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SUPERBOWL LIII [Sports]

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正月ムードもすっかり消え去り、ひたすら乾燥しまくりの冬ですが、いかがお過ごしでしょうか。

1月頭に発作的に釜山に飛んで以降、ブログ更新を怠っております、すみません。
って今回に限らず、旅の綴りはいまだ2016年6月の「シンガ&KL」で滞ったまま,
ただただ「おんたいむ~」の旅の報告を重ねるばかりです。

その釜山から戻り、原稿の〆切と「NFL Playoff Games」から離れられず、画面を睨み続ける毎日、
メインのデスクトップPCを買い替えもあり、合間のデータ移行でこれまた画面見つめ続けの連続。
それでもまあ、昨今はブラウザもメーラーもクラウドでシンクロできるので、
買い替えによるデータ移行もかなりラクですけどね。

9月頭のKICKOFFから約16週間=4か月のレギュラー・シーズンを戦う32のチーム、
年末には4つの地区で優勝したチームと勝率上位のワイルドカード2チームに絞られ、
AFC6チーム、NFC6チームの12チームのみが1月からポスト・シーズンへ進む権利を与えられる。

プレイオフに進めなければ、この12月でシーズン・エンド、
とはいえ勝ち上がった12チームも負ければその瞬間にシーズンが終わる過酷な試練が待ち受ける。
選ばれた12のチームは一戦必勝のプレイオフ・トーナメントを戦い抜き、
生き残った2チームが対峙するのがSUPERBOWLというわけ。
昨今、アメフト(この略し方はスキじゃない)というと日大に引っ張られちゃいますけど、これが本筋。

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さてそのPLAYOFF Games、「WILD CARD ROUND」は4試合のうち3試合でホームチーム敗戦の波乱、
「DIVISIONAL ROUND」は休養たっぷりのシード1、2位がホームで挑戦者をあっさり退けた。
このブログでも繰り返し記しておりますがNFLで「もっともおもしろい試合」と言われているのが、
「CONFERENCE CHAMPIONSHIPS」=スーパーボウル出場チームを決めるカンファレンス決勝です。

「ホームが圧倒的有利」ということを裏付けるように2013年以降、
シード1位がスーパーボウルを逃したのは2016年のダラスだけ。
レギュラー・シーズンで好成績を上げたチームが強いのはモチロンのこと、
その強いチームがホームで戦えるまさに「ホームフィールド・アドバンテージ」がこのデータに現れてます。

勝ち残るのはニューオリンズ(NO)とカンザスシティ(KC)か、というのが妥当なライン、
しかもスーパーボウルはできたばかりのアトランタのドームで行われるので、
ドームチームのNOがそのまま勝ち切るのかな、というのが大方の予想、というか自分の見解。
KCは個人的に好きなチームだが、アンディ・リードじゃスーパーは勝てまいな、という裏付けもあり。

とまあ、好き勝手な予想をしつつ、生中継の画面に食いついて見入る。

結果はAFC、NFCともにオーバータイム(OT)に突入し、アウェイのシード2位が勝ち切った。
そんな幕切れあるかねええ、書こうと思っても書けないシナリオ、フットボールはこれだからやめられない。
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第53回SUPERBOWLはジョージア州アトランタ『Mercedes-Benz Stadium』が会場、
ファルコンズのかつてのホーム「ジョージア・ドーム」に隣接して造られ、2017年にこけら落とし、
「Mercedes-Benz USA」が冠スポンサーとなっている開閉式のドーム球場。
キャパシティは71,000席、スーパーボウルの際には75,000まで拡張される。
動画のとおり、かなり異質のドーム・スタジアム、昔、家にこういう蒸し器あったよな、金物の。



アメリカの好景気に押されてか、このところNFLは新スタジアムの建設ラッシュ、
昨年のSB会場となったミネアポリスの「U.S. Bank Stadium」は2016年、それにアトランタが続き、
2020年には移転したラムズとチャージャーズが共用するスタジアムがLAで、
ラスベガス移転するレイダーズのホーム・スタジアムが「ザ・ストリップ」のすぐそばで産声を上げる。

「世界でもっとも成功しているプロ・リーグ」というだけあり、新しいスタジアムが続々登場。
なにせスタジアムが古くなれば、チャージャーズやレイダーズのように逃げ出すチームが現れ、
街自体がNFLフランチャイズを失ってしまうこともある。
公共物であるスタジアムは部分的に税金も投入される、そのため、住民投票で否決されると、
チームには他の町から移転の誘いが沸いてくるのだ。

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試合前の話題は少しばかり盛り下がり傾向、ここ5年で4度出場のペイトリオッツ(NE)に興ざめの感が。
「パリティ」を基調とするNFLの理念にそぐわなくもあり、
この晴れ舞台で彼らを見続けるのはかつて4年連続出場したビルズを思わせ、食傷気味でもあり。
彼らのフットボールは素晴らしく、1勝2敗という低調から頂点まで這い上がったチームに罪はない、
なにせ8年連続チャンピオンシップ出場という驚異の成績を刻んでいるのだから。

