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The Wave @Kanab [Kanab (U.S.)]

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―DAY2― 10月3日

朝からかなり冷え込んでいて、カキンカキンと音をたてるセントラル・ヒーティングの音で目を覚ました。

昨日の悲劇的行程を考えると二度寝を決め込みたかったが、取材スケジュールがそれを許してくれない。
レセプションがある本棟へ向かい、薫り立つコーヒーと甘いパンケーキの朝食で目を覚ました。

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8:20、『カナブ・ビジター・センター』へ。

マストの取材スケジュールではなかったが、「カナブに泊るなら」ということで、
かの有名な『The Wave』の抽選会に挑んでみることにしたのだ。

https://www.arukikata.co.jp/webmag/2015/rept/rept76_04_150300.html 『The Wave』

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クジ運が良ければ『The Wave』のトレッキングへ、
ハズレても抽選会の様子をコラム仕立てで、というハナシが編集会議で上がっていた。

パーミット(許可証)を得るための抽選会は8:30スタート、
小さな事務所にはすでに100名ほどの観光客がいた。
随時、代表の名前とグループ参加者の名を記し、番号をもらい、9時からの抽選会に備える。

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グループを跨いでの応募はできず、重複がわかれば権利は剥奪される、と説明がある。
狭い事務所内は人があふれていたが、お互いを気遣いながら大人の振る舞いで手順よく進んでいく。
今日の申し込みグループ数は「64」組、と告げられ、嘆息が漏れた。
なにせ『The Wave』に入れる人数は一日20名なのだから。



ホトンドの参加者はトレッキング姿が多く、ダメモトで来ているご様子。
抽選会の後、『The Wave』以外の目的地や予定を組み込んでいるらしい。
話を聞くと「今日で3日目」とか「5日目」とか、明るい答えが返ってくる、
どうやらカナブ滞在中の「朝の恒例行事」といった感じで抽選会に来ること自体を楽しんでいる向きが多い。

もらった抽選番号は「18」、あら、エース・ナンバー、といってもそれは日本球界だけだけど。

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9時になると、ビンゴマシンで抽選がはじまった。
当選番号が呼ばれ、2名、1名、3名、5名・・・と枠が埋まっていく。
「当選者1名組」と告げられると「Yeah~」、「5名」だと「Oh No~」と一喜一憂、場の雰囲気はいい。

また最後の組が20名を超える場合、辞退するか、部分参加か問われるので、
(残席2名で、次の当選者が6名組でも2名しか行くことができない)
「辞退するわ」の声で「再抽選」となり、参加者はここで一番の盛り上がりを見せた。

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昨夜、貧乏クジを引きまくったのでことによるとツキが回ってくるかもしれないと思ったが、
再抽選の後も「18」が呼ばれることはなく、抽選会は終わった。

http://www.arukikata.co.jp/webmag/2015/rept/rept76_02_150300.html 編集部抽選会レポート

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本来の目的、レンジャーのチーフに時間をもらい、インタビュー。

「本日の参加人数は? 64組いたそうですが」

「そう、64組、人数は140名ぐらいいましたね」

「ないと思いますが、確実に行く方法はありますか?」

「毎日、一週間続けて来ても外れる人は外れるからね。
 当選確率を上げたいなら冬の時期に来れば、人が少なく倍率は下がるのでそれが狙い目だね」

「逆に倍率が高いのは?」

「まさに今の時期だよ。夏はキツイし、トレッキングに適してた秋が一番混むからね」

例を告げ、『ビジター・センター』を後にし、『Parry Lodge』へクルマで戻った。

荷物をまとめ、ジョン・ウェインに別れを告げ、チェックアウト。
清算しながら「昨夜、親切にしてくれたオヤジサンにお礼を」と告げ、宿を後にした。

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当初泊るはずだったモーテルへ。

事務所はやはり閉まっていて、スタッフも誰もいない、
う~ん、やっぱりこの宿とは縁がないのかなあ、と思ったら、ベッドメイクのオバちゃんの姿が見えた。
声をかけ、無理をいって、スタッフに電話してもらう。
話は通ったようで泊まるはずだった部屋を開けてくれ、ウソのように手順よくチェックインが済んだ。

荷物を放り込んだだけでクルマに戻り、『ブライス・キャニオン』へ、1時間半のドライブ開始だ。






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Long Long Night Driving @Las Vegas [Kanab (U.S.)]

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車の多いラスベガス市内で時間を失いたくなかったので、そのままハイウェイに乗り込んだ。

ラスベガスの街から北へ向かうハイウェイは真っ暗でなにもなかった。
町へ繋がる降り口はあったが、ガス・ステーションだけで併設のコンビニ、売店がない。
アメリカの「ハイウェイ」は町へのアプローチ部分にコンビニやファストフードなどがあるはずなのだが、どういうわけかそれがない。

どうやらネバダ州の田舎度合いを見くびっていたようで、ここでもチョットした悲劇の一端となった。

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コーヒーぐらい飲ませろ~、とベガスで買わなかった恨み節を呟きながら暗い道を走り続ける。
あの~、夕飯まだなんですけど、といいながらFMのチャンネルを変え、気分のいい音楽で紛らした。

