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SUPERBOWL LVII [Sports]

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昨年からの「17試合制」も以前と変わりがなかったかのようなアタリマエ状態となり、
熱狂度はさらに高まり、リーグは増益を重ね、チームは潤いつつ、共栄共存の途を辿るNFL。

コロナは過ぎ去った風として「インターナショナル・シリーズ」を拡大、初のドイツ開催が織り込まれた。

Week 4:ミネソタ・ヴァイキングス  VS. ニューオリンズ・セインツ 60,639人
Week 5:ニューヨーク・ジャイアンツ VS. グリーンベイ・パッカーズ 61,024人
の2試合がロンドン・トッテナムのホーム『Tottenham Hotspur Stadium』にて。
Week 8:デンバー・ブロンコズ VS. ジャクソンビル・ジャガーズ 86,215人
を聖地『Wembley Stadium』で開催し、10月はロンドンで3試合を消化した。

Week 10:シアトル・シーホークス VS. タンパベイ・バッカニアーズ 69,811人
をバイエルン・ミュンヘンのホーム『Allianz Arena』で開催、この試合がドイツ初の公式戦だ。
Week 11:サンフランシスコ・49ERS VS. アリゾナ・カーディナルズ 78,427人
はメキシコシティにある『Estadio Azteca』に舞い戻った形で開催、こうして11月が過ぎていく。

シーズン最大5試合の開催となった【NFL International Series】、
チーム名の後に記した観客数が表す通り、EUでも通常のスポーツ・イベントとして認知されてきている。
週に一試合というNFLゲームのスケジュールの逆手を取った国際試合の設定は見事としかいいようがない。

こうなると単騎でメキシコシティやロンドンのインターナショナル・ゲームに取材に行ったのが懐かしい。
(当時は「インターナショナル・シリーズ」という名称はなかった)

https://delfin.blog.ss-blog.jp/2008-05-23 NFL初の国際公式戦@メキシコ 取材行
「Futbol Americano」103,467人
https://delfin.blog.ss-blog.jp/2008-04-07 NFL初のロンドンゲーム@イギリス 取材行
「NFL International Series」のはじまり。

年が明けるとお待ちかね「Win or Go Home」のポストシーズン、
「7チーム」で闘うトーナメント形式も3シーズン目に。(それまでは6チーム出場)
今シーズンの顔ぶれは以下の通り、写真のトーナメント表と照らし合わせてください。

AFC;
#1 カンザスシティ・チーフス    14勝3敗(AFCウェスト優勝)☆
#2 バッファロー・ビルズ      13勝3敗(AFCイースト優勝)※
#3 シンシナティ・ベンガルズ    12勝4敗(AFCノース優勝)※
#4 ジャクソンビル・ジャガーズ    9勝8敗(AFCサウス優勝)
                           -------------------
#5 ロサンジェルス・チャージャーズ 10勝7敗(ワイルドカード#1・ウェス1)
#6 ボルティモア・レイブンズ    10勝7敗(ワイルドカード#2・ノース)
#7 マイアミ・ドルフィンズ      9勝8敗(ワイルドカード#3・イースト)
         ※ビルズとベンガルズは、Week 17の試合が中止となったため1試合少ない。

NFC;
#1 フィラデルフィア・イーグルズ  14勝3敗(NFCイースト優勝)☆
#2 サンフランシスコ・49ers  13勝4敗(NFCウェスト優勝)
#3 ミネソタ・バイキングズ     13勝4敗(NFCノース優勝)
#4 タンパベイ・バッカニアーズ    8勝9敗(NFCサウス優勝)
                          -----------------
#5 ダラス・カウボーイズ      12勝5敗(ワイルドカード#1・イースト)
#6 ニューヨーク・ジャイアンツ    9勝7敗1分(ワイルドカード#2・イースト)
#7 シアトル・シーホークス      9勝8敗(ワイルドカード#3・ウェスト)

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今シーズン、一番の驚きはNFCイーストの躍進。
開幕から無敗を重ねるイーグルズがもっぱら注目を集めたが、
これを8連勝でストップしたのが同地区のライバル=コマンダーズというのがさらなる話題。
イーグルズの好成績に引っ張られるように同地区のカウボーイズ、ジャイアンツも好成績を上げ、
最終週を前にコマンダーズも含めた4チームすべてがプレイオフに進む可能性をみせるほどだった。
(結果、コマンダーズは8勝8敗1分で進出ならず)

