Jalan Petaling @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]
―DAY7― 6月23日
今日もしっかり晴れ、暑さは朝から容赦がない。
コーヒーを淹れ、屋台で買ったパンの残りでカンタンな朝食にした。
今日は「海外」旅行を終えて帰る日、といってもバスでシンガポールに戻るだけだが。
前日、ホテル・スタッフにバス・ターミナルへの行き方を尋ねたのだが、
その答えは「わざわざ行かなくても無料シャトルでピックアップしてくれるわよ」という予想外のもの。
バス会社同士の競争もあり、無料でそういうサービスをつけている会社があるのだろう。
貴重でリアルな話に乗っかり、そのままブッキングしてもらうと、
「13:40、ホテル前、ピックアップ」とのお答え、出かける前に帰りの段取りがついた。
実はバス・チケットはシンガポール・サイドで「往復」で買ってしまわないのが得策。
物価差があるので到着したマレーシア・サイドで買ったほうがお得です、って役に立たない旅情報。
バス・ターミナルを目指す必要がなくなり、出発日の朝だがすっかり気楽な気分、
カンタンな腹ごしらえのあと、午前中のチャイナタウンをぶらつくことに。
アーケードのほとんどの店はまだ眠りに就いていている。
朝が遅いのはマレーシアもシンガポールも同じ、南国、あるいはアジアのしきたりみたいなものですね。
ニギヤカなはずのアーケード内は使い古された段ボールと置きっぱなしの紙屑が幅を利かせている。
煩わしい客引きをする売り子に行く手を遮られることなく、気ままに歩くことができる。
昨夜は結局、マーケットに据えられたテーブルでおしゃべりに熱中、
時折、コーヒーを買いに行ったり、スイーツを買ったりしながら他愛のない話を続けていた。
気がつけば電車がなくなるような時間に、まあ、旅先はそんな時間の過ごし方が楽しい。
終電のことを言いだすと、クルマで送るから心配ない、というハナシに。
こういう時は地元民に任せるに限るのでタップリ甘え、チャイナタウンの近くで降ろしてもらった。。
「次に会うのはKL? ソウル? トーキョー?」
そんな言葉を交わしながら、マレーシアンの友達に別れを告げた。
やる気のないチャイナタウンを一回りしたのち、ホテルに戻る。
チェックアウト客の出払った静かな宿、エアコンの効いたベッドで小休止を決め込む。(写真2・3)
しっかり12時まで居座り続けてチェック・アウト、バゲージを預けてランチに出向くことに。
昨日出向いたチキンライスの店「南香(ナム・ヒョン)」をふたたび訪問。(写真4)
「あら、また来たの?」
「また来るって言ったじゃん」
旅の約束は曖昧、レジのおばちゃんが旅人の言葉を信じなくてもなんらフシギはない。
「それならチキンライスもいいけど、ローストのダックライスも試してみて」
その言葉に乗っかり、ダック・ライスとアイスのお茶を頼んだ、7,7RM也(6,8+0,9RM)。
色鮮やかにローストされた鴨は香ばしく、肉の味が濃い、ウ~ン、チキンライスモダックライスモオイシイゾ。
「明日も来るの?」
「来たいけどこれからバスでシンガポールへ戻るんだ」
「じゃあまたKLに来たときは寄ってね」
「もちろん!またチキンもダックも食べにくるよ」
明らかに「にわか」だが常連になったような気分で、気持ちよく店を出た。
その足でふたたびチャイナタウンのアーケードへ、狙いはおじさんのやっている出店は「豆花」だ。
豆くささがあまり得意ではないので、国内では豆乳は飲まないのだが、
前々日「豆花」、前日「豆乳」と攻め、すっかり気に入り、食べ納めておきたい美味だ。
まだ暖かい豆腐を削り、黒蜜をかけデザート・スタイルで食べるのだが、
口に含むと隠し味のジンジャーがさらっと鼻腔を抜け、これがなんともタマランノデス。(写真7)
「この蜜はなに?」と尋ねたら「ブラウン・シュガーだよ」と教えてくれた、
う~ん、近所に欲しい店だよなあ、健康的だし、1,7RM、50円しないシアワセ。
長距離移動の前の燃料はこれにて補完、というか食べ過ぎだろ。
シャトル・バンは時間通り13:40にやって来て、複数のホテルで客を拾った後、
14:30、TBS(高速バスターミナル)に到着した。
右も左もわからなかったが、言われたままのバスに乗り込むと間もあけずに動き出した。
