけるのはイケすかない気がしていたからね。

バスは『Carrick Fergus Castle(キャリック・ファーガス城)』へ、ワンデイ・ツアーのはじまりはじまり。


Carrick Fergus Castle

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Europa Bus Centre @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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―DAY4― 9月30日

10時のバスに合わせ、ホステルをチェックアウトした。

今朝も宿の朝食をガッツリ、淹れたてコーヒーをタップリ楽しんだ。
快適からはほど遠いホステルだったが、朝食とコーヒーだけは評価に値する、
とはいえ、ダブリンに戻って来たとしてもこの宿に泊まる気はさらさら失せているのだが。

宿のすぐ前を走る『O'Connell Street(オコンネル・ストリート)』の広い通りに出て、バス停を探した。
ダブリンのメイン・ストリートだけあり、エアポート・バスや市バス、長距離バスの停留所が連なっていて、
目的のベルファスト行きの停留所は皆目どれだかわからない。
バスの時間も迫っているのでウロウロと探し回るのはあまり賢いとは思えず、地元の誰かに尋ねることにした。

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昨日は日が沈んでも歩き続け、スーパーやデリを物色したが宵闇とともに覆い被さってきた睡魔に足を捉われ、
夕食のメニューよりもベッドを選択してしまった、食欲軍よりも睡魔の支配勢力が勝利した形だ。

前日のイビキの主はチェックアウトしていなかったようで、その睡魔の呪縛も深夜にあっさり解かれてしまう。
前夜同様、ドミトリーのあちこちからフラストレーションの表現である寝返りの音を聞きながらの寝床に。
結局、南回りヨーロッパ入りの寝不足問題はこの宿で完全解消することなく、2回目の朝を迎えていた。

「ベルファスト行きのバス停はドコですか?」キオスク売店の男性店員に尋ねた。

「ああ、ちょっと先にあるよ、ポスト・オフィスの先だよ」

「ありがとう」

すると髭面の彼の口から「どういたしまして」というキレイで正しいイントネーションの日本語が返ってきた。

「え、キレイな日本語! どうして?」

「前に日本に留学していたことがあるんだ。久しぶりに日本語を聞いたし、口にしたよ」

「へえ、それは奇遇だね、ありがとう」

「どういたしまして」

彼の日本語を背にバス停へ向かうとそこには誰もおらず、10分早い時刻だったが、少しばかり不安になった。
目の前の大通りはひどく渋滞していて、その中をさまざまな色合いのバスが客を降ろしては乗せ、去って行く。
バスの前面のLED表示板は「Airport」と書かれているものばかりで、
「Belfast」と表示したバスは一向に現れなかった。

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10時を10分以上過ぎた頃、同じように不安そうにバスを探している夫婦に話しかけられた。

「ベルファスト行きはここでいいのかな?」

「だと思います。10時前からいるけどやり過ごしてないし、別のドライバーもここだ、っていってたし」

アメリカ人の夫婦だろうか、バカデカイキャスターバッグをそれぞれ2つずつ引っ張っていた。
なんでアメリカ人かって? テンガロン・ハットを被っている旅行者なんてテキサス人しかいないでしょ?

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そんな会話の中、10:30過ぎに「Belfast」の表示を光らせた長距離バスが当たり前のようにやって来た。

「これはベルファスト行きかい?」

バゲージを積むために降りて来たドライバーにテンガロン・ハットの彼がそう尋ねると、
ドライバーは無言で首を傾け、乗り込むように合図だけするとトランクの荷物を扱いはじめた。
それを素振りを見て、夫婦とともに苦笑い、どうやらバスは市内の渋滞でガッツリ遅れていたようだった。

ダブリン空港でホトンドの客を降ろし、車内はガラ空きになった。
どうやらイビキをかくヤツはいないようで、ドミトリーより快適な眠りに包まれていった。

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12:45、バスはベルファストの『Europa Bus Centre(ヨーロッパ・バス・センター)』に到着した。
http://www.translink.co.uk/europa/ 公式サイト (写真4)

おんたいむブログで記したが、ここは同じ島にありながら別の国、英国領の「北アイルランド」でござい。
「県境」レベルで「国境」を越えてきたのでパスポートやらなにやらメンドウなことはなかったが、
通貨が「ユーロ」から「ポンド」に切り替わるので、着いた途端に「文無し」状態に陥いるヤヤコシイことに。
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02 おんたいむ@ベルファスト

今回、アイルランドにしろ北アイルランドにしろ、街は観光地化されておらず、なにしろ安宿探しに苦労した。
いわゆるエコノミー・ホテル、日本でいうところのビジネスホテル・クラスの手軽な宿が少なく、検索の結果、
街の南側にある『The Queen's University Belfast(クイーンズ大学ベルファスト)』のそばに
なんとか安めのホステルを掘り当てて、そこを予約しておいた。

バス・ターミナルから地下鉄で2つ先が大学の最寄りの『Botanic(ボタニック)』駅だったが、
降りても結局、歩くことになるので、初めから歩いてしまうことにした。
まだ午後の日の高い時刻だったので街の雰囲気を掴みつつ歩いてみたいということと、
カードでチケット購入できるだろうが、手持ちのポンドがないことも地下鉄を敬遠した理由のひとつだった。

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『ヨーロッパ・バス・センター』から南方面へ向かって歩くと古くてバカデカイ煉瓦造りの建物が見えてきた。

広場では若い学生がビラ配りしながらマイクで声高に叫んでいる。
据えつけられたスピーカーからはアナウンスとともに陽気な音楽が流れ、浮足立った人たちを集めていた。
色とりどりの風船とハデな垂れ幕が重厚な建物の雰囲気にまったくそぐわないのが可笑しかった。

なにかの即売会だろうか、あるいはケイタイかカードの勧誘か、はたまたプロモーション・イベントか。
あどけない顔のティーンネイジャーや制服姿の女子学生が小さな群れで歩き、
高校生に毛が生えたような彼らを見つけてはコジャレた大学生が声をかけている。
ああ、9月だから新入生の歓迎イベントか、ホトンドの国々では新学年は9月からはじまるものね。

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そんな騒ぎを遠めに大学の建物の裏手に回ると住宅が立ち並ぶ中からすぐにホステルを見つけることができた。

立ち並ぶアパートメントと同じ外観の玄関で呼び鈴を押すとここでも大学生のような男性が顔を出した。

「ようこそ~、どうぞ中へ」

リビングは先客でごった返していた、そこに割って入るのはさながら新入生の気分だ。
幸いそちらではなく向かいの小さな事務部屋でチェックインをすることに。

「カード使えるかな? キャッシュがユーロしかないんだ」

「問題ないですよ、もし両替が必要なら街の中心に行けばできますよ」

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ネットでブッキングした予約番号を伝え、2泊分の代金19,36ポンド(=4,016円)を決済した。

チェックインの儀礼がはじまる、各種設備や使用時間の説明を受け、Wi-Fiのパスワードを教えてもらうと、
市内地図をもらい、そこに近所のスーパーや両替所などをマークしてもらった。
後半部分は旅先で欠かすことのできない大事な儀式だ。
2階に上がり、ドミトリーのベッドとロッカーを確認するとカメラバッグだけ担ぎ、すぐに下に降りた。

この間にもいろいろなことが起きていた、それでもまずは両替が急務、このままだと金欠で飢え死してしまう。


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