チャンピオン=ラムズはケガ人続出でシーズン途中に6連敗を喫するなど早々にプレイオフ戦線から脱落、
結局、5勝12敗に沈み、チャンピオンの翌年としてのNFLワースト記録を更新して終えた。

その代わりといってはおかしいが躍進したのが同地区の49ers、
先発に若手QBトレイ・ランスを抜擢するも、Week2で足首のケガを負い、シーズン・アウト、
昨年までの先発ジミー・ガロポロはその穴を埋めるどころか、Week8から連勝を重ねていく。
快進撃のまま、突き抜けるかと思われたがWeek13の試合序盤、足首を骨折し、シーズン・アウトに。
呪われたように先発QBを失っていき、
あとを担ったのは2022年ドラフト最終順位(262位)で指名されたルーキー=ブロック・パーディ。
このシンデレラ・ボーイが快進撃を引継ぎ、チームはリーグ最長の10連勝でシーズンを終える。
さらにポスト・シーズンには予想外のシナリオが49ersを待ち受けているとは。

Week17には試合の序盤でビルズのSダマー・ハムリンがフィールド上で倒れ、心肺停止となるシーンが。
両チームともに再開できるムードになく、試合自体は中止に。
試合中の昏倒する衝撃シーンは繰り返しニュースで放映され、全米中を駆け巡った。
(彼は数日後に回復し、プレイオフ時期には元気な姿を見せてくれている)

様々なニュースを経て、1月15日から『スーパー・ワイルド・カード・ウィークエンド』のKICKOFF。

ここではノース優勝のバイキングズがジャイアンツに敗れたのが唯一のアップセット。
サウス優勝のバッカニアーズもカウボーイズに負けたが12勝が8勝を破ったので順当勝ちともいえる。
それよりも0-27から試合をひっくり返し、
2017年以来のプレイオフ進出を勝利で飾ったジャガーズがこの週末の話題をさらった。
そして破れたバッカニアーズの「G.O.A.T.」ブレイディが引退を発表している。

#2 SF  〇41-23● SEA #7
#4 JAC 〇31-30● LAC #5
#2 BUF 〇34-31● MIA #7
#3 MIN ●24-31〇 NYG #6
#3 CIN 〇24-17● BAL #6
#4 TB  ●14-31〇 DAL #5 試合終了順

22日からの『ディヴィジョナル・ラウンド』。

ここからシード1位のチームが登場、チーフスはミラクル・ジャガーズを、
イーグルズは同地区のライバル・ジャイアンツをともにホームで一蹴、チーム力の差を見せつけた。

初戦で軽くシーホークスを退けた49ersは「Mr. Irrelevant」の異名がついたQBパーディが安定。
一方、カウボーイズは前半にRBポラードが骨折、ラン攻撃のキーマンを失い、パス偏重に。
NFLプレイオフ最多となる9度目の対峙は予想外の接戦、結果、ホームの49ersが凱歌を上げた。

Week17の再戦となったベンガルズ@ビルズは大雪のバッファローでのリマッチ。
ビルズは治療中のハムリンのもとに勝利を届けたかったが、
昨年のスーパーボウルで苦汁を舐めたベンガルズがアウェイで底力を見せ、シード上位に圧勝してみせた。

#1 KC  〇27-20● JAC #4
#1 PHI 〇31-7 ● NYG #6
#2 BUF ●10-27〇 CIN #3
#2 SF  〇19-12● DAL #5

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30日の『カンファレンス・チャンピオンシップ』。

まずはNFC、シーズン中盤から12連勝と勢いづくシード2位49ersがフィラデルフィアに乗り込む。
イーグルズQBハーツと49ersQBパーディは大学時代にも対戦経験があり、
この対戦はチャンピオンシップ初の「25歳以下QB対決」という記録を生み出した。
彼ら次世代QBの前にシーズンの喪失ヤード成績1位の49ers、2位のイーグルズ、
リーグ・トップの鉄壁守備陣が立ちはだかるわけだ。

