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St. Stephen's Green @Dublin [Ireland]

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ステンドグラスの輝きに別れを告げ、ニギヤカな『Grafton Street(グラフトン・ストリート)』に戻った。

広い石畳の舗道が伸びるこの通りにはブティックやブランド・ショップが軒を連ね、
その店先の広いスペースでは「バスカーズ」と呼ばれるミュージシャンや大道芸人が点在している。
あるいは弾き語り、あるいはジャグリング、あるいは不動のパフォーマー・・・、
平日昼間というのに2~3軒に一人ぐらいの割合で陣取っており、道行く人を楽しませてくれる。

観光名所にありがちなガツガツした感じはなく、
場所があるからパフォーマンスしている、好きだからプレイしている、というのどかな感じだ。
チップをせがんだり、なにかを売りつけてきたりと険悪なムードはなく、まったくもって穏やかな雰囲気。

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心地よい生演奏が流れるなか、石畳を南に戻り、『St. Stephen's Green(セントスティーブンス・グリーン)』へ。

公園の入口では観光馬車が出迎えてくれた、
もっとも彼らが出迎えているのは裕福な観光客か熱を上げたカップルだろうが。
その向こうにはトラムの始発駅がある、今回の街歩きではどちらも乗る機会がなさそうだ。(写真3)

「グリーン」と冠するだけあり、緑の濃い公園というより森を整備したような緑の深さが広がっていた。

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園内を巡る舗装路ではジョギングしている人が多く行き交っている。
陽射しの心地よい芝生では昼寝しているビジネスマンがいて、
その向こうでは小さな子供がサッカーの真似事をしていた。
どこかの国みたいに「芝生に立ち入るべからず」なんてカンバンがあるはずもなく、
公園での「ボール遊び」も禁じられているわけがなかった。

火曜日の昼食前の時間だというのに公園には人影が濃い。
その姿は年配者や家族連ればかりでなく、学生やスーツ姿などバラエティに富んでいる。
休みたいときに休み、働きたいときに働くのがヨーロッパのスタイルなのだ。

芝生で転寝したい誘惑をなんとか振り切り、公園を後にし、また歩き出した。

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『グラフトン・ストリート』周辺にはギャラリーも多く、気になると店内に歩みを進め、写真や絵画を眺めた。
続いて『国立考古学・歴史博物館』、『国立自然史博物館』をくまなく見学して歩く、
なにせ「国立」にも関わらず入場無料なのだ、あまりすることない「見学」をし「学習」するのも悪くはない。

隣接する『アイルランド国立美術館』まで辿り着き、ざっくりとひと回りした後、
美術館併設のカフェテリアでコーヒーを頼み、腰を下ろすことにした。
さすがに歩き疲れ、足を休ませたくもあったが、それ以上にちょっとした出会いに驚かされ、落ち着きたかったのだ。

「こっち、今片付けるわね」

ぼんやりと空いている席を探しているとテーブルを片付けているウェイトレスにそう声をかけられた。

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カフェテリアは吹き抜けが高く、天窓からは外の明るい陽光が差し込んでいた。(写真7)
黴臭く辛気臭くもあった「博物館」ではお勉強の時間だったが、ここはただただ感激のひと時、
絵画のコーナーで唐突に「モネ」や「ピカソ」、「フェルメール」に出会い、
予想していなかった驚きで少しばかり頭の奥が痺れたようになっていた。

ある作品を目指し、美術館に足を運び、その出会いの感激に浸ることもあるが、
「いいなあ、この作品」という感じで眺めていて、作品名を確かめるとかの有名な作家でビックリ、
というのはまことにショックがデカイというか、カウンターパンチを食らったようになる。
下準備なく、いい作品に出会ってしまったことで大いに驚かされていた。
まったくヨーロッパってやつは気が抜けない、しかもここも入場無料だぜ。

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熱いマグを両手で握りしめ、少しばかり呆けていた、ただたんに歩き過ぎでボーっとしただけかもしれないが。

