Connecting Flight @Beijing [Singapore]
―DAY2― 6月18日
朝からたっぷりと湿気を含んだ暑さに絡みつかれ、あらためて東南アジアにいることを思い知らされていた。
そんな朝にキッチリと起き出し、お義母さんが作ってくれた「ベトナム風スープ」で朝食タイム、
いや「風」じゃないな、ベトナム人のお義母さんがベトナムの調味料で作ってくれているのだから、
まんま「ベトナムのスープ」@シンガポールだ。(写真2)
野菜たっぷりの汁の中にフォーと似た麺を落とし込んで食べるのだが、こいつがシコタマうまい。
細い麺がスパイシーなスープを吸い込み、その旨味が長距離移動で疲れたカラダに染み込んでいく、
無限連鎖で箸が止まらず、スルスルと胃袋に入っていく、同時に大量消費的野菜吸収で健康まっしぐら。
多めに作ってくれたようですぐにオカワリが供さると「あなた、よく食べるから」と笑っていた。
スキキライなく出されたものは片っ端から平らげるのは子供の頃からの習慣、作法、流儀だ。
それが功を奏したか、前回の滞在からお義母さんのウケがいいぜ、と友人が笑っている。
今回の来訪を告げた際には「アレコレ料理作る~」とお義母さんは気合を入れていたそうだ。
寝床を提供してもらっている大いなる居候のくせに、まことに大飯ぐらいですいっません~。
スキキライなしは旅先では大きなアドバンテージ、特技としてSNSのプロフにでも記しておこうか。
昨夜、『ポンゴール』の友人宅には日付が変って時計の針が1時を過ぎた頃合いにたどり着いた。
羽田を飛び立ったCA184便は3-3列座席の中型機で驚いたことにほぼ満席、
こちらのリクエストは通らず、悲しいことに窓際の席が割り当てられた。
将棋の穴熊状態で好きじゃないんだよなあ窓側、と思いつつ、
北京までの短いフライトとあきらめ、窓にもたれて、始発電車で運んで来た眠気に従うことにした。
フライトは定刻通り、ぴったり4時間で『北京首都国際空港』に降り立った。
ここは何年振りだろう、ツアコン時代に何度も出入りした空港だが「戻って来たなあ」という感慨はない。
社会主義国らしく飾り気も味気もない空港設備で、感動に浸るにはあまりにも無味乾燥だからだろうか。
案内板も手際がいいとはいえず、空港職員にはホスピタリティの欠片もなく、空港内は社会主義国感満載。
オタオタと戸惑い、ウロウロと迷いながら「国際線乗り継ぎ」という矢印をなんとか見つけ出し、
狭い通路に進むとそこでは「パスポート・チェック」、トランジットなのになんだコレ。
チェックを終えて階段を降りると、もう一度「パスポート・チェック」があり、データを読み込んでいる。
どうやらこの国は乗り継ぎ客の個人データも欲しいらしい。
行列でしっかり待たされ、ようやく順番が来るとトランジットのスタンプを押され、軽い喪失感。
う~ん、残ページ少ないから乗り継ぎ程度でページを消費したくないんですけど、と思いつつも、
言葉にして社会主義国の公務員に抗えるわけもなく、おとなしく尻尾を巻いて、次の列に続いた。
狭い通路に並ばされたまま、今度はX-ray検査(手荷物検査)で待たされる。
乗継便では当然の手順なのだが検査機器が2列しかないため、進み方は致命的に遅い。
便数の増加に設備が追いついていない上に、余るほどいるスタッフの半分以上は無駄口に夢中、
そんな彼らがみなをイラつかせているのは明らかだったが、中国政府とやり合う物好きがいるはずもなく、
この不遇なる状況では「ロンドンから」という後ろの客とグチりあうぐらいしかやれることはなかった。
フライトで疲れたトランジット客はみなウンザリした表情で、きっとこの国が好きになった顔だろう。
艱難辛苦を乗り越え、ふたたび国際線ターミナルに解放された。(写真3)
