SUPERBOWL LI [Sports]

意外にも2試合とも「凡戦」に終わったConference Championship Games。
月曜朝から気合を入れて生中継に備えていたんですが、けっこう拍子抜け。
「シーズンでもっとも質の高い試合」と書いたことをハゲシく反省、両試合ともにおもいっきり肩透かし。
こうなると「スーパーボウルは凡戦が多い」と記したことにも肩透かし食らわせてくれい、と願うばかり。
そのスーパーボウル、ここ3年は各カンファレンスのシード1位同士の顔合わせが続いておりましたが、
それも崩れ、楽しみな対戦に。
とはいえ、ペイトリオッツは8年連続プレイオフ出場、5年連続チャンピオンシップ進出、
ここ10シーズンで3度のスーパーボウル出場、そして一昨年のスーパーボール・ウィナーと、
NFLの歴史で肩を並べるチームがいないぐらいの強さを現在進行形で誇っていて、
「彼らにどう立ち向かうか?」ということばかりが対戦前のもっぱらの話題。
今シーズン、リーグ1位の平均得点(33,8点)を誇るファルコンズとしては
戦う前から尻尾を巻くわけにはいかない。
OLがシーズン通して先発出場を果たしたこと、ホーム同様にドーム球場で戦えること、などなど、
多少のプラス点は見出せるかな、プラスか、それ。
一方の「ダイナスティ」ペイトリオッツは意外にもリーグ1位の平均失点(15,6点)の守備がウリ。
ちなみにリーグ1位の平均得点の攻撃とリーグ1位の平均失点の守備との対決はスーパーボウル史上、6度目。
これまでは守備1位が4勝1敗、う~んこれまたファルコンズに暗いデータだなあ。

両チームのシーズン成績は
NE 攻撃 ラン 7位、パス 4位、トータル 4位
ATL守備 ラン 17位、パス28位、トータル25位
数字的には目を覆いたくなるような平均以下のファルコンズ守備の成績、
ただしポスト・シーズンでその質は見違えるように向上してきている。
ルーキー4人が先発メンバーという若い守備は急成長、アグレッシブな活躍が展開しそう。
さらに#44LBビーズリーは2年目ながらリーグ1位の15,5サックを記録、
#12QBブレイディにプレッシャーをかけ続けられればいいボールを攻撃に繋げられる。
ATL攻撃 ラン 5位、パス 3位、トータル 2位
NE 守備 ラン 4位、パス12位、トータル 8位
ヤードでの成績のため、わかりづらいが前述の守備1位対攻撃1位の構図がこちら。
リーグ記録の15人のターゲットに投げ分けた#2QBライアンは初の大舞台、
ペイトリオッツ守備のプレッシャーの下、同じように冷静にターゲットを見出せるか。
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余談ですが今回はNFCがホーム扱いでファルコンズは当然のようにカラー・ジャージを選択した。
ただし今回は「赤」のカラー・ジャージに。
なにしろ前回出場のスーパーボウルで「黒」を身につけ、ブロンコスに惨敗した過去があるんですね。
ファンには人気の「ブラック」ですけどね、ファルコンズの黒ジャージは。
結果、ビジター扱いのAFCペイトリオッツはホワイト・ジャージに。
ところが最近12回のスーパーボウルでは白のジャージが11勝を上げているというデータが。
それを知ってか、昨年、ホーム扱いのブロンコスはロード用のホワイト・ジャージを選択し、勝利を飾った。
あらら、またまたファルコンズに暗いニュースですねえ。
ファルコンズへの朗報は対戦前日にもたらされた。
QBライアンが「オフェンシブ・プレーヤー・オブ・ジ・イヤー」と「リーグMVP」の2冠に輝いた。
こうなるとあと足りないのはチーム初の「ヴィンス・ロンバルディ・トロフィ」、ということになる。
国歌斉唱はカントリー歌手ルーク・ブライアン。
http://www.nfl.com/videos/nfl-super-bowl/0ap3000000783393/Luke-Bryan-performs-the-National-Anthem
Luke Bryan's Super Bowl LI National Anthem

現地時間2月5日、東海岸時刻18:30、SUPERBOWL LIのKICKOFFです。
https://www.nfl.com/super-bowl
