ノイヤンガイ(女人街) @Hong Kong [Hong Kong]

-Day 5- 1月29日
タップリ寝過ごしていたらしく、ベッドメイクの声で起こされた。
断りの声をドア越しにかけたはいいが、大声を出したことですっかり目覚めてしまい、
思いをあらため、シャワーを浴びて、確実に目を覚ますことにした。
特に予定のない旅先の朝はキケンだ、甘い睡魔の誘惑に負けるとガッツリ半日をムダにツブしてしまうことになるから。
廊下のウォーター・サーバーの脇にスティックのインスタント・コーヒーが置いてあったので、それを淹れた。
気の利いたカップが用意されているわけではなく、部屋に置かれたグラスを使うしかなかったが、
これにミルクでも落とし込めれば、ポルトガルかクロアチアのカフェと変わりがないのだが、
生憎、新鮮なミルクのサービスはないようだ。
http://delfin.blog.so-net.ne.jp/2008-04-09 『メイヤ・ド・レイテ』=ポルトガルのカフェ・オ・レ

レギュラー・コーヒーならブラックで飲むが、インスタントの場合、ブラックはいただけない。
家で飲む際はそこにミルクをドボドボ入れ、お茶ならぬコーヒーを濁しているわけだが、
出先でインスタントの場合、やむなくパウダーのミルクを入れたりはするが、
脂のニオイがニガテでできることなら白い粉は遠慮したい。
旅先ではスーパーで牛乳パックを買ってくることもあるが、
部屋に冷蔵庫がある場合に限られるし、欧米では量が多すぎるのでやっぱりパウダー・ミルクに頼ることに。
そんな状況でも、「ホワイト」「フレッシュ」といわれる白い液体は論の外、
あれは「ミルクに模した」シロイ油でしかなく、乳成分は一つも含まれていないシロモノ、
こちとらコーヒーに油を注いで飲むほど味覚のシロウトでもない。
機会があったらあいつの成分表をご覧あれ、きっと顔色がシロくなりますから。
今朝は「3in1」の甘ったるいコーヒーが朝食代わり、過度の甘さはコーヒーとは別次元、
コーヒーと思うと残念な気分だが、こういう飲み物だと思えば、悪くはなかったりする。

昨夜は観塘(クントン)から戻り、旺角(モンコック)周辺をあらためて探索した。
日が落ちたころにニギヤカさを増す「女人街(ノイヤンガイ)」に足を運び、店先に並ぶ雑多なものを眺めて歩いた。
買いたいものがあるわけでもないので、手に取るものもなく、
値切り交渉に勤しむわけでもなく、ただ流れるように歩くだけだが。
出店ではなにげなしに品物を手に取ると「購入意思がある」と思われ、店員の猛烈なプッシュに襲われる。
「つい手に取る」「値段を知りたがる」は世界共通で「買いますよ」のサイン&商習慣、
日本人が陥りやすい罠、無意識でやってしまう悪癖ですのでご注意を。
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夜のマーケットをうろつきながら、露店の背後にある食堂やレストランで興味を惹かれる食事を探した。
ところが観光スポットらしく、少しばかり値の張る「セットメニュー」がホトンドで一人ご飯には敷居が高い。
「喰いて~」状態になるものもなかったので、しばらく空腹を抱えたまま、歩き続けた。
こうなったら露店でアレコレ見繕って、部屋に持って帰って食べてもいいな、などと思いながら、宿の近くの出店を眺めた。
すると狭い路地に人が吸い込まれて行ったかと思うと、入れ違いで満腹したのか満足げな人たちが吐き出されて来る。
そんな地元の人の動きが気になり、後に続くと、そこには「魚丸麺」と書かれた半露店のような食堂があった。
「お、いいじゃん、ココ」、琴線に反応したので、夕食の場所をココに定めた。
かねてから旅先のこんなシーンでは「鼻が利く」という特殊能力を発揮するのだが、
悪を倒し、世界を守るための能力としてはちょっと弱いかもしれない。
路地に面したテーブルでは地元の人たちが無言で麺をすすっている。(写真4)
手前の調理場では湯気がもうもうと立ち上がり、手際よく麺を茹で上げている。
壁のメニューは漢字で書かれてはいるので、なにがあるのかはなんとなく掴めたが、
それよりもほかの客が食べているモノのほうが参考になりそうだった。

「ん!」という感じで言葉も発しない店のオヤジサンの特殊能力に促され、空いている席に腰かけた。
「ワンタンミン(雲呑麺)!!」と意味なく元気よく伝えると、
「OK」とシンプルな返しが。
素気ないが必要ない愛想をムダに振りまく鬱陶しい接客よりは気分がよかった。
地元の客しかいない店では誰もが手際よく麺をかき込んでは手際よくお金を払って去っていく。
時折、持ち帰りの客がやって来ては注文を入れ、これまた手際よく「打包」された器を持って帰っていく。
吹きさらしのとてもキレイとはいいがたい店だったが、こうして地元の人の動きを見ていることが楽しい。
少し小ぶりな器でやって来た「ワンタンミン」は細めの中華麺がプチプチと硬い食感、
主役のワンタンは少し大ぶりで口の中を埋めつくすような食べごたえがあった。
「あ、ダメだ、コレ、何杯でも食えるぞ、コレ」
ワンタンミン$28、地元の人と肩を並べ、すする麺の味は格別だ。
「多少銭? (ター・シャオ・シェン=いくら?)」
「アー・スー・パー(=二十八)」
地元の人のように手際よく食べ、手際よくお金を払ったつもりだが、値段を聞いている時点で手際よくはないんだよ、きっと。

朝食を買い損ねたのは、その後も夜の街を歩き続け、気がつくとスーパーが閉まっている時間になっていたからだ。
朝食代わりの甘いコーヒーを飲み干し、出かけることにした。
ホテルを出てすぐのところにある出店のニオイに捕まってしまった。
「魚丸(魚のツミレ)」で早速、燃料補給、「朝食代わり」はドコに行ったのだ?
どんなときもどんなところでも朝から胃袋になにか入れないと動く気になれない性質、イヤ、ただ卑しいだけか。
なので、ツアコン時代はホテルの朝食をゆっくり食べるのが至福の時間、
昼食、夕食はお客さんと一緒のテーブルだったしね。
カレーオデンのような、辛めの味噌おでんのような、スパイシーな味付けがおもしろい。(写真1)
これって、おそらくマカオで流行っていたおでん屋さんがそのまま香港に伝わってきた感じだよな。
串にかじりつきながら、旺角をまっすぐ南下、チムサーチョイを目指した。
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