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Carrick-a-Rede @Belfast [Northern Ireland (UK)]

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20分のフリータイムを終え、バスは11:10に『キャリック・ファーガス城』を離れた。

そこは「城」というよりは小さな港の「守り場」か「灯台」のようなこじんまりとした感じで、
雨は上がったものの晴れ切らない空と冴えない色の海が侘しさに拍車をかけていた。

バスは海岸沿いの一般道を走る。

店はモチロン、住居も少ない海岸線はさながら伊豆半島の西海岸沿いを走っているかのような錯覚を受けた。
海岸線の形に合わせてうねった道が対面通行で狭いことがそう思わせたのかもしれないが、
時折、ヒツジやウシが放牧された牧歌的な景色が広がり、アイルランドであることを確認させてくれていた。

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ツアーはいわゆる「ドライバー・ガイド」、運転しながらインカム・マイクで車窓の景色を紹介してくれる。

かなりのベテランらしく、小気味よいジョークを随所に交え、退屈な車内を大いに盛り上げている。
幸い「米語」ではなく「英語」なので軽めのジョークなどはこちらにもわかりやすかったが、
歴史や地学など学問的用語が混じるとこちらの英語力は及ばなくなり、彼の話しから意識は遠のいた。

「この辺りは高級別荘地、この一軒家は最近、売りに出してますよ、どうです?」
「右手の崖の白い岩石の部分は『ゲーム・オブ・スローン』のロケ地です」
時折、バスのスピードを落としては風景を紹介し、その度にカメラ片手の乗客が片側の窓にへばりついている。

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昨夜のドミトリーは大いなる安眠に包まれた。

割り当てられたのは2階にある3部屋のうちのひとつで、室内には二段ベッドが5つほど入れられていた。
幸い下段のベッドだったので、床にバッグを広げ、トイレへの出入りもラクに済ませることができた。
それよりも夜通しハナやノドをかき鳴らすミュージシャンがいなかったことがドミでの小さな幸福だった。

気になったのはただ一点、朝方、トイレを済ませ、ベッドに戻ると奇妙な寝言が聞こえてきたことだ。
「Huge Dragon(デカイ竜)」「Hells Dragon(地獄の竜)」・・・夢のなかでゲームでもしているのだろうか、彼の寝言にはやたらと「ドラゴン」を繰り返し、それはもはや迷惑というより笑いを堪えるのが大変だった。

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快適な眠りだけでなく、快適な朝食も待ち受けていた。

ホステルの朝食となると、ドーナッツやシリアルが乱雑に置かれ、
色だけそれらしいオレンジ・ジュースにコーヒーが添えられていればマシな方、というのが通り相場だ。

ところがここではキッチンに専門のコックさんがいて、朝食目当てで降りてきた客に、
「ブレック・ファストを選べ」と手書きのメニューを差し出してくる。
そこには「ソーセージ&エッグ」や「オムレット」など5種類ほどの朝食のリストが並んでいて、
ヨーロッパらしくその最後には「ベジタリアン」の文字まで踊っているのだ。

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知らずに降りてきた客は寝起き顔で戸惑う、というシーンに陥っていた、もちろん自分もその一員だ。

こちらの希望を聞いてから作ってくれるそれは、さながらデニーズの朝食プレートよりも豪華でビックリ、
ガッツリシッカリ朝食でとても安宿の朝食には思えなかった。(写真3)

コーヒーがインスタントしかなかったので大いなる減点対象になりそうだったが、
ドデカイ容器に入ったフレッシュミルクを好きなだけ注げたので、採点判断は見合わせることにした。
これなら自宅で飲む「インチキ・カフェ・オ・レ」と同格だし、それ以上に朝食の出来映えが高得点だった。

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一般道をきっちり2時間走り続け、13:10に『Carrick-a-Rede(キャリック・ア・リード)』に到着した。

ここは切り立った岸壁に渡された『Carrick-a-Rede Rope Bridge(キャリック・ア・リード吊り橋)』が名物、そこからの景観を眺めることができるらしい。(写真4)
https://www.nationaltrust.org.uk/carrick-a-rede Carrick-a-Rede公式サイト

ただし吊り橋の通行料5,9ポンド、ツアー客はドライバーから買うと5ポンドに割引されるらしいが、
橋を渡るだけで1000円を費やす気にはならず、そのお金で駐車場に併設された小さなカフェテリアで、
サンドウィッチとコーヒーを買い、外のテーブルでのどかな風景のランチタイムに浸ることにした。

コーヒーを飲み干し、橋とは反対方向に歩いてみた、ヒネクレモノは人とは違う方向に歩きたがるのだ。

すっきりと空は晴れ上がり、すっかり上着がジャマな陽気に、送迎ドライバーのいったとおりの天候だ。
切り立った岸壁の上からすぐに牧草地が広がり、人の気配を嫌ったヒツジが距離を置き、草を食んでいる。
崖の向こうにはラスリン島が見え、さらに遠方にはスコットランドが望める、海風が心地いい。

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「そっちに行くとなにかおもしろいものある?」

牧草地の横の歩道を戻っていると擦れ違いにやって来た女性に声をかけられた。(写真6)

「なにもなかったけど。切り立った崖が見下ろせるぐらいかな。誰もいないから気分はいいよ」

「そっか、行ってみるわ。写真、撮ってもらっていい?」

快諾するとスマホを渡された、使い方を尋ね、手際よく写真を撮ると、
彼女はひと気のない情景と写真がとても気に入ったようで、上機嫌をカラダで表現しながら歩いていった。
もう少し撮影していたら、その辺のヒツジを連れ出し、スキップしていたかもしれない。

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80分の散策時間を終え、15分ほど走ると小さな『Bushmills(ブッシュミルズ)』の町に到着、(写真7)
世界最古のウィスキー製造所である『Bushmills Distillery(ブッシュミルズ蒸留所)』の見学に立ち寄った。
有料で試飲ができるようだったが、アルコールに浸るつもりはなく、ロビーのソファーで文庫本に浸った。
http://www.bushmills.com/distillery/ Bushmills Distillery公式サイト

続いてほど近いところにある『Dunluce Castle(ダンルース城)』を遠景で眺めることに。(写真8)

難攻不落の文字もそのまま落とされたことがない城も時代には敵わず、悲しく朽ち果てていた。
こちらは盛りだくさんの「デイ・ツアー」なのだが、出てこないメイン・ディッシュに少しばかり焦れていた。

16:10、『Giant's Causeway(ジャイアンツ・コーズウェイ)』へ到着、ようやく主菜にありつけるぜ。


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