http://www.tbsbts.com.my/ (TBS)
16:50、トイレ・ストップ、やる気のないドライブインで20分の小休止。
18:50 JB(ジョホール・バル)のボーダーに到着、
バスを降り、マレーシア出国~越境~シンガポール入国を当たり前のようにこなし、またバスは走り出す。
20:10 バスはMRTラベンダー駅に近いバス・ターミナルにようやく到着、
夕刻の渋滞にも巻き込まれ、都合6時間半の長距離移動、KLから成田に着きそうな時間ぢゃないかい。
シンガポールで出迎えてくれたのは強烈な空腹だった、座っているだけなのに腹が減るのはどういう仕組みだ。
すぐそばにあるホーカーズに飛び込み、水餃子と炒飯を買い込み、すかさず炭水化物アタック。
時間の縛りもないのでのんびり食べ、友人宅のあるMRTポンゴールへ帰るだけだ。
おっと、無事についたことだけは電話しておこう。
バス往復4千円+ホテルx2泊3千円+メシ代を含めた滞在費3千円、1万円のショートトリップ完結。
Pasar Malam Taman Connaught @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]
ラマダン・マーケットでつまみ食いの後、彼女の職場であるカフェに向かった。
残りの仕事をやっつけている間にコーヒー・タイム、
「アイス・コピー、こそんラ~」(アイスコーヒー、砂糖抜きね)と注文、9RMのコーヒーで汗を冷やす。
住宅街のオシャレ・カフェ、おそらく日本人客は初めてだよなあ。
https://www.facebook.com/playground.coffeery/ 「Playground.Coffeery」@FB
20時過ぎ、ふたたびクルマを駆り、メインディッシュのナイト・マーケットを目指す。
「今日、『コナウト』の夜市に行きましょ、水曜しかやってないから」
「おお、それはラッキーだね、いいねえ」
というナガレで街の南側にあるらしい『Pasar Malam Taman Connaught』、
英語名だと『コナウト・ナイト・マーケット』に向かうことに。
といってもこちらは助手席に座っているだけなので、連れられるままだけどね。
路上駐車できる場所を探し、ブラブラと歩きはじめる。
歩道橋の下には大通りに沿ってニギヤカなマーケットが伸び、行き交う人で沸いていた。(写真3)
「おお~、ニギヤカだねえ」
「ここは水曜しか開かないからみんな目指してくるのよね。スリには気をつけてね」
「OKラ~」
マーケットは両側に店が軒を連ね、挟まれた間の通りを肩を交わしながら人が行き交っている。
ラッシュのように人の量が多く、「マーケット」というよりも祭りの出店状態の混み方だ。
「おお~、人多いねえ」
人気の食べ物屋の前には列ができ、そこが渋滞を生み出し、人が行き交うことができない。
さながら狭い血管にできた脈瘤のようで、しばらく待たないとその先へ進めない。
歩いては詰まり、歩いては詰まりと自分のペースでは歩くのもむずかしい状況だ。
「さあて夕食はナニ食べようか?」
「わたしは地元なんだから、好きなもの食べて!」
どうやら甘いものの店が若い女のコを集め、混雑を引き起こしている様子、脈瘤の病状が見えてきた。
見て歩くだけで楽しいと言いたいが、時折、鼻腔をくすぐるオイシイニオイが食欲を大いに刺激してくる。
おまけに歩く先々で大鍋振るい調理する姿が眼に入ってきて、食欲にはますます拍車がかかり、
現れてくる出店すべてを制覇したくなるほどだ。
こうなるとスキキライがないのがいいのか悪いのか、あるいはただ単にイヤシイだけなのかもしれない。
ラマダン・マーケットでのつまみ食いはどこに行ったのか。
空腹で歩くのはまさに生殺し状態、性質の悪いナイト・サファリを歩かされている気分になってきた。
「ダメダ、コレ。ハヤクナンカタベヨウ。というかなんでもいいから食いたい!」
チャイナタウンでも見かけたビーナッツ入りパフ=5RM(写真3・4)
炒㷄=(チャオフイ・写真7・8)10RM、
茹でアサリ=10RM(写真10)を買い込み、雑多な夕食の準備OK。
食べる場合は出店の裏手に簡易テーブルやイスが置かれているので、勝手に陣取る気楽なスタイル。
バック・ヤードに下がるとマーケットの騒乱が遠くに思えるほどのんびりしていた。
それでは、いただきます!