我がバックパッキング・ヒストリーの基点ともいえる「アメリカ一ヶ月間放浪」でシカゴに寄ったのは、
シカゴ美術館でジョルジュ・スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』が観たいがためだったなあ。
かつては「ツアー・コンダクター」という仕事に就いていたので、
世界中の美術館で名高い作品のホトンドを眼にすることができたのは本当にシアワセ。
パリの『オランジェリー』やマドリッドの『ソフィア』などツアーの中に繰り込まれてない美術館には、
帰国前の自由時間などにお客さんを連れ、地下鉄に乗って訪れる、なんてこともしていたなあ。

ああ、それにしても美術ファンでもなく、絵画や印象派に傾倒しているわけでもないので、
その筋のファンからすると怒られるかもしれない経験をしているのだなあ、ごめんネごめんネエ。

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カフェインが脳に刺激を与えたのか、そんな回想から自分を取り戻すと腹が減っていることに気づいた。

向こうのテーブルでビジネス・レディが大ぶりのサラダを食べている、ああ、ランチ食べてないや。
旅先でよくやるのだが、知らない街の知らない通りを歩き続けているとその楽しさで、
「三大欲求」は彼方に吹き飛んでしまい、性欲、睡眠欲はmちろん、食べることすら忘れてしまう。
以前も記したが「ロジウラン」や「マチアルキン」といったインチキ脳内物質が溢れ出すと止まらなくなり、
「ウォークマン」あるいは「ウォーキング・デッド」にでもなっているのかもしれない。

朝、宿を出て以来、5時間近く歩き続けていて、とうにランチタイムは過ぎていた。
カフェテリアに腰を下ろしたことで、「ウォーキング・デッド」状態から抜け出せたようだ。
食べ物が並ぶレーンに戻り、トレイを手に取り、大きなサイズの自家製サンドウィッチを乗せ、レジで尋ねた。

「コーヒー、もう一杯もらえる?」

「勝手に注いでかまわないよ。おかわりはご自由に」

「ありがとう」

マグに熱いコーヒーを注ぎ直し、今度はミルクをたっぷり入れ、席に戻った。

ここダブリンではランチは6~8ユーロ、コーヒーは3~5ユーロ、城や教会の入場料は6ユーロ前後なので、
2015年9月の時点での1ユーロ=139円計算だと物価高の印象は否めない。
テイクアウトの安いコーヒーでも3ユーロ、つまりは400円を超える計算。
1ユーロ=100円ぐらいで換算しておくと物価的にも合点がいく、という感じだ。

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エネルギーとカフェインの充填を終え、ふたたび美術館を歩き、気に入った作品をもう一度観たあと、外に出て、
お隣の『Trinity College(トリニティ・カレッジ)』のキャンパスを歩いた。(写真8)

少しばかり日が傾き、気温が下がって来ただろうか、それでもダブリンの一日はまだ終わらない。


St. Stephen's Green


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St. Patrick's Cathedral @Dublin [Ireland]

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『ダブリン城』から南に下り、『St. Patrick's Cathedral(聖パトリック大聖堂)』を目指した。

ダブリンの歴史的建造物は『リフィ川』の南岸に集まっているようで、歩いて回るには都合がよかった。
目に留まる建物の方角を目指し、適当に路地を抜けては時折、宿でもらった地図を広げ、
その建物がナニなのかを照らし合わせると、地図をポケットに押し込み、また歩き続けた。

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ヨーロッパではどんな小さな町を歩いてもかならず教会と出会うことになる。

有名、無名に関わらず、出会った教会には立ち寄り、足を踏み入れることにしている。
地図にない小さな教会でも色鮮やかなフレスコを抱えている場合もあれば、
眩いばかりのステンド・グラスが煌めいていることもあったりするからだ。