一方のラムズ(LAR)はセントルイスに別れを告げ、かつての地に舞い戻り、わずか3年で大舞台へ。
チームを変貌させたのはHCショーン・マクベイ、30歳(!)でヘッドコーチ(HC)職に就き、
NFL史上最年少HCという話題をさらうばかりか、
前年4勝のチームを1年目で11勝まで引っ張り上げ、プレイオフにまで駒を進めてみせた。
そして今年はSB進出、もちろんこれはSB出場のHC最年少記録。

彼の指揮に応えたのが、3年目のQB#16J・ゴフ、4年目RB#30T・ガーリーのコンビ、
守備では今季のサック・リーダー、2年連続最優秀守備選手のDT#99A・ドナルドが5年目と
若いチームが老獪な「王朝」相手にどれだけ暴れまわれるかに注目が集まる。

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#2 New England PATRIOTS(NE)vs. #2 Los Angeles Rams(LAR)

驚きは入場してきたラムズへのブーイング、
通常、強いチーム、有名選手に浴びせられるはずのブーイングが若いラムズの面々に注がれた。
おそらく原因はチャンピオンシップでとられるはずだった反則が取られなかったこと。
このファウルがなかったことでOTへ突入し、セインツは敗れ去った。
リーグの判定、措置に対するブーイングを若いラムズが背負わされる形に。

ナショナル・アンセム(国歌斉唱)はグラディス・ナイト、グラミー賞7回を誇る「ソウルの女帝」とのこと、
アトランタという土地柄にちなんだ選出だろうがちょっと馴染みがね、などと思っていたら、
演奏と噛み合わず、音ズレ、ムムムという感じの国歌斉唱で幕開け。



コイントスに勝ったラムズが後半のボールをチョイスし、まずはパッツのシリーズではじまる。

当然のようにパスで来ると思いきや、4連続でラン・アタック、
相手のウラをかくのがフットボール、1stシリーズのシナリオを組んでくるパッツのいやらしさよ。
5つ目のプレイで初めてのパスを試みるとこれがまさかのインターセプト、
ボールを奪ったラムズがイキオイに乗るには十分なプレイだったが、ここは3&OUTであっさりパントに。

相手にミスに乗じることができないと今度はピンチが押し寄せる。
パッツにテンポよくボールを進められ、あっさりレッドゾーン(20yライン)手前へ。
なんとベテランKゴストウスキが46yのFGをミス、実はこのFGミスがこのゲームを象徴していたのかも。

結局、パッツが11:47ボールを支配したが、どちらもキー・プレイを見い出せず、1Q終了、0-0。

その後、パッツが42yFGを決め、まずは3-0と先制。
圧倒的な攻撃力を誇るラムズは逆襲に転じたいが、3rdダウン・コンバージョンをクリアできない、
対するパッツも今一つリズムに乗れないまま、前半終了、なんと3-0という驚きのロー・スコア・ゲーム。

お楽しみのハーフタイム・ショウは「Maroon 5」にトラヴィス・スコットとビッグボーイがジョイント。
マルーン5はキライじゃないがライヴ向けじゃないよね、ステージングが噛み合わず、イマイチ感満載。



後半に入っても膠着状態が続く。

互いに2シリーズ、ボールを進められず、ディフェンスの奮闘というよりかは攻撃のキーが見いだせない状態。
特にラムズは肝心なところで反則を犯す、これがSBという大舞台が生み出す緊張の産物か。
3Q終了に近い12:49、ラムズのKズーレーンが53yのFGを決め、3-3の同点に。

このまま後半折り返し、3Qまでタッチダウン(TD)なしという史上初の珍記録が生まれた。

辛抱し続け点を与えないディフェンス、その守備陣に応えようともがくオフェンス、
攻撃している時間が長ければその間に守備は休むことができ、休んだ守備は相手の攻撃を容易く止められる、
というのがフットボールの裏表、守備が攻撃の背中を押すのか、攻撃が守備を勢いづけるのか、ガマンが続く。

4Q早々、ラムズが初めて12プレイを重ねるがボールは進まず、パントに。
すると18、13、7、29yとパッツのパスが通りはじめる。
最後はRBミシェルが2y、エンドゾーンに走り込み、このゲーム初のTDをあげた、10-3。

ここまでラムズ攻撃陣で一人気を吐いていたのがWRクックス、彼へのパスがキープレイになるかという矢先、
彼の目前でCBギルモアがインターセプト、残り時間4:17でラムズが致命的なミスを犯した。
あるいはパッツ・セカンダリーが彼を泳がせていたのかもしれない。