事前評価の高かった49ersに襲いかかったのはイーグルズ守備陣というより、悲劇そのものだった。
第1Q、開始8分弱でLBレディックのQBサックを受け、QBパーディが右ヒジ靭帯断裂の負傷、
4番手QBジョンソンにその座を譲る。
(QBサックのリーグ1位は49ersのDEボサの18,5回、2位がLBレディックの16回)

しかしこれだけで49ersの悲劇の幕は降ろされない。

後半開始2:24、QBジョンソンが脳震盪を起こし、出場不可に(NFLは脳震盪診断に厳しい)。
控えQBのいない49ersは靭帯断裂で投げられないパーディにプレイを委ねるしかなく、
パスできないQBで試合をコントロールできるはずもなく、シンデレラ・ボーイの連勝は「7」で潰えた。

イーグルズは初優勝を遂げた第52回大会以来、5年ぶり4度目のスーパーボウル出場をものにしている。

#1 PHI 〇31-7● SF #2

続いてAFCは昨年と同じ顔触れ、昨年のチャンピオンシップの借りを返したいチーフスのホームに
前回スーパーで敗れた雪辱を誓うベンガルズが乗り込む。

昨年のW17とAFCチャンピオンシップでベンガルズQBバローに二度の苦汁を舐めさせられ、
いずれもチーフスのホーム「アローヘッド・スタジアム」での敗戦だったことから
ファンやメディアは「バローヘッド」と揶揄、シード2位ながらベンガルズにアウェイのムードは薄い。

さらにチーフスは前試合のジャガーズ戦で足首を痛めたQBマホームズのコンディションが気になる。

リーグ1位の攻撃力を誇るチーフスに8位のベンガルズも食い下がり、互いに譲らぬ接戦に。
OT(オーバータイム)が見えてきた残り時間0:17、一つの反則で均衡が崩れた。
痛めた足首でスクランブルをかけたQBマホームズが20yゲインからサイドラインへ。
そこにDEオサイがフィールド外で不必要なファールを犯し、15yロス、一気にFGレンジへ進んだ。

残り8秒、45yのFGが決まり、ジ・エンド、チーフスが4年で3度目のスーパーボウルへ進んだ。

#1 KC 〇23-20● CIN #2

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第57回スーパーボウルの会場はアリゾナ州グレンデールの『ステートファーム・スタジアム』。
カージナルズのホームであり、「フィエスタ・ボウル」の開催地で開閉式屋根を持つドーム・スタジアムは
2018年までの旧称『ユニバーシティ・オブ・フェニックス・スタジアム』のほうがわかりやすいかも。

屋根はアリゾナの直射日光から芝を守るためのもので、
同じ理由からMLBダイヤモンドバックスの『チェイス・フィールド』も開閉式屋根を導入していたが、
こちらは天然芝育成がうまくいかず、2019年に人工芝に張り替えている。
(カージナルズのスタジアムはスライド式にフィールドだけ外に出せるタイプ)
ちなみにフェニックス近郊でスーパーボウルが開催されるのは第49回大会以来。

対戦前の一番の話題はケルシー兄弟による初のプレーヤー「兄弟対決」。

兄ジェイソンは2011年、当時イーグルズのHCだったアンディ・リードが6巡(全体191位)指名。
弟トラビスは大学時代、素行で問題があったがなんとか選手に復帰させたのが兄ジェイソン。
その弟を2013年、イーグルズを離れ、チーフスHCに就任したリードが3巡(全体63位)で指名する。奇しくもHCリードが兄弟をプロへの道に導き、その兄弟がスーパーボウルで対峙することになった。

フィールド外では彼らを育てた母・ドナさんがメディアの注目を集めていた。

兄を敬愛するチーフスTEケルシーの背番号は兄の生まれ年の「87」、
「ケルシー家のすべての歴史はここからはじまっている」と彼は語る。
兄ジェイソンはQBにボールを供給するセンター(C)、幸いに兄弟がぶつかり合うことはない。

ヘッドコーチの兄弟対決は第47回スーパーボウル、
レイブンズHCの兄ジョン・ハーボー対49ersHCの弟ジム・ハーボーで実現し、兄ジョンが勝利した。
https://delfin.blog.ss-blog.jp/2013-02-06 SUPERBOWL XLVII