もちろんピカピカ新築の若い教会に肩透かしを食らったり、朽ちてなにもない暗いだけの老教会の場合もある。
極稀に「信者以外お断り」という感じで追い払われることもあったりするが、
大概の場合、扉は開かれていて、異国のアヤシイ旅人でもおかまいなしに入れてくれるところがほとんどだ。

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生憎、信心深さは欠片ほども持ち合わせていないのだが、静寂に包まれた礼拝堂は嫌いじゃない。

祈りを捧げる信者の傍らにお邪魔し、静寂の時間に包まれていると一人旅で逆立った神経が和らいでいく。
祈る神がいなくても、なにかに祈ってみるのは悪いことじゃないだろう。

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今回も気を惹かれたのは有名どころの『聖パトリック大聖堂』ではなく、通りすがりの街なかの教会だった。

中に進むと礼拝堂では信者が3人ほど祈りを捧げていた。
左右にはステンド・グラスが昼の光を浴びて鮮やかな色を放っている。
買い物カゴ片手に入口付近で十字だけ切って去っていく信者もいる。
カメラバッグを置き、静かに会衆席に腰を下ろし、席を照らすステンド・グラスにしばらく見とれた。

知らない国の知らない街の知らない教会、旅先ではこんな風に時間が過ぎていく。

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Temple Bar @Dublin [Ireland]

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―DAY3― 9月29日

少し早い時間に目覚めた、ドミトリーはまださまざまな寝息で満たされている。

周りを起こさないよう静かにベッドを降り、無人の共用シャワーでたっぷり熱いお湯を浴びた。
昨夜、早々に気を失ったおかげで、長い南回りのフライトの疲れをすっきり洗い落とせているようだった。
ドミの窓からは眩しい日差しが差し込んできていたが、ほとんどのベッドに動きはなかった。

朝食がはじまる7:30にキッチンに降りた。

安宿なのでパンを齧りコーヒーが飲めればいい、ぐらいに考えていたが、
調理場のように広いキッチンではスタッフがフルーツを切り分け、大皿に薄切りのハムやチーズを盛っていた。
燃料タンクのようなバカでかいオレンジジュースのボトルも置かれ、シリアルも用意されていた。

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「どうぞ、取って行って」

寝起き顔でキッチンの準備を待っていた早起きの宿泊客が各々皿を持ち、ブッフェ状態で調理台に取りついた。
朝いちばんなので、盛りつけもそのまま、洗いたての皿やカップも整然としている、
恐らく1時間もすれば、食い荒らされ、散らかってしまうことだろう、早起きは何ユーロかの得らしい。

一泊2,000円しない安宿でこんな朝食がついているなら上等、コーヒーが飲めるだけでも大いなる幸せというのに。
「淹れたて」という部分を大いに評価してレビューに星5つあげてもいいかもしれない。

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ハムとチーズ、カットされたオレンジ、シリアル、パンをがっつり皿に乗せ、
もう一方の手にはコーヒーに多めのミルクをぶち込んだマグを2つ持ち、広いリビングで席を探した。

この旅を重ねていってわかることだが、アイルランドの安宿には「朝食付き」のところが多く、
連日、新鮮なコーヒーに出会えるシアワセを重ねることになっていく。
旅の必需品のインスタント・コーヒーは持参してきていたがホトンド使わず、旅をやり過ごすことになっていく。

まるで学生寮のような広いキッチンにはWi-Fiが飛んでいた、あいにくドミ部屋には飛んでいない。
早い時間、人も少なく、会話を交わす相手がいたとしても朝からテンションあげて話す気にもならなかったので、
PCを広げ、メールチェックしながら、コーヒーを傾け、朝食を摂った。

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昨晩はオープンサンドのようなもので軽めの夕食を済ませ、20時には2段ベッドの上段で気を失っていた。

