Bukit Bingtang @Kuala Lumpur [Malaysia (KL)]

ブルー・ラインのバスは『Bukit Bingtang』に向かっていた。
目的地はなかったが、手持ちのリンギットもわずかだったので、
ラストにはレートのいい両替店が多い『ブキ・ビンタン』に行ければいいかなと、
適当な感じで『パサール・セニ』の駅前にやって来たパープル・ラインの巡回バスに乗った。

路線図によるとパープル、ブルー、グリーン・ラインの3つの路線がこのエリアを通るので、
座っていればいつかは着くはず、と気楽に思っていた。
ところがバスは車庫のような広い停留所に止まったところですべての乗客を降ろしはじめた。
アナウンスもなかったので、わけもわからず座ったままでいるとドライバーに降りるように促された。

「あれ? 『ブキ・ビンタン』に行きたいんだけど?」
「ああ、次来たバスに乗って」

「循環バス」のはずなのだが、名も知らぬバス停だか車庫だかに降ろされ、たっぷり戸惑っていた。
日よけのある木製ベンチには同じバスの乗客が腰かけている。
彼らも待っているようなので、車両交換かあるいは運転手のシフトか、
なにかの事情で差し替えになったのだろうな、と勝手な推理を走らせていた。
答えの出ない推理を張り巡らしているとLEDに「BLUE LINE」と表示したバスが滑り込んできた。

「これ、『ブキ・ビンタン』に行くよね?」
ベンチの誰にともなくそう尋ねると「OK、OK」と他の客も腰を上げていく。
別の路線に乗り換える形となったので、あらためてドライバーに行き先確認をし、乗り込んだ。
「パープル・ライン」のバスが止まった理由はわからず、すでに「ブルー・ライン」のバスは走り出していた。

ブランドのロゴやデパートの看板があふれかえるエリアでバスを降りる。
『ブキ・ビンタン』はKLで一番ニギヤカなエリアらしい。
観光客中心のチャイナタウンとは打って変わった街のフンイキにちょっと押されていた。

レートのいい両替店で滞在中に必要なリンギットを手にしたものの、買い物に意欲はナイ。
折り返して帰るには早すぎるし、歩き回るには暑すぎる、さてどうするかと思案のしどころとなった。
手持ちのリンギットもあるし、エアコンの効いたカフェにでも逃げ込むかとブラついていると、
広い交差点沿いに露店が店を開き、次々に増殖していく様子がみえた。

行き場のない旅人と化していたので、迷わず飛び込んでみる。
まずはマンゴ・ジュースを購入、2RM。(写真9)
とめどない暑さで飲み物はいくら入れても止まるところを知らない。
隣の女性は大きなビニール袋でテイクアウト、どうやらそっちは4RMらしい。

モスリムも多いマレーシア定番のロースト・チキン、(写真7)
煙と格闘するオッチャンにカメラを向け、「写真いいかな」と声をかけると笑顔でポーズをくれた。
日が傾くにつれ、繁華街の片隅に露店が増えていく。

水曜日なので週末の市ではないし、ナイト・マーケットにしては時間が早い。
それに食べ物の露店ばかりが軒を連ねているのもなんだか奇妙だった。
活気ある露店の間を練り歩きながら、クエスチョンマークは消えない、なんだかわからないことが多い一日。
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初めまして、こんばんは。
ご訪問&nice!をくださり、ありがとうございました。
露店は様々な種類の食べ物・飲み物があって、食べるのもそうですが見るだけでも楽しめそうに思いました。
by ナベちはる (2018-11-13 00:31)
>ナベちはるさん
いえいえ、こちらこそ、ご訪問ありがとうございます。
嫌悪感を抱く日本人旅行者も多いですけどね。
地元の人に紛れて地元の味を楽しむはやはり旅ならではの楽しみです!
by delfin (2018-11-17 18:51)