Connaught Night Market
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Ramadan Market @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]
クエスチョン・マークを浮かばせたまま、飲み物片手にニギヤカな『ブキ・ビンタン』を歩く。
目的もなくブラついていると昨日夕食を共にした友人から「今夜はなんか予定ある?」と電話が入った。
「なにもない」と告げると、ナイト・マーケットに行かないか、とお誘いの言葉。
KLには有名なナイト・マーケットが数ヶ所あるらしく、そのうちの一つに行ってみないか、というハナシだ。
旅先の誘いには乗ったほうがいい、旅先では「次」はないからね、これまでの旅の経験則デス。
ただしお金が絡むような誘いにはご注意を、モチロン見ず知らずの人の誘いには乗らないように。
仕事場まで来てくれないか、というので最寄りの駅を教えてもらい、
LRTに乗り込み、『Wangsa Maju』という駅を目指した。
この駅、KL中心地の北側にあるのだが、『ブキ・ビンタン』からはアクセスが悪く、
チャイナタウンに近い『パサール・セニ』に戻り、そこから北上していく形をとらなければならなかった。
(お好きな方はKLの路線図など検索してみてね。空港アクセスもLRTです)
聞いた駅名だけを頼りに見知らぬ駅で降りると、クルマで迎えに来てくれていた。
「ゴメンネ、変な住宅街まで来てもらって」
駅から少し離れたところに彼女が働くカフェがあるらしい。(写真9・10)
「かまわないよ、こんなところに来るチャンスはないからね。
それに元々、予定もないし、誘ってもらえてウレシイよ」
「仕事ちょっと残っているから迎えに来たわ。夜マーケット行くけど、今マーケット見る?」
ナニを言っているのかわからなかったが、少し走るとクルマを路肩に止め、歩くことに。
するとその先には広場があり、数々の出店が広がっていた。
「ナニ? コレ?」
「『ラマダン・マーケット』よ。この時期だけの」
「おお~」
イスラム暦なので毎年変わるが6月のこの時期はイスラム教の「ラマダン」=断食月にあたることが多い。
「断食」というと「絶食」をイメージするが、「ラマダン」は日中はなにも口にできないが、
日没後には家族揃って、『Buka Puasa(ブカ・プアサ)』という食事をとるのが通例だ。
そういったモスリム(イスラム教の人々のこと)に向けての臨時マーケットに連れてきてくれたのだ。
店先では調理の音と香しい煙がニギヤカしい、仮設テントを行き交うお客で沸いていてさらに興味が募る。
見たことない食べ物も多く、一軒一軒訪ね歩いて、食べ散らかしたくなる思いに駆られる。
「こういうローカル・マーケット好きなかなあ、と思って。でもドリアンはないけどね」
「へへへ、活気があっていいよね、食べたくなるし、写真も撮りたいし」
「みんなここで買って帰って家族で食べるの。わたしたちも仕事帰りに買い食いしたりね」
彼女は中華系マレーシアンなので「ラマダン」自体は関係がない。
「へええ、シンガにはあまりないからこんなスタイルは知らなかったよ。あ! あ~あ!」
「どうしたの?」
「いや、さっき『ブキ・ビンタン』でも出店が並びはじめていたんだ、これだったのか」
「夕方から」「食べ物ばかり」「イスラム系」…、店のデータはこの「ラマダン・マーケット」と同じだ。
繁華街で見た風景を説明しながら、ここにきて浮かんでいたクエスチョン・マークを消去した。
シンガポールにもモスリムはいるが少数派、「アラブ人街」に集約されているという感が強い。
しかしここマレーシアではその割合はもっと高く、色合いも濃くなるのだ。
「いいねえ、今度はマレーシアンのガイド付きで見ることができるね、食べ物の説明よろしく~」
「通訳いらないでしょ! それと食べ過ぎないでよ、夜もマーケット行くんだから!」
「おっけ~ラ~(OK)、も~まんたいラ~(無問題)」
