Fly to HKG @Hong Kong [Hong Kong]

-Day 1- 1月26日
1:10のフライトに合わせ、22時過ぎの赤い電車に乗り込んだ。
この時点では25日の夜、神奈川の南から都心を目指す日曜夜の上り電車はさすがにガラ空きだ。
羽田空港が早朝深夜の発着枠を広げることになり、
そこにLCCの「HK Express」が新就航を決めた。
そうなると「就航記念」のプロモーション・チケットが売り出されるわけで、
こちらはまんまとそのエサに飛びつく形に。
空港使用料を入れた21,000円チョットという金額で下記のフライトをゲット。
26,JAN.2015 UO623 HND 01:10/HKG 05:25
31,JAN.2015 UO622 HKG 19:10/HND 00:05+1
7月の時点で2015年の動き出しは「香港」と決まっていた。
深夜の羽田空港に到着すると、新就航だというのになんの飾りもバナーも謳い文句もない。
まあ元々就航していて、早朝枠を増便しただけなのでそんなものかな。
あるいはLCCの徹底した節約ぶりか、あるいは香港人の無頓着なのかはわからない。
オンライン・チェックインはできず、自動チェックイン・マシンも置かれていない。
いつものように預け荷物ナシのキャスター・バッグだけなので、
チェックインは手短に終わらせたいのだが、そうはいかないらしく、
チェックイン・カウンターの行列に並ばざるを得なかった。
(注;2016年7月現在オンライン・チェックインは可能に)

「手荷物も計らせていただけますか?」
カウンターの若い女性係員は杓子定規にそう告げてきた。
(手荷物の重さも計るのかよ?)
そう思いはしたが口に出さないでおき、
無言でラップトップPCの入ったキャスター・バッグをカウンター脇のベルト・コンベアの上に置いた。
替えのシャツ数枚にパンツが数枚、文庫本5冊だけが重さを占めているスカスカの手荷物、
メーターは計るのもバカらしいような一桁の数字を示していた。
「手荷物も計るんですか? 他のLCCとは違うんですね」
その数字を見ながら、やはり口に出さずにはいられず、少し皮肉交じりにそう呟いてみせた。
「はい。手荷物は7kgまでと決められているので」
カウンターの女性は能面のような表情のまま、正義の盾で防ぐかのようにそう答えた。
空港で受付をしてくれる職員は通常「グランド・ホステス」などと呼ばれ、
大手航空会社だと航空会社の地上担当職員が受け持つことが多いが、
他国の乗り入れ航空会社や小さな航空会社の場合、業務委託していることがほとんどだ。
その航空会社の制服を着て、カウンターで仕事をしているが、実態は契約社員、派遣、委託などが多く、
カウンター業務のプロではあるが、実情はその会社の内情はよくわかってないということが多々ある。
時折、大声張り上げ、正義の矛とともに苦情攻撃しているおっさんがいるが、
「委託業務」をこなしている相手に斬りかかっても成果は得られず、大概は徒労で終わる。
最近流行りのLCCの場合、人件費削減のため、「カウンター業務」、「搭乗手続き業務」を兼任し、
果ては「機内業務=キャビン・アテンダント」までこなさせる会社も多い。
そういうスタッフに当たったのなら、多少なりとも話しは通じやすいが、
増便間もない羽田では手が回らなかったのか、どうやらカウンター業務だけどこかに委託したのだろう、
そこでは異なった制服の人たちが働いていて、実際、搭乗業務には別の人が立っていた。
そうなるとこちらの皮肉も皮肉とも受け取ってもらえるはずもなく、虫の羽音が聞こえたかの如く、
彼女たちは表情一つ動かすこともなく、上からいわれたことを淡々とこなしているだけなのだ。
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経験してきた例でいうと預け荷物に追加料金のかかるLCCでも、
「キッチリカッチリスッキリいつも正しい制限重量」というやりかたは日本サイドだけのような気がしている。
アジアの他の国では極端に超えてない限り、いい意味でアバウトにスルーしてくれることがホトンド、
委託業務だからアバウトなのか、「委託」されているからこそ完ぺきに守るべきなのか、
リピーターにもなる利用者のことを考えたら推して知るべしなのだが。
あなたの向いている先は会社と取引先ではないの、という例がこの国では多過ぎないかえ~、おまえさん。
X-ray検査のガードマンも同様で、
「PCは出してください」とすでにPCを目の前の箱に入れている客にいう必要はないよね。
「今やろうと思ったのに~」と小学生さながら言い返したくなる気分だ、
あるいは地団太踏めばわかってもらえるかもしれない。
確かに空港に不慣れな客には説明が必要だが、その都度、応対すれば済むことではないのかなあ。
「ルールのためのルール」になっていて、頻度の高い利用者は辟易しているのが現状だ、
だが文句は口にしないほうが日本人の美徳が守られるのかもしれない。
お願いだから空港利用「初心者レーン」と「リピーター・レーン」と分けてくれないかなあ。
そうすれば混雑緩和にもなるので、いいアイデア、新マニュアルだと思うんだけど。
一億総コンビニ・マニュアル化、マニュアルには新マニュアルしかないだろうぜ。

残念ながら羽田空港には「Priority Pass」で使えるラウンジはないため、
コンビニでお茶を買い、夜食のおにぎりを頬張り、ロビーで無料Wi-Fiを繋いで時間をツブした。
日付が変わる頃、ようやく「自動化ゲート」を抜け、ボーディングへ進んだ。
そうそう、羽田空港は出国口によって「自動化ゲート」がない場所があるのでご注意を。
機材は真新しいA321、座席は3-3の配列で新品の合皮のシートが心地いい。
「狭い」とウワサされるLCCだが、この機材の場合、181cmの身長でヒザがピッタリ前の座席に当たる。
5時間のフライトならまあガマンの範疇、快適さと価格は引き換えだよね。
が、それよりもプロモーション・チケットなので座席指定ができず、
3席の真ん中に割り当てられたことがちょっとカナシイ、こういう点が安さとの引き換えでゴザンス。
深夜便、しかも機内娯楽のないLCCなので、エア・ピロー膨らまし、垂直のまま、ただただ爆睡することに。

現地時間5:40、定刻より15分遅れで香港国際空港に到着した。
香港の朝の動き出しは遅く、しかもこの時刻、街はまだ暗い。
そんな時間に市内に出ても困るだけなので、明るくなるまで空港で待機することを出発前から決めていた。
バゲージもないので入国せず、到着フロアに居残り、横になれるベンチを探した。
午前5時、ここは制限区域、まだ香港に着いたとはいえない。
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