#1 New England PATRIOTS vs. #2 Atlanta FALCONS @NRG Stadium, Houston, Texas
http://www.nfl.com/gamecenter/2017020500/2016/POST22/patriots@falcons#menu=gameinfo&tab=videos
ボールを受けたのはペイトリオッツ、1stシリーズは互いに3&OUT、
その後も両チームともに要所でQBサックで相手を退け、スコアレスで第1Q終了。
第2Q、最初にミスを犯したのはペイトリオッツ、#29RBブラントがファンブル、
ボールを掻き出したのはルーキーの#45LBジョーンズだ。
このチャンスにエース・レシーバー#11ジョーンズに19y、23yのパスを通し、
最後は#24RBフリーマンに5yのTDパス、相手のミスからファルコンズが先制した、7-0。
KICKOFFからのペイトリオッツはどうもレシーバーとのフィーリングが合わず、3&OUT。
するとファルコンズは28y、18yとロングレンジのパスを通すと、
最後も19yのTDパスが決まり、あっさり追加点、14-0。
2つのTDはいずれも2分かかっておらず、さすがリーグ1位の平均得点を誇る攻撃陣の破壊力。
ようやくリズムをつかみ出したペイトリオッツは6分をかけ、レッドゾーン手前に。
しかし1stダウンを狙って投げたパスを#23CEアルフォードがレシーバーの前に割って入り、INT、
そのまま82yを駆け抜け、一瞬でファルコンズに追加点が舞い込んだ、21-0。
前半残り2:21から、ペイトリオッツはなんとかエンドゾーンを目指し、11プレイを重ねるが
やはりレッドゾーン手前で止められ、FG止まり、21-3で前半を折り返すことに。
あれ? これってNFCのチャンピオンシップと似たような展開、(対GBは24-0で折り返し)
まさにファルコンズ・ペースじゃないか、お、イケるんじゃないの、アトランタ、
なんて思っているとフィールドではハーフタイム・ショウの準備に。
今年のハーフタイム・ショウは「LADY GAGA」。
ここ数年、ゲスト・アーティストを入れ、「スペシャル感」を醸し出しておりましたが、今年は彼女のみ。
個人的にもせっかくのライブなのでコラボは不要、と思っている、
ホント去年は「COLDPLAY」単独で観たかったよ。
ちなみに彼女は昨年の第50回記念大会の国歌斉唱を担当、
そのウマさに世界中があらためて舌を巻いたのは記憶に新しい。
Lady Gaga's Pepsi SuperBowl LI Halftime Show
圧巻のショウの興奮が冷めやらぬ状態で後半のKICKOFF。
第3Q,ファルコンズの1stシリーズ、
「ペイトリオッツ王朝」の息の根を止めるには先に追加点がほしいが、あっさり3&OUT、
しかもパントリターンで34yのロングゲインを食らい、思わしくない。
ハーフウェイに近い地点から攻撃をはじめたペイトリオッツだったが、こちらも3&OUT、
するとファルコンズは17y、35yと#18WRゲイブリルにパスを集め、
最後は#26RBコールマンに6yのTDパス、8プレイ、4:41で先に追加点を奪った、28-3。
以前も書いたがTDで入る点は最大で8点、(6点獲得後、キックで1点かTDを狙う2点か選択)
25点差、って3TDでも追いつかない点差なのですね。
3回攻撃して追いつけないというのはフットボールとしては致命的なわけです。
あれえ、本当にNFCのチャンピオンシップと同じ展開、世紀の凡戦になっちまったのかよお、
とこの時点では思ってました。
しかしHCベリチェックとQBブレイディ、そしてペイトリオッツは死んでいたわけでなかった。
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次のシリーズ、4thダウン・ギャンブルやQBスクランブルでみるみるボールを進め、
13プレイ、6:25をかけた最後は#28RBホワイトに5yのTDパスが通った。
しかしPATのキックが外れ、28-9に。
一応、19点差=3シリーズあれば追いつける点差になりはしたが、
キャッチアップする側がキックをミスするなどプロとしてはありえない失敗、
ペイトリオッツがいつものペースを取り戻したとは言い難い。
ファルコンズとしては25点差もある状態で、点を奪われても時間を費やしてくれれば、