ところが2段ベッドが20台近くも並ぶ部屋では深夜にデカイいびきが響き渡り、少しばかり安眠を妨げられた。
どうやら自分だけではないようであちこちで寝返りが繰り返され、2段ベッドの軋む音が各所で響いていた。
イビキの主のベッドを蹴り飛ばしにいくわけにもいかず、
あらかじめ用意していたイヤー・プラグを耳に押し込み、なんとか睡魔を呼び戻した。

男性ドミの一番の難点は「誰かのイビキ」だろう、モチロン南京虫に出会うとそれ以前のオハナシとなるが。
ここは男女混合のユニ・セックス・ドミだったので、あるいはイビキの主も女性だったのかもしれない。

http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-09-29 おんたいむ@ダブリン

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9時を過ぎると広いリビングにも人が溢れはじめ、空いた席を探す人が増えはじめた。
コーヒーを飲み干し、キッチンでマグを濯ぎ、遅れてきた誰かに声をかけ、席を譲った。
並んでいたチーズとハムはとうになくなっていて、銀色の広い調理台は予想通り散らかっていた、
あるいは単に野良犬が通りがかっただけなのかもしれない。

宿の規模とベッドの数は最悪に近かったが、
熱いシャワー、ゆっくりの朝食、淹れたてのコーヒーが少しばかりマイナス気分を解消してくれたことは確かだった。

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ベッドからカメラバッグだけ取り出し、宿前の『オコンネル橋』を渡り、(写真2)
『Temple Bar(テンプル・バー)』にある「ツーリスト・インフォメーション」に向かった。

そこで明日行く予定のベルファストへのバスの時刻と値段を尋ねると、片道16ユーロ、1時間毎に出ているという。

「ネットで確認した金額よりも安いですよね?」

「ああ、あれは正規の料金だわ、ここで買えば少し安くなるのよ」

案内所が代理店業務もこなしているのだろうか、どういうシステムかわからなかったが、
同じバスが安いならそれに越したことはない。

「往復ならもっと安いわよ、24ユーロ」

会話を重ねていくとドンドン安くなっていく、このまま話していればそのうち無料になるかもしれない。

「え~、往復安いなあ、でも戻ってくるかなあ」

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帰国便はダブリンの空港から乗り込むことになっていたが、
気の利いた安宿がないこの街に戻ってくることに躊躇していた。
今と同じドミトリーに戻れば楽なのかもしれなかったが、あのベッドの大群にふたたび横たわるのは気鬱だった。

「じゃあ、片道だけ買っちゃいます」

カードが使えるということを聞いて、決めてしまうことにした。
街の北東にあるバス・ターミナルに足を運ぶ手間が省けるし、しかも安いのだから、迷う必要なし。
ああ、それよりもドコカの国も早く交通機関でクレジットカード使えるようにしてくれないかな。

旅の予定はこんな風に決まっていく、これで明日はベルファストにいることが決まった、あとは安宿探しだ。
いやいや、まずはリミットの決まったダブリンの街を堪能しなくては。

今朝、宿のスタッフに「無料のウォーキング・ツアーがある」という情報を教えてもらっていたので、
集合場所の『Bank of Ireland(アイルランド銀行)』前に戻ってみた。(写真4)
集合時間までに30分以上もあったので、さすがに誰かがいるわけでもなく、目印のカンバンがあるわけでもなく、
あてどなく待っているのもばかげていたので自分で歩くことにした、情報はあくまで情報、縛られることはない。

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『テンプル・バー』を西に流れ、『City Hall(市庁舎)』を眺め、『Dublin Castle(ダブリン城)』へ。(写真5)

ダブリンの建物は3~4階建てがほとんど、条例などで制限されているのかもしれないが、
それにしても空への抜けが気持ちいい、文学的にいうならば「空が広い」という感じだ。
各所に公園があり、空との対比が心地いい、やはり看板や広告などの人工的な色は人の眼には強すぎるのだ。

ここ『ダブリン城』の中庭にも緑があふれていた。(写真6)