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2017年以来、久々のシード1位同士の対戦となったが、
ホーム扱いのNFCイーグルズは前回優勝時の縁起を担いだか、緑のカラー・ジャージを選択。
しかし過去18回の対戦成績はホワイト・ジャージーが15勝3敗と圧倒的な戦績を残している。
(カラー・ジャージは第45回大会のパッカーズ、第52回イーグルズ、第54回チーフスのみが勝利)

スーパーボウルを前にQBマホームズがリーグMVPを受賞、
こちらも過去23年、「リーグMVP受賞選手はスーパーボウルに勝っていない」というジンクスが。
またレギュラーシーズンのパッシング・リーダーQBはスーパーに勝てない、というのもよく知られている。

「ブラック・ライブズ・マター」運動が浸透し、あまり声高にはメディアに取り上げられていないが、
スーパーボウルでは初の「黒人QB対決」となった。

とまあ、対戦前はデータ遊びやジンクスが並ぶのがNFLならではだが、
昨季、ラムズがホームでチャンピオンになる、という最大のジンクスを打ち破ったため、
これらのデータやジンクスもお遊びに過ぎないが、ファンはこういう対戦前の数字遊びが楽しい。

イーグルズ守備陣はパス・ディフェンスがリーグ1位、QBサック数は史上3位となる70を記録、
同一シーズンでQBサック10回以上の選手を4人排出するという史上初のチームとなっている。
チ―フス攻撃陣は獲得ヤード、総得点がリーグ1位でトータル・オフェンスもリーグ1位、
MVPマホームズが牽引するハイパー・オフェンスは2年前のスーパー出場時より凄みを増している。
鉄壁守備陣対超攻撃的なチームの対決となったが、
一戦必勝のスーパーボウルの場合、守備が強いチームに軍配が上がりがちだが、果たして。

試合前のセレモニー、まずは女優で歌手のシェリル・リー・ラルフが『Lift Every Voice and Sing』を。
続いてベイビーフェイスが『アメリカ・ザ・ビューティフル』、
そしてカントリー・シンガーのクリス・ステイプルトンによる『ナショナル・アンセム(国歌斉唱)』。


https://www.youtube.com/watch?v=WFKXJ091Ed4
Chris Stapleton Sings the National Anthem at Super Bowl LVII

アメリカ海軍の女性パイロット誕生50周年を記念し、
スーパーボウル史上初めて、「フライオーバー」の4機すべて女性パイロットというイキな計らい。
https://youtu.be/6BxVmSqZiEg

コイントスはビジターのチーフス(KC)がコールを当て、後半のレシーブをチョイス、
まずはイーグルズ(PHI)のレシーブ=攻撃からはじまることに。

オープニング・ドライブ、PHIはミドルパスを重ね、ゴール前に迫ると、
持ち前の強力OLを頼りにラン・アタックを重ね、最後はQBハーツの1yランで先制TD、7-0。
11プレイで75y進めた攻撃は圧巻、守備だけでないことを示してみせた。

KCのオープニング・ドライブ、こちらはバスにランにロング・ゲインを繰り出し、
最後はTEケルシーに18yのTDパス、事もなげに6プレイで75yを進み同点に、7-7。

続くシリーズ、PHIはパントに終わったが、KCは42yFGがバーに当たり、リードを奪えない。

このミスで少しモメンタムがPHIに傾いたか、
第2Q、最初のプレイ、意表を突く形でWRブラウンに45yのTDパスが通る、14-7。
赤が多いスタンドからPHIのチャント「Fly, Eagles Fly」が響き、緑のジャージが存在感をアピールする。

続くKCの攻撃は3&OUT、このままPHIペースになりそうな気配だったが、
3ダウンでQBハーツがファンブル、LBボルトンがボールを拾い上げ、36yを駆け抜けた、14-14。