ゲームセット=勝利に近づくわけなので悪い展開ではない。
ファルコンズの守備が緩んだわけではなく、若い守備陣はボールへの集まりが早く、反応はいい、
どちらかというとペイトリオッツの攻撃が持ち前にリズムを取り戻した感じだ。
直後のシリーズ、ペイオリオッツがオンサイド・キックで仕掛けてきたが、ファルコンズがキープ。
好位置からの攻撃で時間を費やしつつ、追加点がほしいファルコンズだったが、ファールで後退、
さらに3ダウンでQBサックを食らい、3&OUT。
第4Qに入ったものの、2:15しか時間を消費できなかった。

パントを受けたペイオリオッツは13yからのロング・ドライブ、
ゴール前7yまで迫ったが、#97DTジャレットにQBサックを食らい、5y後退、
さらに2プレイ後、ふたたびジャレットにサックを食らい、やむなくFGに、28-12。
DTジャレットは2年目、若い守備がゴールラインを守った。
じわじわ迫るペイトリオッツを引き離したいファルコンズだったが、
このシリーズでも3ダウンでQBサックを食らい、今度はファンブルでボールを失った。
ファルコンズOCの選択が単調なのか、はたまた百戦錬磨のペイトリオッツDCの読み勝ちか、
ここでもファルコンズは1:20しかボールを持つことができなかった。
試合時間残り8:24、ゴール前25yでボールを奪ったペイトリオッツはパス・アタックを重ね、
#80WRアメンドラへ6yのTDパスが決まる、2pコンバージョンも成功し、28-20。
5プレイ、2:28でファルコンズの背中が見えるところに迫った。
残り5:56、ボールを受けたファルコンズはFGの3点でもいいので先に追加点を得れば、
大きく勝利を引き寄せることになる。
そんな状況下、RBフリーマンの39yパス、エース#11WRジョーンズの27yミラクル・キャッチなど、
ファルコンズらしいテンポのいい攻撃がリズムを紡ぎはじめた。
しかしリーグ1位のペイトリオッツ守備が立ちはだかる。
#91DEフラワーのQBサックで12y下げるとさらに3rdダウンで反則を犯し、3rd&20という苦境に。
結果、FGレンジ踏み込めず、ハーフウェイを越えたあたりでパントに。
時計も2:26しか消費できなかった。
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残り3:30、こういう苦境を何度も乗り越えてきたペイトリオッツが当たり前のようにボールを進めていく。
失点だけを警戒して守るファルコンズはどうしても受身に回ってしまい、
これまでの5QBサックとキレのよかった若い守備が「らしさ」を欠く。
#11エデルマンへの23yパス、落としたかに思えたが、相手の足首に当たったところを確保、
地面スレスレでパス・キャッチ、こののち繰り返しリプレイされるであろうミラクル・キャッチだ。
ペイトリオッツは窮地の状況で「しなくてはならないこと」と「してはいけないこと」がわかっている。
ラストはRBホワイトに13y、7yのパスを通し、1yのラン、TDを奪った。
当然のように2pコンバージョンにトライするとWRアメンドラへパス成功、10プレイ、2:23かけ、
レギュラー・シーズンでもお目にかかれない2連続2p成功で、28-28の同点に。
この時点でファルコンズは勝利の女神に見放されてしまったのかもしれない、
あるいは「愛国者」の魔法にかかってしまっていたのかもしれない、
試合時間は0:57残っていた、リーグ1位の攻撃力を持ってすれば、
FGレンジにボールを運び込むことは不可能ではなかったはずだ。
だがサイドラインのコーチ陣とフィールドの攻撃陣にその術も戦術もなかった。
4回の攻撃で16y進んだだけでパントに終わるという、
酷い結末に急いで向かって走るような終わり方をしてしまった。
ほんの少し前まではあれだけバカスカ点が入っていたというのに。
確かにT.O.(タイムアウト)は残っていなかったが、
NFLのレベルであれば、得点を上げるには充分な時間が残っていたといえる。
しかしファルコンズはそれをモノにする戦術を持っていなかった。
あるいは今シーズン、圧倒的な攻撃力を誇ったため、
このような逆転を要とするシチュエーションに陥っていなかったのかもしれない。
レギュレーションの時間は終了、試合はスーパーボウル史上初のオーバータイム(OT)に突入した。