こちらの軽口を聴き、ローカルのマレーシアンがマジマジと顔を見ながらすれ違っていく。
名も知らぬローカル・マーケットにカメラ片手の日本人、あるいは通報されるかもしれない。
Bukit Bingtang @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]
ブルー・ラインのバスは『Bukit Bingtang』に向かっていた。
目的地はなかったが、手持ちのリンギットもわずかだったので、
ラストにはレートのいい両替店が多い『ブキ・ビンタン』に行ければいいかなと、
適当な感じで『パサール・セニ』の駅前にやって来たパープル・ラインの巡回バスに乗った。
路線図によるとパープル、ブルー、グリーン・ラインの3つの路線がこのエリアを通るので、
座っていればいつかは着くはず、と気楽に思っていた。
ところがバスは車庫のような広い停留所に止まったところですべての乗客を降ろしはじめた。
アナウンスもなかったので、わけもわからず座ったままでいるとドライバーに降りるように促された。
「あれ? 『ブキ・ビンタン』に行きたいんだけど?」
「ああ、次来たバスに乗って」
「循環バス」のはずなのだが、名も知らぬバス停だか車庫だかに降ろされ、たっぷり戸惑っていた。
日よけのある木製ベンチには同じバスの乗客が腰かけている。
彼らも待っているようなので、車両交換かあるいは運転手のシフトか、
なにかの事情で差し替えになったのだろうな、と勝手な推理を走らせていた。
答えの出ない推理を張り巡らしているとLEDに「BLUE LINE」と表示したバスが滑り込んできた。
「これ、『ブキ・ビンタン』に行くよね?」
ベンチの誰にともなくそう尋ねると「OK、OK」と他の客も腰を上げていく。
別の路線に乗り換える形となったので、あらためてドライバーに行き先確認をし、乗り込んだ。
「パープル・ライン」のバスが止まった理由はわからず、すでに「ブルー・ライン」のバスは走り出していた。
ブランドのロゴやデパートの看板があふれかえるエリアでバスを降りる。
『ブキ・ビンタン』はKLで一番ニギヤカなエリアらしい。
観光客中心のチャイナタウンとは打って変わった街のフンイキにちょっと押されていた。
レートのいい両替店で滞在中に必要なリンギットを手にしたものの、買い物に意欲はナイ。
折り返して帰るには早すぎるし、歩き回るには暑すぎる、さてどうするかと思案のしどころとなった。
手持ちのリンギットもあるし、エアコンの効いたカフェにでも逃げ込むかとブラついていると、
広い交差点沿いに露店が店を開き、次々に増殖していく様子がみえた。
行き場のない旅人と化していたので、迷わず飛び込んでみる。
まずはマンゴ・ジュースを購入、2RM。(写真9)
とめどない暑さで飲み物はいくら入れても止まるところを知らない。
隣の女性は大きなビニール袋でテイクアウト、どうやらそっちは4RMらしい。
モスリムも多いマレーシア定番のロースト・チキン、(写真7)
煙と格闘するオッチャンにカメラを向け、「写真いいかな」と声をかけると笑顔でポーズをくれた。
日が傾くにつれ、繁華街の片隅に露店が増えていく。
水曜日なので週末の市ではないし、ナイト・マーケットにしては時間が早い。
それに食べ物の露店ばかりが軒を連ねているのもなんだか奇妙だった。
活気ある露店の間を練り歩きながら、クエスチョンマークは消えない、なんだかわからないことが多い一日。
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Sentimental Bus @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]
―DAY6― 6月22日
気づいたら10時を回っていた、完全に意識を失っていたようだ。
宿は客が少ないらしく、夜も朝も施設内は静寂に包まれていた。
自分しかいないのかもしれないと疑いもしたが、
トイレやシャワーに行く際にすれ違う人はいたので、そういうわけでもなかったらしい。