写真撮影に夢中な観光客よりも日向でくつろぐ人や子供を遊ばせている母親など地元の人のほうが多い。
完全に城の中庭というより近所の公園、観光名所らしさがなくてとてもいい雰囲気だ。
城自体も高さがないので威圧感がなく、空の抜けが気持ちいい。

濃い緑、空の青、石造りの建物、自然な色合いのなかでいくらでも歩けそうな気分だった。


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O'Connell Street @Dublin [Ireland]

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―DAY2― 9月28日

EY41は定刻より10分早い現地時間14:40に『Dublin Airport』に到着した。

ダブリンの空港は2つのターミナルを抱えていたが、サイズはこじんまりして分かりやすい。
入国審査に行列することもなく、さらりと到着ロビーに降り立つことができた。

成田~アブダビが11時間、トランジットに6時間、でアブダビ~ダブリンのフライトが7時間と、
24時間かけてアイルランド入りが完了。
とはいえ、夜に日本を飛び立ち、午後にアイルランドにいるのだから、24時間費やした印象はない、
さらにいうとこういう場合、日本の時間は考えない方がいいのだ、カラダは現地時間に合わせるべきで、
いつまでも日本時間を引きずっていると、時差ボケのワナに陥ることになりますぜ。

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建物の目の前にある乗り場から市内へ向かう空港リムジンがあったが、あえて市バス(ダブリンバス)をチョイスした。

30分で市内に着く6ユーロのリムジンと小一時間かかる3,1ユーロの市バスと金額に大差はないが、
(この時のレートは1ユーロ=140円弱)
手元にあまっていた10ユーロほどを持参して来ていたので、それで済ませてしまいたかったことと、
乗客や風景を眺めながら、地元の空気にゆっくり馴染んでいきたい、というのも市バスを選んだ理由。
それに最初の宿はドミトリーにしたので、落ち着ける部屋があるわけでもなく、チェックインも急ぐ必要がなかった。

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バスは40分ほどでダブリンの中心を走る『O'Connell Street(オコンネル通り)』に到着した。(写真3)

乗車時にドライバーに「オコンネルに着いたら教えて」と伝えておいた、知らない国でいつもやる市バスの乗り方だ。
ドライバーは石造りの橋を渡ったあたりで、思い出したかのように目くばせで合図をくれた、
残念ながら市バスでチップをはずむわけにはいかず、歩み寄って礼を告げ、バスを降りた。

降りると一気にダブリンの喧騒が襲いかかってきた、おう、ヨーロッパの街だぜ。

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目の前に石造りの橋がある、『O'Connell Bridge(オコンネル橋)』、この街のランドマークであり、中心地点だ。(写真4)
今回はこの橋のすぐ前にあるホステルをおさえていた、宿の質は無視してロケーション優先で。
ひとまず到着直後の宿が決まっていると、知らない街でも不安は少し薄らぐものだ。

バス停をひとつ行き過ぎていたようで、戻る形で橋を渡り、袂にあるホステル『Abbey Court Hostel』にチェックインした。

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施設や設備の説明を受け、教室のような大きなサイズの部屋の中から指示された番号を探し出し、
割り当てられたベッドを探り当て、荷物を置いた。(写真5・赤い壁がホステル入口)
部屋には20個近い2段ベッドが並んでいて、学生寮さながらのホステルに少しばかり面食らっていた。

ダブリンはヨーロッパの大都市、ということもあり、けっこう宿代が高い。

到着時はあきらめて、ロケーションと金額だけでブッキングしたので、驚きはしたがそれほど失望感はなかった。
学生寮のようなドミでもロケーションがいいので、2泊で税込み27ユーロ、一泊1900円弱とヨーロッパの相場価格。
ドミは落ち着かないが、この先、どこかの街で気の利いた宿を見つけて、くつろげばいいだろう。

救いは「朝食付き」という点、パンのひとつも齧れるのは幸い、おそらく無料のコーヒーにちょっと期待値が上がる。

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新鮮なコーヒーがほしかったので、カメラバッグだけを手にダブリンの街に出た。