ビジター扱いのペイトリオッツがコイントスをコールし、「レシーブ」を選択。
こうなるとすべてがキャッチアップしたチームに流れていくような気がする。
いつもの止まらないペイトリオッツ・オフェンスが展開し、わずか6プレイでゴール前15yに迫った。
NFLのOTはサドンデス・ルール、しかしFGでは相手にも攻撃権が与えられる、
TDを奪ったときのみ、ゲーム・エンドのルールだ。
FGは確実だがペイトリオッツとしてはTDを奪い、相手にボールを触らせることなく試合を決めてしまいたい。
そういった状況でミスを犯したのはファルコンズだった。
ゴール前2yで#59LBキャンベルがパス・インターフェアランスの反則を犯してしまう。
奇しくも彼はディフェンスのウリでもあり4人のルーキー先発メンバーのうちの一人だった。
ゴール前2yで4度の攻撃チャンスを得たペイトリオッツ、TDを奪うのはもはや容易いこと、
最後はRBホワイトが飛び込み、勝利をものにした、34-28。
ペイトリオッツ ○34-28● ファルコンズ

振り返ると「ファルコンズが勝てる試合を落とした」という印象だが、
落としたところをそっくり浚っていったペイトリオッツはさすがだ。
「フットボールにおいて前半と後半は別の試合だ」という格言があるが、
第3Qまで、つまりゲームの3/4はファルコンズの試合だった。
劣勢のペイトリオッツだったが最後に勝っていればいい、というHCベリチックの哲学がチームに染込んでいた。
だから何点差だろうと得点を取る時間さえ残っていれば、点差は意にも介さなかったわけだ。
一方のファルコンズは相手の3rdダウンやラストのゴール前でたびたび反則を犯し、
相手の窮地を自らの助けてしまった、トドメを刺すべきシーンでの助け舟を何回も出してしまっていた。
同時に勝利を確実にするための「3点」を奪いにいくことができなかった。
戦後にはおそらく語られるであろう「3rdダウンでのパス選択(結果、2サック、1ファンブル)」は、
HCクインのタイム・マネージメントの甘さが現れた形か。
フットボールは点を奪い合うゲームではあるが、時計とも戦うゲームであることも忘れてはならない。
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こうして第51回SUPEBOWL(SB)はペイトリオッツ・オフェンスの記録づくめで終わった。
まず25点差からの逆転はこれまでの10点差を大きく塗り替えての記録。
QBブレイディは62回投げ、43回成功、466yのSB新記録で4度目のMVPに。
またRBホワイトは14キャッチ、RBでの110yレシーブ、20得点という新記録を樹立、
ブレイディいわく、「MVPはホワイトだ」というのも頷ける。
ブレイディはジョー・モンタナやテリー・ブラッドショーの4度を越え、5度目のSB勝利、
今シーズン、開幕から4試合の出場停止を経ての勝利だけに別格の思いだろう。
チームを率いたHCベリチックは7度の出場、5度の勝利、
ドン・シュラ、トム・ランドリーといった歴史的名将を越え、NFL最多を数える。
「凡戦が多い」といわれるSUPERBOWLは歴史に残る大激戦で的を閉じた。
このフレーズはもう使わないほうがいいかもしれないですね。
9月頭のKICKOFFにはじまり、2月頭のSUPERBOWL、NFLは約5ヶ月間でシーズン・エンド。
とはいえ、すでにサンディエゴ・チャージャーズがLA移転を発表、
オークランド・レイダーズはラスベガスへの引越しを模索中など、オフの話題も豊富そうですが、
7月のトレーニング・キャンプ、8月のプレ・シーズン、そして9月のKICKOFFまで、
NFLのフィールドは遠くなります。
こちらもちょっとご無沙汰の現地取材の企画でも練り直しつつ、シーズンを待つことにしましょう。
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2013-10-13 (ミネアポリス&デンバー取材)
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NRG Stadium, Houston, TX
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