ところがPHIは気落ちすることなく、12プレイで75y進めると、
最後はQBハーツが4yのTDラン、21-14。

KCは8プレイでパントに終わると、残り4秒でPHIに35yのFGを決められ、24-14。。
KCが2シリーズ差を奪われ、前半を終えるとは誰が予想しただろうか。

『ハーフタイム・ショウ』、今年はリアーナがステージを務める。
蛇足だが、リアーナ自身は「キャパニック問題」で揺れるさ中、
2019年の第53回スーパーボウルのハーフタイムショウ出演を断っている。


https://www.youtube.com/watch?v=HjBo--1n8lI
Apple Music Super Bowl LVII Halftime Show

7年ぶりのステージ復帰の彼女、軽くお腹を撫でて歌いはじめる。(ステージ終了後に第2子懐妊を発表)
屋根付きスタジアムの利点を生かしたフローティング・ステージと赤い衣装が注目を集めた。
また後日団として「口パク疑惑」が取り沙汰されたが、
それ以上にゲストを加えない単独ステージが圧巻、賑やかしのゲストいらないのだよね。

後半のキックオフ、タッチバックからラン・アタックを軸にじっくりと12プレイで75yを進み、
最後はRBパチェコが1yのTDランで駆け抜け、24-21。

PHIは最初のプレイでWRサンダースがファンブル、再びLBボルトンがボールを拾い、24yを駆け抜け、
ファンブル・リカバーTDで逆転、と思わせたが、オフィシャル・レビューにより「パス不成功」に。

息を吹き返したPHIは苦労しながらドライブを重ねる。
強靭なOLを生かした得意のQBスニークによるギャンブル成功などを経て、
スーパーボウルタイ記録の17プレイを続け、60yを進み、33yのFGに結びつけた、27-21。

第4Q、チーフスは浅いダウンで小気味よくパスを続け、9プレイで75yをゲインし、
WRトニーに5yのTDパスを決めた、28-27。

KCPHI.jpg

PHIはこのポストシーズン、初のリードを奪われる形になると次のシリーズは3&OUTに。
さらにWRトニーにスーパーボウル記録の65yのPRを決められ、一瞬でゴール前5yのピンチに陥った。

ゴール前のKC、ハドルでぐるぐる回転する「SNOW GLOBE」の縮小版を見せるなどリラックスして挑み、
3プレイ目にWRムーアに4yのパス、こともなげにTDを決めた、35-27。

スーパーボウル経験者の多いKCは自分たちをナニをすべきか、わかっている感じだ。
一方のPHIはTDは奪えているが確実にゲインできるプレイが見つかっていない。
強靭なOLのQBスニークは鉄板の強さだが窮地に役立つプレイ、ゲインするキー・プレイとは言い難い。
それでも残り9:22、ゲームの行方はまだわからない。

PHIは短めのパスを繋ぎ、守備が上がってきたところに45yのパスが通り、8プレイで75yゲイン、
最後はゴール前2yからQBハーツが駆け込んでTD、2ポイント・コンバージョンも決め、35-35。
PHIの堅牢なOLとDLは眠りに就いているわけではない。

残り5:15、ボールを持つKCはカンタンにTDを上げると相手に時間を残してしまうため、
じっくりと攻め切り、最後はFGで充分という展開。
PHI時代から「タイム・マネージメントが下手」と評されるHCリードの本領が問われる。

ランを織り交ぜ、QBマホームズのパスがテンポよく決まっていく。
それに焦ったか、残り1:54、3rd&3、ゴール前15yの状況で守備がホールディングの反則。
これで1stダウンとなり、PHIは後がない状態に。

残り1:48、KCは時計を消費するべく、ランを選択。
一方のPHIは守備を緩め、TDを取らせ、最後の時に賭ける布陣に。
しかしボールを持ったRBマキノンはゴールライン直前でスライディング、時計を止めない。
PHIはやむなく最後のタイムアウトを消費するが、すでに雌雄は決していた。

2度のニー・ダウンで時計を流し、Kバトカーの27yFGが決まり、38-35、熱戦の幕は閉じた。
ゴール前で相手チームがファールを犯し、決勝FGに繋がったのは
奇しくもチャンピオンシップと同じようなエンディング・シナリオだった。