2時間走ってようやくガソリンスタンド併設の売店を見つけ、
トイレ・ストップとコーヒー、夕食代わりのドーナツを買い込み、再びアクセルを踏んだ。

与太話ですが、一時期、どこかの国で行列してた『Krispy Kreme Doughnuts』、
アメリカでは「ガスステーション・ドーナツ」として有名、並んで食べるものじゃないシロモノ。
ロングドライブのお供はドーナツ、というのがこの国の定番。

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時計は22:30を指している、ナビには「目的地まであと2時間」の表示。
ということは日付が変わるか変わらないかのキワドイ時間帯に着くということだ。

ハイウェイの速度制限は60~80マイル、
時速100~130キロ制限なのだが、80マイルで走っていてもコチラはガンガン追い抜かれる。
あと2時間ということは200km以上先ということね。

やっと手にしたコーヒーとドーナツ、話し相手はFM局だけ、そんな暗闇のドライブは続く。

フライトでがっつり寝てきたので眠気はなく、「クルーズ・コントロール」が付いているのでラクだが、
成田から座り続けているお尻の肉がシンドかった。

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結局、『カナブ』の町へたどり着いたのは12:20、ナビったら正確な性格なのね。

静かで暗い町、オンラインで予約していたモーテルへ。
目的の宿を探し当てるのに小さなカナブの町では時間はかからなかった。

ところがモーテルの事務所は明かりが消え、扉には鍵がかかっていた。
ノックをしても電話をかけても返答はない。

おいおい。

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サンフランシスコでフライトを逃した時点でモーテル宛てに
「12時を過ぎるかも」とメールは送っておいたのだが、待っていてもらえなかったようだ。

こうなるとクルマで寝ることになるのだろうか、おいおい。

ロング・フライトとロング・ドライブのあと、シャワーも浴びられず、
クルマで寝るのは後の日程に響きそうなのでダメモトで他のホテルを訪ねてみることにした。

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煌々と明るい光を放っていた『Holiday Inn Express』へ。

カウンターのベルを鳴らすと「バンドマン」という感じのお兄ちゃんが出てきてくれた、おそらく深夜番だ。

「空いてる部屋ありませんか?」

「今日は 満室なんです」

「Omg(オー・マイ・ゴッド)、今ベガスから来て、予約したモーテルへ行ったんだけど、
 閉まってたんですよ、部屋がなくて困ってます。12時過ぎには着くって連絡入れてたんですけどね」

正確には「今日、日本から来た」のだけど、話しが長くなるので端折っておいた。

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「それは大変ですね。でも今、もう1:30ですよ」

「!△@*?」

「ここはユタ州です、ベガスから来たなら時差が1時間ありますよ」

「あらら、じゃあ、こちらが12時の約束を守れなかったわけだ」

ネバダ州は太平洋標準時「Pacific Standard Time=PST」、=現在0:30、
ユタ州は 山岳部標準時「Mountain Standard Time=MST」、=現在1:30、
アメリカの国内の時差はフライトなどでは注意するが、ドライブではすっかりそのことを忘れていた。

悲劇はもはや喜劇になりつつある。

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「他にこの時間でもチェックインできるホテルを知りませんか?」

「ちょっと知り合いに聞いてみますね」

そういうと親切にあっちこっちに電話をかけてくれた。

1軒目は「満室」のお答え、
そう、ここ「カナブ」は小さな町ながら『ザイオン国立公園』『ブライス・キャニオン』、
そして『The Wave』やトレッキングへのベースキャンプ・ポイントとして絶好のロケーションなのだ。
折しも秋のハイ・シーズン、ホテルに空きがないのは当然、空きがあるほどホテル数がないのが実状。

2軒目は誰も電話に出ない、田舎町なので用がない夜間はスタッフも帰るらしい。

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「空いてるみたいですよ」

3軒目の電話の向こうでそう告げてると言う。

「いくらですか?」

「一泊朝食付きで$150、だけどこの時間なので、$10オフでいいって言ってます」

150が200でもこちらに選択肢はない、事態はベッドがあるかないか、なのだから。

「じゃあ、そこをおさえてください。今すぐにチェックインに向かいます、と」

レセプションのお兄ちゃんはなにやら世間話をした後、電話を切り、カンタンな地図を書いてくれた。

「ありがとう、本当に助かった。クルマで寝ないで済むだけで感謝です」

「いやあ、助けになってよかったですよ。どこの国の人ですか?」

「日本人です、実は今日、東京から飛び立ってきているんだ」

感謝を告げながら握手をして『ホリデイイン~』を後にした。
チップを渡すのも不躾な感じがしたので、彼の行為に甘えておくことにした。

深夜のカナブの町はひと気どころか、行き交う車もいない。

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直後に『Parry Lodge』にチェックイン、レセプションでカギをもらう。(写真8)

ロッジの名の通り、別棟に移動する形でドア前に車を止め、中に入ると
オールド・ファッション・スタイルの部屋が出迎えてくれた、部屋は映画スターをテーマにしているようだ。
何時間起きていて何時間移動したのだろう、時計はすでに2時を指している。

時差を合わせて計算する気にもならず、シャワーを浴びただけでベッドに倒れこんだ。




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