ラウンジ滞在とダブリンへのフライトでたっぷり寝てはいたものの、ベッドを見るとその誘惑に負けそうだった。
しかし昼寝して夜寝られなくなったらドミ滞在は最悪だ、コーヒーをブチ込むことで誘惑に抗うことにした。

コーヒー・ショップを求め、ニギヤカな通りを歩く、16時を回っていたが、まだ日が高く、日差しが眩しい。

サングラスを忘れてきていた、晩夏ともいえる時季だがストレートな日差しのヨーロッパでは必需品だ。
ベッドでキャスターバッグの中身を探ったが、アレヤコレヤ忘れ物を重ねているようだった。

サングラスは入れた記憶がないし、小型の目覚ましは電池切れ、
こいつは「単5」というややこしいタイプの電池なのでこの国で買えるかは怪しかった。
さらにはバッグを繋ぎ止めるワイヤーロックはしばらくぶりに使うせいで、番号がわからなくなっていた。
ドミトリーを出る前に早速、使うべきなのに大いなる宝の持ち腐れ、やっぱりバタバタと出国するものじゃないな。

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宿の前を流れる『リフィ川』はすぐそばのダブリン湾に流れ出ている、それを遡る形で川沿いを歩いた。

テイクアウェイのコーヒーを買い求めると無目的に歩き続けた。
2泊する街でスーパーや気の利いた食堂を探し当てておきたかったし、観光スポットへ入場するには遅い時刻だった。

川沿いにはオシャレなレストランやBARが並んでいて、どこの店先にも「ハッピー・アワー」の文字が躍っている。
テラス席を占めているのは浮かれた観光客がホトンドで、どうやらチョークで書かれた文字に釣り上げたようだ。

カメラバッグだけで身軽になったせいか、ロング・フライトの疲れも忘れ、ステップは軽かった。
コーヒーを手にしていなかったらスキップしていたかもしれない、浮かれた観光客の一員として。

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開けた通りに青果の露店が並んでいた、ちょっとした市場で仕事帰りのビジネスマンが果物を買って帰っていく。

彼を真似して果物を買い込みたかったが、ドミ滞在では持て余してしまうので思いとどまった。
それよりも身軽なまま、たっぷり歩き回り、しっかり疲れて、どっぷりベッドに沈み込むべきだよな。

知らない国、知らない街、知らない通り、日没までまだまだ歩けるはずだ。


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Fly to Dublin via Abu Dhabi @Abu Dhabi [Ireland]

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―DAY1― 9月27日

いつものように旅のきっかけは他愛なく決まり、なにげなくアイルランドに飛ぶことにした。

ロング・フライト対策に厚めの文庫本5冊を選び、Tシャツ3枚、パンツ3枚をキャスターバッグに捻じ込んだだけで、
夕刻、それも少し早めの時間帯の赤い電車に乗り込んだ。
成田発21:20発だったのでゆっくり向かえばいいのだが、帰宅ラッシュに巻き込まれたくなかったのでね。

最近はチケットの価格が旅の行き先を決めてくれる。
今回は春先に「エティハド航空」が「就航記念プロモーション」を謡い、
ヨーロッパ便にしてはかなり安いチケットを売り出したのでそれに飛びついたことで行き先が決まった。
いつもこんな風に思いつきと衝動が旅の動機だ。

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昨今、LCCはEU圏では長距離バスと天秤にかける移動手段のひとつとなり、廉売は驚きにすらならない。
アジア圏では群雄割拠、FSCとのパイの奪い合いで、現れては消え、消えては現れの栄枯盛衰を繰り返している。
アメリカ圏では賢く国内線に専念したため、波を被る形でFSC陣は経営が逼迫し、
そのサービスは共産圏に迫るようなレベルに至っている。
そんなマーケットを横目にゴージャスなビジネス・クラスを引っ提げ、すべてのパイを平らげようと、
独立闊歩の中東系航空会社が世界各地にその触手を広げてきているのだ。

