コーズウェイベイ(銅鑼湾) @Hong Kong [Hong Kong]

制限区域のベンチで足を延ばした状態で横になったせいか、気づけばたっぷり寝入っていた。
フライト到着の足で予約したホテルのある香港島に向かっても部屋に入れるわけではなく、行き場を失うだけ。
そのため入国はせずに少なくとも市内よりは安全と安心が保たれている制限区域で横になることを決めていた。
LCC深夜便の寝不足をベンチで補うのは悪い作戦ではないはずだ。
どこでも寝られる特技がいいのか悪いのか、少しばかり寝過ぎ、時計が9時を指そうかという時刻に起き出し、顔を洗って体勢を立て直し、入国審査を済ませ、到着ロビーへ出た、これでようやく香港到着。
まずは市内へのバス代が必要なので、US$10だけを両替すると手元にHKドルで$73がやってきた。
(香港$1≒15円ほど。1,000円が$67ほどの計算)
異国への旅はまず「現地通貨を持っていない」という強烈な不安感に襲われることからはじまるのだが、
まずはこれでひと安心、ドコへでも行けるし、コーヒーも飲めるし、空腹にも困ることはなくなった。

「USドル」を持ってきていたのは個人的な事情から。
円高時に蓄えたドルをバルカン半島で使っていったが、それが余ったので持って来ていただけだ。
かつては「円」を「米ドル」に替えてから旅立つほうが便利、といわれたが、
昨今はよほどの途上国でない限り、「円」はそのままで現地に出向いてから両替したほうがいい。
ただし「USドル」と「ユーロ」は例外で日本の銀行であらかじめ両替してしまったほうがお得。
それ以外の通貨は 良い>市内両替所>現地空港>ホテル>悪い の順でレートが変わるので、
到着時は空港からの足代とその日の飯代程度の両替に済ませておいた方がお得ですよん、
これはどこの国も共通パターンなので、海外旅行の常套手段ということで。
香港国際空港から市内へのバスはどの路線も$40ほどで行くことができる。
香港島、それもコーズウェイベイ(銅鑼湾)を目指すバスの番号を探し出し、乗り込んだ。
ただしこいつはリピーターや安上がりに行きたい方向け、迷いたくない方、時間を無駄にしたくない方は、
この沖の島の空港ができた際に並行して造られた「エアポート・エクスプレス(AEL)」がオススメですぜ。
早くて便利ですが片道$100と高いので「往復割引」などを上手に使うとお得ですよん。
http://www.hongkongnavi.com/special/5033465 (香港ナビ)
乗客の少ないバスは1時間ほどで香港島サイドに到着し、「上環」、「中環」と通過していく。
ビジネスビルと有名ブランド店が軒を連ねる大通りを走り抜けたあたりで、適当にブザーを押した。
すでにオフィス・アワーがはじまっている時刻、ビジネスマンや制服姿のオフィス・レディ、
買い物客が行き交う煩雑なコーズウェイベイの路地をキャスターバッグを引きずり歩いた。
外気は1月だというのに暖かい、Gジャンだけの薄着で来たのは正解、これが香港の冬。

ネットで予約しておいたホテルはすぐに見つかった。
アドレスの場所にあったのは香港らしい細長いオフィス・ビルで、集合郵便受けにホテルの名前を見い出した。
どうやらこのビルのワン・フロアで「ホテル」営業しているようだ。
小さいエレベーターで上がり、開いた扉を出るとその前に小さなフロントのカウンターが置かれていた。
「ネットでブッキングした者ですけど」
リファレンス番号(予約番号)を伝えるとオーナーらしき男性が流暢な英語で受け答えしてくれた。
「いらっしゃい。あ、日本の人ですね。部屋、入れるけどどうします?」
「え? もう入れるんですか?」
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時計は10時を回ったばかり、どうやら頼んでいたシングル・ルームの客が早朝出発で出て行ったらしく、
早めに掃除を終え、すでにベッド・メイキングも済んているらしい。(写真2・3)
チェックイン前にフロントにバゲージを預け、コーヒー・ショップにでも行くつもりでいたので、
いい意味で肩透かしを食らった形、こいつはラッキーだった。
「掃除も終わっているし、横になってもかまわないですよ」
「うわ、うれしいな。じゃあ、入りますね」
そう答えると彼は手際よくカギのかけ方や入口のセキュリティ・ナンバー、部屋の使い方を教えてくれた。
ワン・フロアを貸切ったホテル、といっても4~5部屋のみ、改装したばかり内装はどこも明るく清潔な感じだ。
英語が通じることがありがたかった。
香港でお馴染みの「重慶マンション」辺りの安宿は年配夫婦が経営していることが多く、
英語がカタコト、あるいはしゃべれる人が限られていたりする。
古くから元英国領ながら、市中ではあまり英語が通じず、広東語の割合が大きいのが「単一民族」の香港、
同じく元英国領ながら、英語が公用語のひとつでもあり、「多民族」のシンガポールと大きく異なる点だ。
律儀に仕事をこなすオーナーにスーパー・マーケットの場所を聞き、荷物を放り込んだだけですぐに出かけた。

