Bemo Corner @Kuta [Indonesia (Bali)]

昨夜の機内食からナニも食べていない、水とウェルカムドリンクのフルーツ・ジュースを口にしただけだ。
空きっ腹と文無しの懐を抱え、クタ方面を目指し、ブラブラと歩いた。
途中でレートがいいことで評判の銀行「クタ・セントラル」で1万円を両替、(写真3)
手元には128万Rpと端数がやってきて、ようやく空腹から逃れられる免罪符を手に入れた。
ちなみにバリの両替店はヤバイ店が多いことでも有名だ。
ルピアの桁数が多いことをいいことに客を欺く両替店が跋扈している。
「確かめる」といって声に出して数えながら、紙幣を手前に落とし込んだり、
高いレートを示しながら、破格の両替手数料を取ったり、とダマす手口は様々。
ヤパイ両替店のポイントは「異様にいいレートを提示」「領収書を出さない」などなど。
「両替手数料込みの金額を確かめること」「目の前で数えたものでもその場で数え直す」などが自衛策、
あとはアブナイ両替店の評判はネットに乗っているので、そんな店は避ければいい。

クタを東西に貫く「Jalan Raya Kuta(ラヤ・クタ)」の通りを進む。
土産物やブティックが連なり、いかにも「観光地」といった通りで、
気の利いたレストランとレンタル・バイクを探して歩くがピンとくるものに当たらない。
しばらく歩くと「Jalan Legian(レギャン通り)」との目印的交差点「ベモ・コーナー」にたどり着いた。
ああっと説明が抜けてましたが、インドネシア語で「Jalan」は通りのこと、
これを二つ重ねると「じゃらん・じゃらん」となり、「ブラブラする」という意に。
以前、ブログ内で書きましたが、国内旅行雑誌「じゃらん」の命名はここから。
ということで書いている人はクタの通りを「じゃらんじゃらん」しているわけで。

角には小さな交差点の名前もそのまま『Bemo Corner Coffee Shop』というカフェがあり、
店先のテラス席ではヨーロピアンがエスプレッソのデミタス・カップを傾けている。
ちなみに小さな「デミタス」は「デミタス・カップ」とも言いますが、
「マグカップ」という英語はありません、あれは「マグ」=MUG。
「マグカップ」と言っちゃうと「チゲ鍋」(わかりますよね?(笑)状態、おっと脱線が多いな。
昨夜からコーヒー切れ、中毒患者として震える手をおさえながら、目が合ったイタリア人に声をかけた。
「コーヒーのクオリティはどう?」
「いいよ、オススメのカフェだよ。実は毎日通ってる」
「ありがと」
実はエアコンが効いているであろう店内が目に留まっていて、彼の返答を聞く前から判断は下っていた。

「一人だけどいい?」
「どうぞ。オーダーを先に伺います」レジのスタッフから流暢な英語が返ってきた。
「『ナシ・ゴレン』を」
「うち、ライスのメニューがないんです。『ミー・ゴレン』ならありますけど」
「う~ん、じゃあそれで」
機内食がミー(麺)だったのでナシ(ご飯)が食べたかったんだけど、「なし」じゃシャレにもならない。
ランチにコーヒー、と思っていたのだが、メニューに『スイカジュース』を発見し、嬉しい動揺。

「『スイカジュース』って自家製?」
「はい、オーダーしてから作ります」
そう聞いてコーヒーの喉はスイカの喉に切り替わった、『ミー・ゴレン』+『スイカジュース』=6万Rp。
エアコン付きのランチなのでちょっとお高め、(13,000Rp≒100円)
なにせワルン(屋台)なら1,5万Rpでお釣りがくるからね。
ホテルから両替店を経由して20分も歩いていないのだが、すでに汗まみれ、さすが赤道直下。
うれしいことにテーブルでは冷たいオシボリが差し出された、日本の喫茶店みたいだぞ。

「すごいね、オシボリ・サービス」
「喜んでもらえてうれしいです」
ようやく地元のものを口に入れ、バリ島に来たのだなあ、という実感が沸いた。
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エアコンが効いたカフェでコーヒー傾け、文庫本とともに午後のひと時を過ごす誘惑に駆られる。
こんな風にいたるところで旅先の「ナマケモノ」が顔を出すのだが、なんとかそれを振り払い、
己に鞭を入れ、レギャンの通りを北に向かう形で歩いた。

「観光通り」の色合いはさらに濃くなり、オプショナルツアーや空港送迎のカンバン
土産物屋にアクセサリーショップ、安宿、安ドミトリー、アヤシイ両替店とニギヤカしさが勢いを増す。
おそらく観光客から習ったであろうイカれた日本語で声をかけてくる客引きをあしらいながら、
レンタル・バイクの値段を尋ねて歩いた、ところがその言い値がどの店も高い。
返ってくる答えは「15万」「20万」、しかもそこから先のステップがない。
通常、悩む素振りをみせると、X日間なら安いとか、いくらなら払うとか、商売っ気を出すのだが、
クタでもレギャンでもその感じがなく、その先の展開がないのだ。
当初の目論見ではクタで借り出したバイクでそのままホテルまで乗って帰るつもりでいたのだが、
「クタ価格」にあっさり頓挫、こりゃあ帰りも歩きだな、と泣きながらクタのビーチへ向かった。

ほお、これがクタ・ビーチ、遠浅なのね、おお、あちらさんが「ビーチボーイ」かあ、とオノボリさん全開。
まだ暑い時間帯のせいか、子供を連れた家族旅行組が波打ち際で楽しそうにしているだけで、
ビーチに活気があるわけでもなく、肩をすくめるしかない。
もう少しオノボリさんよろしく「バリのビーチ」というやつをブラついてみますか。

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