勢いに乗っている「エミレーツ」「カタール」などを追随する形で、「エティハド」も日本路線に名乗り上げ、
その祝いの狼煙として安いチケットを売り出すことにしたようだ。
格安のチケットを探すにあたって、「新就航」のプロモーションってのは狙い目ですぜ。

「ETIHAD」とちょっと発音しづらいこのエアラインはアラブ首長国連邦(UAE)の国営航空会社、
「連合」を意味する名称だそうで、言語は違えど「U」ではじまる米系航空会社と大差のない名称ということ。

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イスラム圏への渡航経験はツアコン時代に4~5回エジプトを訪れたことと、
サハラを観たくてアルヘシラスから船でモロッコに渡り、3週間過ごしたことだけ。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-06-02-2 モロッコ放浪

旅先として中東にはあまり琴線に触れてこない、というのがこちらの心情。
ああ、トルコもイスラム圏ですね、ここもツアーで4~5回周遊、あ、この間、バルカンの帰りにも立ち寄ったんだっけ。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-06-06  トルコ紀行
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-03-05  バルカン放浪

ここではマレーシア、インドネシアは外しておきます、そういえばブルネイもイスラム圏ですね。
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2014-10-02  ボルネオ紀行

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アブダビに留まらず、そこから先のEU各国へのチケットを5万円前後で売り出していることに目が止まった。
EU圏へのフライトは総額で「7万円」程度が最安値のボーダーと踏んでいるが、
このところサーチャージのせいで7万円以下なんてのはもはや遠い過去の数字になっている。
総額で5万円を切る、なんてのは驚愕の「破格」、いやいや「奇跡」かも。
南回りだろうが縦回りだろうがおかまいなし、
なにせ格安チケットの定番「アエロ・フロート」でも5万を下回ることなんてことはないのだから。

サイト上でそんな「奇跡」のなかから「未踏の地」を探していると「ダブリン」という選択肢が浮き出てきた。

成田~アブダビ~ダブリンが総額で4,7万円(愕!)、いいじゃんアイルランド。
南回りは異常に時間がかかることは経験していたが、そのまま乗り継げるなら悪くはない。
沖縄に飛ぶのと変わらない値段でヨーロッパへ飛べるのだから、南回りもなんのそのでしょ。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-04-06  南回り・バンコク経由ロンドン行き

ということで迷わずクリック、カード決済も速やかに終えて、12日間の旅確定。
ヨーロッパとは時差が関係するので、実際、現地で過ごせるのは9日間ほどになるのかな。

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東南アジアやアメリカ便が重なるこの時間帯、成田の第1ターミナルは人であふれていた。

幸いオンライン・チェックインを済ませてきていたので、
ごみごみしたカウンターの行列を尻目にボーディング・パスだけを受け取り、X-ray検査を済ませた。
階段を降りると同じようにわさわさと出国審査のレーンも混雑していたが、
それを無視するように右端に据えつけられた「自動化ゲート」で出国を済ませた。
誰も使っていないゲートを通り抜けていくのはちょっとした特権階級の気分、安チケットの人だけどね。

ざわざわした免税店を無視し、いつものように「Priority Pass」で『KALラウンジ』に滑り込んだ。

安チケットの人ながらビジネスクラスのラウンジを使えるのでこれまた特権階級の気分。
ハードな乗継便の旅を納得させる一番の理由は「価格」に違いないが、
トランジット先や帰国空港で「ビジネスクラス・ラウンジ」を使えることも大きな理由のひとつ、
見知らぬ空港で居場所がある、というのはホントに助かるし、長旅をほんの少しだが癒してもくれる。

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EY871は定刻通り出発し、現地時間3:20、『Abu Dhabi International Airport』に到着した。