いつものルーティーンといったら聞こえはいいが、まずはその国に着いたらその国のものを取り込みたい。
ナニカを食べるか飲むかして、その国のものをカラダに取り入れるとやっとその国に来た気がする。
あわせて今回はLCCでの渡航、出発前の羽田で夜食を詰め込みはしたが、
機内はモチロン、到着の空港以降もなにも食べずに過ごしていたので、
おなかも気分もたっぷり目減り、元気には程遠い状態だ。
満腹に至ると睡魔に襲われるのは確実だったが、ナニカ食べないことにはナニモはじまらない気分。
喧騒に包まれたコーズウェイベイを歩き、記憶にある風景と重ね合わせながら、脳内データをアップデート、
同時に香港に来たのはいつ以来だろうか、と過去データを脳内検索していた。
九龍自体は2011年に立ち寄っているが、香港島サイドはかなり久しぶり、
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2011-01-19 (中国からターボジェットで空港入りできず、香港立ち寄り)
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-24 (2005年 香港・マカオの旅)
見覚えのある「そごう」の裏手で気の利いた店を探した。
「傷心酸辣粉」の文字に引かれ、早めのランチであろうビジネスマンとともに複合ビルのエレベーターに乗る。
小さなエレベーターから吐き出されるとすでに店内に踏み込んだ状態になっていた。
促されるまま、テーブル席に着き、急かされるように注文をする。
http://www.sad-superhot.com.tw/ (傷心酸辣粉HP)
テーブルに置かれたドンブリは辛そうな色合いで、中には想像していた「麺」とは異なる麺が入っていた。
ハルサメというには太く、シラタキというには軟らかい、フシギな透き通った麺。(写真4)
一口頬張ると「サンラー」というよりも「タンタンメン」のような肉と辛みが一体になった味が広がった。
辛さは大したことがないのだが、ホワジャオ(花椒)が強烈で次第に口の中がシビれていくのがわかる。
味よりも刺激が強烈、「ヘンなクスリでも入ってるんじゃないの?」という感じが口の中を覆う、
次第にそれがクセになり、麺を食べる手が止まらなくなっていた、「カナシミのサンラーフン」というワケね。
麺を食べ進めていると、このシビレ薬汁の中に白いご飯をブチ込みたい衝動に駆られていた。
お金を払い、店を出て、通りを歩いてもしばらくは口の中はシビれたままだった。

シビれたまま、いつものように路地裏に入り込み、歩き続けていると、ジュースの出店があった。
お気に入りのスイカ・ジュースが目に留まったが、同じ値段という貧乏くさい理由でマンゴ・サゴに寝返る。
「サゴ」はタピオカの小さな粒、マンゴ・シェイクにそれが入った飲み物はシンガポールでもお馴染みだ。
(写真1)
ツブツブのサゴで口内を癒しても、口の中はまだシビれていた。
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香港はいっぱいおいしいものがありそうですね。
うらやましい。
by starwars2015 (2016-08-04 20:52)
>starwars2015さん
日本の中華より油っぽいので、口に合えばオススメですね~
現地の味と日本での味はやはり異なりますから・・・
by delfin (2016-08-06 01:07)