あるいは6月というヘンな時期が静かに過ごせる理由だったのかもしれない。
昨夜は「客家料理」を楽しみながら、日本車が大好きという彼と話が大いに盛り上がった。
初対面でも共通の話題があると打ち解けやすい、そういう点では異国のほうが垣根がなかったりするのだ。
肝心の料理のオーダーは彼任せ、オイシイものはローカルに任せたほうが功を奏す。
こちらがやることは出てきた大皿を片っ端からやっつけていくだけ。、
こういうときはスキキライがないのは大きなアドバンテージ、
重ねて好奇心旺盛の食いしん坊、いやただの食い意地の張った小僧なのかもしれない。
そんな楽しい食卓をジャマしたくなかったので、無粋な一眼レフは出さずじまい、
すみません、UPする「客家料理」の写真は皆無、食べることとしゃべることに専念した夕餉デシタ。
食後はクルマで移動し、ドリアン・マーケットへ。
水曜日だというのにマーケットは混んでいて、ローカルでニギワっていた。
ドリアンの旬は「夏」、ことによると旬を先取りの頃合いだったのかな。
久々の味覚に舌鼓、こいつばかりは日本では味わえないからね。
屋外のテーブルで飲み物片手にドリアンを頬張る。
翌日も仕事がある彼らに申し訳ないほど話は盛り上がり、気づけば日付が変わっていた。
チャイナタウンの近くまで送ってもらうという至れり尽くせり、こうして小さな宴は幕を閉じた。
夜中に帰ってきたので、朝食も買ってきていなかった。
シャワーで目を覚まそうと廊下に出ると、キャスターバッグを引きずるチェックアウトの客とすれ違う。
かなりの数の宿泊者がいたようで、これもオドロキ。
宿のフンイキはこんな感じ、こちらのレビューをご覧くださいませ。
「レイン フォレスト ホテル」を【TripAdvisor】で検索
あ、ちょっと気になること、というか軽ツッコミ。
ホテルサイトにレビューを書く機会があると思いますが、
「スタッフが親切だった」「従業員が優しかった」ってのやめましょうね、
日本人のレビューはこの手のカキコミばかりで役に立たず、読み死にしそう。
けなすわけではありませんが、次回はもういないかもしれない従業員のことを書かれてもねえ。
学生のオンナのコが泊まれば、若いスタッフは優しくするだろうし、
言葉も通じない相手は冷たくあしらうこともあるし。
できることなら「入口わかりづらい」とか「Wi-fi弱い」とか「シャワーが熱くていい」とかトカとか、
施設、設備に関することを書いてケロ。
みな限られた予算内で許される快適な条件の宿の泊まりたいのですから。
留学生やワーホリのスタッフも多く、シフトで働く彼ら「優しい人」が常に居続けるとは限らんのデス。
さっくり着替え、早めのランチに向かった。
チャイタウンの一本裏手、クルマの激しい通りに気になる店に目星をつけていた、
迷いながらもタダでは歩かず、ちゃっかりこういうところに目をつけておくワケで。
「南香(ナム・ヒョン)」と掲げられたレストランに入る、おお、エアコンが効いている。
店頭には賑やかしく鶏肉がぶら下がっていたので、おそらくは「チキンライス」の店、
チキンライスならハズレもないかな、とテーブルにつくと店員のおばちゃんがメニューを差し出してきた。
鶏肉とご飯は別々に注文するものらしい、合わせて6,8RM。(写真9)
「味、どうだった?」
レジのおばちゃんに問いかけられる。
「シンプルでおいしかったよ。ローストも食べたいから明日も来るよ、近くに泊まってるんだ」
「あら、それはうれしいわ。で、あなた、ドコの国の人?」
おしゃべりな日本人はきっと少ないのだろう、当たり前のようにそう尋ねられた。
恥ずかしながら、後で調べてわかったんですが、「チキンライス」で有名なお店だったようです。
知らないで入って「シンプルでおいしかった」って、アンタ・・・。
エアコンの効いた店を出るとアジアの熱気が抱きつくように襲ってきた。
最寄りのLRT駅の『Pasar Seni』へ5分ほど歩いただけだったが、すっかり汗だくに。