ガマンし続けていたラムズ守備陣に疲労の色、先ほどの点差でボールを持っていれば希望の兆しも見えるが、
ここでのボール・ロストは失望感に繋がり、一気に疲労が襲い掛かる。
スルズルとボールを進められ、41yのFGへ、13-3、パッツが2シリーズの差を奪った。

この時点で時計は1:12残っている、1TD返せば疲労困憊の守備陣も蘇りを見せるだろう。
しかしボールは進まず、48yのFGでオンサイド・キックに希望を繋ぐ。
この時点ではTD+FGでもFG+TDでも同点にする手順は変わらない。
しかしKズーレーンのキックは左に外れ、すべての計算は水泡に帰した。

13-3、ペイトリオッツが昨年の雪辱を果たし、ここ5年で3度目、通算6度目の栄冠を手中に収めた。

ニューイングランド・ペイトリオッツ 〇13-3●ロサンゼルス・ラムズ

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彼らはこれでスティーラーズと並び、最多タイの優勝回数、カウボーイズ、49ERSの5回がそれに続く。
出場回数は11回、次点がスティーラーズ、カウボーイズ、ブロンコスの8回なのでその強さがわかる。

リーグを見渡すとライオンズ(1930年創設)、ブラウンズ(1999年再建)、
ジャガーズ(1993年創設)、テキサンズ(2002年創設)はSB未出場だ。

常勝チームの優勝ということ以前に「3QまでTDナシ」「全TD1つ」で、
「スーパーボウル最少得点」という記録を生み出してしまい、大きく盛り上がりに欠けた試合となった。
ラムズは今季リーグ2位の平均32・9点、パッツは4位の27・3点という攻撃力を誇ったが、
フタを開けてみると合計得点は16、SB史上最少得点記録となった。

ラムズは1972年のドルフィンズ以来、2チーム目となる「TDなし」を記録、
またスーパーボウルで「TDパスがない」というのは史上初めてのことだ。

さらにイケてないハーフタイム・ショウでチャンネルを変えてしまった人が多かったらしく、
視聴率は後半からガタ落ち、やはりハデなお祭り騒ぎのスポーツ・イベントだけに、
「タッチダウンがないなんて」ということになったたのだろう。
なにせこの日は「全米でもっともピザが売れる日」なのだ。
「フットボールを観ない人でもスーパーボウルは観る」というぐらいの年に1度のお祭り騒ぎ、
当然、ハデなタッチダウン・シーンが観たいに決まっている。

ボストンはこれでMLBとNFLでダブルのチャンピオン、「BOSTON Strong」が大きな実りを得た。

そのお祭り、来年はフロリダ州マイアミ、「Hard Rock Stadium」で行われる。
かつて「ジョー・ロビー・スタジアム」と呼ばれていたドルフィンズのホームが舞台となる。

第54回SUPEBOWLを目指すKICKOFFは9月初頭、いつものようにそれまでNFLファンは長いお休みに。

AAF.jpg

と言いたいところですが、
今年はSUPEBOWLの翌週から対抗リーグ「Alliance of American Football」がスタートする。
https://aaf.com/

「NFLと競合しない」「CBSが後ろ盾」などこれまでにも現れては消えた対抗リーグの反省を生かしスタート、
「KICKOFFを省略」「TVCMタイムアウトなし」などファンの興味を削ぐ部分を排除、
8チームで行われるリーグとなるがNFLフランチャイズを極力避けるなど工夫も凝らしている。

かつて1983-85年にあった「United States Football League (USFL)」、
2009-12年にあった「United Football League(UFL)」 なんてのもありました。
いずれもNFLに対抗しようとして数年で消滅したのが実情。

2001年にWWFとNBCが創設した「XFL」は体勢を立て直し、近々再始動を目論んでいる。
AAF同様、NFLと競合しない道を模索しているようだ。

蛇足ですが、1946年誕生の「All-America Football Conference」は3年後にNFLに合流、
そのメンバーがブラウンズ、49ERS、コルツの面々。
1960年に最大のライバル「American Football League(AFL)が誕生、
このままでは両リーグ共倒れになると合併し、現在のNFLの形となる。
AFLからの合併メンバーがペイトリオッツ、ビルズ、ドルフィンズ、タイタンズ=ジェッツ、ベンガルズ、
オイラーズ(現タイタンズ)、テキサンズ=チーフス、ブロンコス、チャージャーズ、レイダーズで
現AFCに名を残している。

1970年の合流前の優勝決定戦は「AFL-NFL World Championship Game」と呼ばれ、
「SUPERBOWL」という名称が用いられたのは第3回、
その時、初めてAFL代表のジェッツが勝利し、全米を熱狂させた。

その「SUPERBOWL」の名付け親がAFLの創設者ラマー・ハントであることは有名なオハナシ。
あ、そうそう、ヘルメットに最初にロゴを入れたのはラムズであることも記しておきますね。

ネタに尽きないフットボール話ですが、こうしてシーズンは暮れていくわけで。

Are you ready for some Football???



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