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Botanic Gardens @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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―DAY8― 10月4日

今朝は「英国空」が顔を潜めているらしく、午前から晴れ渡りそうなさわやかさを見せていた。

ゆっくりと起き出し、シャワーを浴び、おもむろにダイニングに降り、手作りのおいしい朝食を頬張り、
タップリミルクを注いだことでインスタントでも許せる熱いコーヒーをカラダに染み込ませた。
と書くと、なにやら旅先のステキなホテルの朝食シーンを思い描くかもしれませぬが、
「2千円台の安宿ドミトリー」でのことです、これ。

外は気持ち良い日差しが注ぎはじめていて、どうやらソックスは買わないで済みそうだった。

ホステルのそばにある『Ulster Museum(アルスター博物館)』を見学しようと
大学裏手にある宿から広大な『Botanic Gardens(植物園)』を横切っていくことにした。

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昨日は行きと同じく2時間弱の道のりでベルファストの『ヨーロッパ・バス・センター』に戻ってきた。

15時過ぎ、ブラブラと見慣れた道を辿り、途中、軽めのランチなどを取りながら、
昨日の朝までいた安宿『ラーガン・バックパッカー』へ出戻りチェックインだ。

「おかえり」と出迎えてくれたスタッフと握手を交わし、
キッチンでインスタント・コーヒーを注ぎ、ミルクを多めに入れ、リビングへ向かった。
ソファで5人ほどが寛いでいて、彼らの目線の先ではラグビー・ワールドカップがTV放映されていた。

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「お、ジャパンが来たね。ちょうど『日本vsサモア戦』がはじまるよ、ラグビー、好き? 見る?」

「とても好きなんだけど日本ではあまり放送されないんだ、それでもワールドカップだけは毎回見てるよ。
 ウィルキンソンの大ファン、今大会はもう出てないけどね。みなはドコから?」

「僕らはオージー、彼女はニュージー。そういえば南アフリカに勝利した試合はすごかったね。
 日本は『スモー』と『ベースボール』が人気と聞いていたから、あの試合は驚いたよ」

おいおい、ラグビー強豪国が顔を揃えているじゃないか。

「日本でもビッグ・ニュースになっているよ、普通のニュースでも放送されるほどの」

「いや、あの試合は世界的なニュースだよ、今大会の一番のオドロキと称賛の試合だ。
 うちとの試合は残念だったけど日本戦は目が離せないよ」

この試合の前に45-10で日本に勝利し、アドバンテージがあるスコットランドの彼が口を添えた。

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『2015 Rugby World Cup』、第8回を数えるこの大会は「England 2015」ということで隣の島で開催中、
9月18日開幕、10月31日の決勝で幕を閉じる日程だ。
予選はあきらめ、帰ってから決勝トーナメント全試合を見るつもりで渡航してきていた。
http://www.legendsrugby.jp/rugbyworldcup2015/schedule/overview/

「五郎丸」ブームが巻き起こった大会、と記した方が伝わりやすいかもしれませんね。
その後、いわゆる「五郎丸ポーズ」がTV画面や日常生活でも乱発されることになるわけですが、
以前からウィルキンソンの大ファンであったこちらは冷ややかな眼差しで眺めておりました。
まったくもって「ブーム」というのは性質が悪いからね。

それにしても日本チームが異国の人たちの口々にも話題になっていることはちょっと誇らしくもあった。

みなで他愛のないラグビー談義をしながら観戦を続けた、日本は26-5でサモアに圧勝し、
続けて行われた試合でスコットランドが南アフリカに16-34で敗れたため、
この3チームは1勝1敗で横並び、これにより日本株は高騰し、スコットランド人は少し青ざめていた。

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「『パブ・クロウウェル』参加しない? 夕食を食べた後、みなでPUBに出かけるの」

TVを見ていると女性スタッフにそう声をかけられた。

「なるほど、土曜日だものね、どうしようかな」

一人客が多いホステルやゲストハウスではBBQや夕食会といった催しを行っていることがある。
ソウルでは鍋をつついたり、ティラナではレストランに出向いたり、
宿泊客同士、ささやかな交流ができるのでそこから旅や行き先が決まったりすることもある。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2011-09-28 @ソウル
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28 @ティラナ

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一人旅にはありがたい催しではあったが、
デリーから戻って来てすぐラグビー観戦に巻き込まれたのでナニも考えてなかったことと、
デリーを一日歩き回った疲れを引きずっていたので、他の客と乾杯する気になるかがアヤシかった。

「飲まないで夕食だけの合流もアリだよ、それなら3ポンドさ」

考えあぐねているとヒゲのスタッフが助け舟を出すように明るくそういう。
これから食事に出かけるのもオックウだし、買ってきて作るのもメンドウだったのでその舟に乗ることに。

「夕食は19:30から。PUBに行くのは食事のあと。キミも加わってくれてうれしいよ」

彼にそういわれ、事務所で夕食代を支払い、ふたたびTV観戦に戻った。

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3つ目の試合、オーストラリア対イングランドがはじまる頃、キッチンからいい香りが漂ってきた。

夕食のは男ものの靴のサイズはあろうかというバカデカイ「グリル・チキン」がメイン・ディッシュ、
フレッシュなマッシュルームのソテーとフレンチ・フライが付け合わせ、
こいつは大鍋から勝手にとっていいシステムになっていた。
その他、パンやオレンジ・ジュースも置かれていて、3ポンドの金額には十分見合っていた。

みなでTVを囲みながら夕食をパクつくのは大家族気分、そんな風に土曜の夜は更けていった。
600円で腹イッパイになるのもありがたいが、おしゃべり相手がいるのがウレシイ。
旅先のテーブルで「一人メシ」はけっこう侘しいのだ、ただ皿を見つめるだけの食事はね。
そんなわけで手作りの料理とおしゃべりに夢中になり、写真も撮り忘れている始末でさあ。

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『植物園』に向かう大学裏の通りは車止めのウマが置かれ、封鎖されていた。

道路工事かなにかかと思い、割けるように歩くとその通りを自転車に乗った家族が走り抜けていく。
『植物園』入口にはハデな蛍光色のベストに身を包んだ警備員がいたので尋ねてみた。

「工事ですか? 閉鎖ですか? 『植物園』入れますか?」

「問題ないよ、どうぞこちらから。今日はベルファストは『サイクル・デイ』なんです、
 『シティ・ホール』から『植物園』まで自転車用に道路を封鎖する一日なんです」

そんな日曜日を祝福するかのように、眩い日差しが煌めいていた。


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