駅にやってきたのは無料のバスに乗るためだ。
マレーシア政府がKLへの観光客誘致のために「GOKL」という無料巡回バスを走らせている。
グリーン、パープル、レッド、ブルーラインという4つの路線がある、というので、
行きたい所も目指す場所もない身としてはまずは街を見て回ろうと、こいつに便乗、まさにタダ乗り。
http://www.go-malaysia.info/travel/gokl/ (GoMalaysiaサイト)
目にとまるものがあれば途中下車すればいいし、終点で折り返してきても車窓からKLを楽しめるからね。
わかりやすくカラーリングしたバスに乗り込むとエアコンが効いていて、車内Wi-Fiも飛んでいるらしい。
アナウンスこそないがモニター表示もされている、至れり尽くせりですね、マレーシア政府。
停留所の気温表示は36℃を示していた。
車内で汗を拭きながら、「36℃のとろけそうな日♪」というフレーズが浮かんでくる、
あれ? 39度だっけ? いずれにしろ散々迷った昨日のほうが曇っていて涼しかったのかよ。
赤道から離れて来たのになんでKLのほうが熱いんだよ、と誰に言っていいかわからない苦情を飲み込んだ。
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Lost in Chinatown @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]
8月頭に更新してから、ブログ更新が2ヶ月以上も疎かになっております。
航空券が高く、出かけないはずの「8月」でしたが、
チェンライ&バンコク行って、ハノイ&ハロン湾行って、と出たり入ったり。
9月に入ってもソウル&プサン行って、とドッタンバッタンしつづけ、
そのツケで10月にはアレヤコレヤと〆切の波が押し寄せてきまして、ブログ更新はすっかりご無沙汰に。
かろうじての「おんたいむ」報告ばかりで、ホントすみません、
2ヶ月以上あいてしまったUPLOAD、
ハナシはいまだ2016年の夏を彷徨っています。
楽しみにしてくださる方などいらっしゃらないかもしれませんが、どうかお付き合いのほどを。
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右も左もわからない大通りに放り出され、カラダもアタマも放心状態になっていた。
立ち尽くすにしてもKLの暑さがそれを許してくれない。
大通りの上を走る高架線を頼りに駅でも目指すか、とアテもなく歩みを進めた。
ただしこちらはスマホ持ちではないので、ナニ駅かわかったとて、という状況に変わりはないけど。
見知らぬ街でこういう状況に陥った場合、大手のホテルに駆け込むのが正着デス。
ホテル・ロビーは公共スペースでもあり、大手ホテルなら英語が通じることが助けになるし、
おまけにちょっと歩いただけで吹き出してきている汗を冷やすのにもいいのでね。
「すみません、道に迷ってます、教えてください、『チャイナタウン』はどっちですか?」
大手ではないが構えの立派なそれらしいホテルのロビーに飛び込んだ。
スマホがない代わりに宿泊先のホテルの地図とアドレスはプリントアウトしてきていた。
「ああ、そこならこの通りを戻って右に折れて南に下って行けば、みつかるよ。これ持っていきな」
「ありがとう、助かります」
差し出された無料の観光地図を受け取り、ざっくり目標の『チャイナタウン』を目指し、元の道を戻った。
どうやら高架線沿いにテキトーに歩いていたので、反対側に進んでいたようだ。
歩きながら地元民かつ英語が通じそうな人を見つけては、
「『チャイナタウン』ってドッチ?」と尋ねつつ、進んだ。
後で調べて分かったのだが、地図の青丸印を辿っていたらしい。
ただこの「迷子」はこれだけで終わらず、
ヒドイことにホテルサイトの地図がホテルの位置を「チャイナタウン内」と誤って表示していたため、
チャイナタウンのメイン・ストリートでも行ったり来たりし、
あるはずのないホテルを探し続ける、という悲劇は続いた。