「Priority Pass」を使い、『AIR CHINA FIRST CLASS LOUNGE』へ。(写真4)
行列で時間を失いはしたがまだ3時間は残っている、シャワーを浴び、イラつく気分と汗を流し、
遅めのランチを摂ってのんびり過ごすことにした。
シンガポールへ飛ぶCA969便は3-3-3の配列、席番65番まである大型機材だがほぼ満席だ。
バス搭乗を経て、席に着くと機材点検で1時間ほど飛び立てない不遇、
とはいえこちらはラウンジでしこたまランチを詰め込み、シャワーでスッキリしていたので、
席に着いた時点で大いなる眠りに包まれ、離陸も知らない有り様だった。
当然、遅れを取り戻すフライトになるかと思いきや、定刻21:40のフライトは22:50に到着、
遅れた上に利息までつけて、チャンギ空港に降り立つことになった。
幸いなことに入国審査はガラガラ、スルー状態でターンテーブルに向かうことができたが、
肝心のバゲージがなかなか出てこず、最後までこちらをイライラさせてくれた、中国ってやつは。
最終バスは23:50、ターンテーブルの根っこに張りつき、腕時計とニラメッコの時間が続いた。
23:40、ようやくバゲージがご登場、機材のドアを出てから30分以上もかかっているじゃないか。
発見の瞬間にカートに乗せ、気分的には青ざめながら、地階の市バス乗り場へ駆け下りた。
「XX番のラスト・バス、行っちゃった?」並んでいたシンガポリアンに尋ねると「来てない」とのこと。
安堵して列に並び、額の汗を拭っていると制服姿で帰宅するオンナのコにくすりと笑われた。
23:50、時間通りやって来た最終バスは冷蔵庫並みにエアコンが効いていてシンガポールらしかった。
その車内でも止まらない汗を拭っているとさっきと同じコたちにふたたび微笑まれた。
車内で友人に電話を入れ、バスを掴まえたことを伝え「1時を過ぎることになるかも」と付け足した。
ちなみにシンガポールではバスだろうがMRT(地下鉄)だろうが、車内での通話はおかまいなし。
訪問した国でいうと車内で通話できない国というのは、世界中で日本だけのような気がします、ハイ。
午前4時に家を出て午前1時に現地着、通常なら10時間ぐらいのところを21時間かけての道のり。
短期の旅行であるなら、もっともいい時間でもっとも早くたどり着くことをオススメします。
5日間で20万円の旅としたら、一日のコストは4万円、それを移動に費やすのはモッタイナイ。
ハッキリ書くけど、安くても乗継便はオススメしません、遅延や変更のリスクもありますからね、
限られた旅の時間をムダにしないリスク管理は出発前でもできるのです。
こちらは11日間の滞在、遠回りしても安いしマイル貯まるしという極ヒマツブシ的選択ですから。
重ねて行程に「移動」が多くなる旅はオススメしません。
さすがに昨今「ヨーロッパ10日間5ヶ国周遊」なんてのは人気がなくなりましたが、
これなんかもう移動~見学~移動~見学~移動の毎日ですからね、ホテルで荷物広げるヒマもない。
短期のアジアでもアッチ行ってコッチ行って・・・って、一度の旅で盛り込みたくなるのはわかりますけど、
バスに乗っている時間、地下鉄移動でロストしている時間のことを考えましょうね。
などと書き連ねている自分を正当化するかのように、お義母さんの朝ご飯のあとは出かけもせずのんびり、
午後の深い時間になってから、ブラリと近所のスーパーに出かけた。
お決まりのグァバ・ジュースとヨーグルトを買い、$1のスイカ・ジュース片手に疲れたカラダを解し歩いた。
移動の疲れをなんとなく引きずっているので、到着初日はスロー・ペース、今日はこれでオシマイ。
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