カンザスシティ・チーフス 〇38-35● フィラデルフィア・イーグルズ


https://www.youtube.com/watch?v=BWkt79xkd00
2023 Super Bowl Game Highlights

KCはTD、TD、TD、FGと後半4回、完璧なポゼッションを展開、
最後のFGはゲームの勝利と3回目の栄冠を手中に収めるものだ。
ここでも繰り返し書いているが「前半と後半は違うゲーム」というのがフットボールの定説、
HCリードは見事に説を立証、「ポストシーズンに弱い」というレッテルはもう忘れ去られるだろう。

また強固なイーグルズ守備がモーション変更の対応力に不備があることを見抜いていたという。
コーチ陣のスカウティング力も見事としかいいようがない。

QBハーツはタッチダウン・ラン3回を決め、QBとしてはスーパーボウル記録を刻んだ。
しかし売り物だった強靭で恐怖のPHIのパス・ラッシュは今シーズン2度目のQBサック0で終わっている。


https://www.youtube.com/watch?v=FD3nNykelUo
Super Bowl LVII Trophy Presentation for Kansascity Chiefs

この数字はKCOL陣が足首に不安を抱えるQBマホームズを見事に守り通した証。
またOLがルーキーRBパチェコの76yを筆頭に158yを稼いだラン・アタックを支えた。
一方のPHIはQBハーツが70yを走ったがトータルで115y、
シーズン1,269y走ったエースRBサンダースはチーム3番目の16yに終わっている。

前半はリズムがつかめず苦しんだQBマホームズ、後半はパス14回で13回成功、2TDを記録。
1回の失敗は意識的にエンドゾーンに投げ込んだもの、というパーフェクトな出来栄え。
シーズンMVPのスーパー勝利は第34回のカート・ワーナー(セントルイス・ラムズ=当時)以来だ。
(タイタンズが数ヤード届かなかったあの試合デス)

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大きな祭りが終わり、フットボール・クレイジーには冬眠の時期というところですが、
今年は新リーグ「XFL」がスーパーボウルが終わった週末の2月18日にKICKOFFする。
https://www.xfl.com/ XFL

WWFとNBCが出資し、2001年に設立、2020年に復活するもコロナ禍で打ち切りに。
その後、ザ・ロック=ドウェイン・ジョンソンらの出資グループが買収し、今年復活を遂げることに。
ディズニーとESPNが5シーズンの放映権契約を結んでいるところからリーグ維持が見込めそうだ。

リーグは2地区、8チームで10試合を行い、各ディビジョン上位2チームでプレイオフを行う。

ノース・ディビジョン;
DC・ディフェンダーズ
シアトル・シードラゴンズ
セントルイス・バトルホークス
ベガス・バイパーズ

サウス・ディビジョン;
アーリントン・レネゲイズ
ヒューストン・ラフネックス
オーランド・ガーディアンズ
サンアントニオ・ブラーマス

NFLのスタジアムを併用しないところが特徴的、新たなファン獲得へのアイデアだろう。

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さらに4月15日にはUSFL(United States Football League)がKICKOFF、2年目のシーズンを迎える。
https://www.theusfl.com/ USFL

かつてNFLの強豪リーグとして1983~85年の春夏にプレイ、4年目で解散、
スティーブ・ヤング、ジム・ケリー、ダグ・フルーティ、レジー・ホワイト、ハーシェル・ウォーカーらを
輩出したリーグが2022年、当時のチーム名を引き継いで復活している。

こちらも2地区、8チームで10試合、各ディビジョン上位2チームでプレイオフを行い、
FOXスポーツが放映権を担う。

ノース・ディビジョン;
バーミンガム・スタリオンズ
ヒューストン・ギャンブラーズ
メンフィス・ショーボーツ(2022年はタンパベイ・バンディッツ)
ニューオーリンズ・ブレイカーズ

サウス・ディビジョン;
ミシガン・パンサーズ
ニュージャージー・ジェネラルズ
フィラデルフィア・スターズ
ピッツバーグ・モーラーズ

2022年はコロナ禍のため、バーミンガムの2つのスタジアムだけでプレイする「バブル・シーズン」に。
2023年はバーミンガム、メンフィス、キャントン、デトロイトの4個所にチームを集め、開催予定だ。

もはやアメリカではフットボール一人勝ち状態が止まらないようだ。

Are you ready for some Football???



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