うるさい土産店の客引きをあしらいながら、記載の住所、地図にないホテルを求め、
ここでもまた途方に暮れながら歩くことになったのだ。(地図内・紺の丸印)
この悲劇を解決するには宿に電話入れるしかないな、と思い、
地元の売店オバチャンに公衆電話の在り処を尋ねることにした。
ところがおばちゃんはこちらの問いかけを気にも留めず、手元のプリントを覗き込んでくる。
すると「このホテル、アッチじゃないかしら」と何気ないお言葉。
電話を探すことをやめ、しめされた方向にダメモトで向かってみると、
目指すホテルはあっさりと見つかり、悲劇は喜劇でエンディングを迎えてくれた。
14時を回った一番熱い時刻に涼しいロビーに転がり込み、ようやくソファーに腰を下ろした。
「探したよ~」とチェックインの手続きをしながら、地図が間違えていたことを伝え、カギをもらう。
フロントの女性によるとホテルサイトの地図情報はホテルで設定するわけではないらしい。
ということで、サイトの地図は間違えていることが多々あるので、電話で尋ねるのが得策、
結果的にはおばちゃんに助けてもらったので、電話してないけどね。
2階に上がり、部屋を開け、デイパックを置く。
シンプルで質素なシングル・ルーム、施設全体は清潔で共用のシャワーやトイレも快適そうだった。
目論見通り、キレイで新しい。
そう口コミもまだ上がってないぐらい新しい宿を探したのだからね。
誰もいないフロア、ひとまず歩き過ぎてかきまくった汗をシャワーで洗い流し、
シャツを替えると、カメラバッグだけを手にし、いつものようにすぐに出かけることに。
腹はペコペコ、ノドはカラカラだったが、シャワーが少しばかり意欲を回復してくれていた。
まずは遅めのランチ、土産物屋だらけの『チャイナタウン』のメイン通りを外し、路地へ入り込む。
食堂に先客がいたのでそこに決めた、まずはナニか入れないことには。
「ワンタ~ンミ~ン! ドライで。麺はこれで」
店先のガラスケースの麺を指さしながら、店員にそう告げ、空いているテーブルに腰を下ろした。
すぐ横に排水溝があるような路地裏、アジアに居ることをあらためて感じさせてくれる情景。
こういうなにげなくどうでもいい瞬間が好きで、旅をしている気がする。(写真8)
ここでも繰り返し書いていますが、シンガポールやマレーシアでは麺の注文にコツがある。
「スープ」はオーソドックスな「ラーメン」スタイル、
「ドライ」は茹でた麺に和えて皿に盛られてくる、いうなれば「つけ麺」スタイルですが、
スープにはつけず、どちらかというと麺にかけてほぐしながら食べます、コレ。(写真1)
フィットチーネみたいなきしめんみたいな幅広麺がうまい、6,5RMで遅めのランチ終了。
燃料切れになりかけたカラダにエネルギー充填、俄然、街歩きの意欲が沸き、
露店で買った「豆腐花」(1,7RM)を片手に、食後のデザートを頬張りながらあたりを彷徨った。
日が傾きかけた頃、市バスに乗り、『ミッドバレイ』へ。
ソウルのホステルで知り合ったマレーシアンの友達と「ご飯食べよう」ということで、
街なかの大型ショッピングモールで待ち合わせ、再会の夕餉、というわけ。
「ナニ、食べたい?」
「食べたいのは旬のドリアンだけど、まあ、それは夕食じゃないよな、ジョークね。
高級料理よりも普段食べられないローカル・フードがいいなあ」
彼女はおいしいものに詳しい友人を引き連れての登場、彼の運転する車内でナニを食べるかを算段、
するとドライバーの彼はこちらが「ドリアン」を食べられることに驚いている。
「この人、シンガポールに住んでいたのよ」
「アラマ~ でしょ?」(マレー語で「alamak」、日本語と同じ感嘆詞)
彼女の話に合わせ、マレー語で驚いてみせると大いにウケた。
「日本語と同じ意味なんだよ」と説明するとマレーシアの人にはテッパンで受けます、コレ。
「じゃあ、『客家料理』はどう? そのあと『ドリアン』も食べに行こう!」
旅先でテーブルを囲む相手がいるのはうれしい喜び、一人旅の悲哀が一瞬で消し飛んだ。