スケジュールでは4:35が到着予定時刻だったので、1:15も早く到着したことに。
東京とアブダビの間には5時間の時差があるので、11時間のフライトを消化したことになる、
通常の所用時間なら12時間以上かかるということか、ムムム。
北回りならラクにヨーロッパに到着している時間、地球は丸く、やっぱり南回りは遠いのだ。

5時間のトランジットにさらに+1時間、タップリ時間はあったが、この時刻では街に出てもナニも期待はできない。

あわよくば「UAE」を渡航経験国に重ねようかと思っていたが、
暗闇の中、知らない国の知らない街を歩いてもしかたがないし、写真すら撮れやしない、
現地通貨も持ち合わせていないし、そのためだけに両替するのも、ねえ。
ということで、ダブリン行きの9:30まで空港内でおとなしくしていることにした。

深夜だというのにトランジット・エリアには人が多かった。

男性は白い「カンドゥーラ」を全身にまとい、「クゥトラ」を被っている人が多い。
家族連れの女性は多くが「アバヤ」と呼ばれる黒い衣装で、髪だけでなく、顔まで覆い隠している。
モスリムの服装は信心深いほど隠す範囲は多くなり、黒が強くなるという。
トルコだとその傾向はわかりやすく、イスタンブールだと全身黒尽くめの女性を見かけることは少ないが、
東のカッパドキア辺りまで出向くと、そのスタイルが当たり前のように増えていくのだ。

髪を隠す「ヒジャブ」だけの女性もいるが、やはり黒衣装の比率は圧倒的、
空港にいるだけでイスラムの本場に乗り込んできたことを実感していた。

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ターミナルを移動し、『AL DHABI LOUNGE』へ。

軽食をつまみ、仕切られた仮眠室の暗闇にあったリクライニング・シートに横になった、
6時間もあるのだから寝るには充分、仮眠にはタップリの時間だ。

周りの人を起こさないよう携帯のバイブで目覚めるとシャワーを使い、リフレッシュして、搭乗口へ向かった。


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出発前の空港、みなさんはナニして過ごしていますか?
免税店をウロウロ? カフェでセカセカ? 搭乗ゲートでイライラ?
「格安航空券」だろうが「LCC」だろうが各空港のある『ビジネスクラス・ラウンジ』でゆっくりビールやワインなんていかが?
【プライオリティ・パス】があればそれが可能、情報詳細は↓コチラをご覧ください。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2010-03-17

「年会費10,800円は高い!」と思うかもしれませんが、『ビジネスクラス・ラウンジ』の利用料は1回US$30ほど。
1度の海外旅行で日本出発時に1回、帰国時の空港で1回、往復2回ラウンジを使えるわけですから、
年間2度、海外旅行に出るとすでにモトは取れてしまいます。
空港によっては国内線でもラウンジ利用可能ですから、帰省時や国内旅行でも便利!

そのほかに「トラベルコース」を選べば、年2回の『手荷物宅配サービス』が付帯しますので、
単純計算で1,500円前後x2回分が浮いちゃいます。
国内も海外も旅行にこの1枚 さらに今なら入会時にポイントプレゼント、
初年度はこれだけでも会費を補えるので、試しに使ってみるのもアリです。
カードには最高5,000万円の『海外旅行傷害保険』&『国内旅行傷害保険』が付帯するので、
不安が多い海外旅行でも安心ですね。

実際に利用した各都市空港ラウンジの報告記はこちらのリンクから!
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23 バンコク・スワンナプーム(BKK)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16 マニラ・ニノイ・アキノ(MNL)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-08-20 シンガポール・チャンギ(SIN)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-10-13 ヒューストン・G・ブッシュ・インターコンチネンタル(IAH)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09 デンバー・インターナショナル(DEN)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2014-05-06 ソウル・インチョン(ICN)
http://delfin3.blog.so-net.ne.jp/2016-07-21 香港・チェクラップコク(HKG)
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-09-29 アブダビ・インターナショナル(AUH)

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